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【SDGs関連 読書録】日本のSDGs:それってほんとにサステナブル?

日本のSDGs:それってほんとにサステナブル?
高橋真樹 (著) 大月書店 (2021/3/18)


いいことしているアピールのモヤモヤするSDGsという提起から始まり、SDGsの肝要となる「持続可能」と「トランスフォーム(=変革)」という言葉のていねいな解説で始まります

日本における背景の分析として、
 ・社会関係資本(地域社会での結びつき)が低い
 ・精神的な幸せを実感しにくい
 ・人口減少時代にどのような社会をつくるかというビジョンに欠ける
  ⇒ この点はまさにその通りで、行政やの揶揄だけではなく、自分の考え・行動も見つめ直すことを考えさせられます

モヤモヤする「いいことしているアピール」のSDGsを脱するには
 ⇒ 自分たちの課題に落とし込んでいく作業が必要
 ⇒ フォアキャストとの決別:目標設定が漠然とするか達成しやすい現実の延長にとどまる
これらは、組織やコミュニティ単位で考える場合には、思いつきではなく深い議論が必要と感じる部分、メンバ間で熱量に差があるとうまくいかないし、「業務」「仕事」として行うようにしないといけない

トレードオフしていないか?という部分は、一部の取り組みを達成するために、別の環境問題や人権・労働などの面を犠牲にしない(マイナスを作らない)という (カーボンニュートラル・脱炭素 では忘れられがちな)SDGsの考え方(現存課題へのバランス)には共感するところがとても大きい

働き方や教育などトピックで8つの論点を進める章では、
社会のしくみに取り込まれた価値観がアンコンシャスバイアスにつながる
しくみを疑い変えていく視点を持たなければ、後から「そういうことにしよう」と帳尻合わせをしても変わらない問題が多いと改めて感じる

実践例の章では、
持続可能性を「自分ごととして捉える」には、実体験や感情に響く機会が大事であり、日本では子供向けの教育が多いが、大人としても機会を作らなければならないと思える
また、自分がアクターとして多くの人を巻き込み社会変革していくには、ナッジのような仕掛けも混ぜると効果的だと感じ、これを支援していきたいと思う