仕事を辞めて1年弱 《社会から離れて見える景色》*全文無料
ああ、また私は振り出しに戻ったのか。。。
私は20代の頃からひきこもりと社会復帰を繰り返している。
今回の仕事は、障害福祉の仕事で自分が初めてこれをやりたいと選び取ったものだった。
6年弱続けたが今年退職した。
燃え尽き癖のある私はなるべくセーブして長く続けたかったが、人員不足の中人手は補充されず、賃金は上がらず責任や仕事量が増えていった。
上司も厳しい経営の中協力するどころか、仕事を妨害したり、責任をなすりつけるような言動ばかりだった。
ここで踏ん張っても将来に希望がない。
そこに踏みとどまる理由はなかった。
何より嫌だったのは、障害者の利用者に対して募って行く自分の苛立ちであった。
こんなあってはならない感情を殺して、押し殺して、親切で思いやりのある支援者の仮面を被って過ごすのは本当に苦しかった。
息のできない水中でもがき、なんとか水面で空気を吸いまた水の中に潜るような日々だった。
溺れている最中は周りが見えなかった。
仕事を辞めて、社会から離れて、ようやく自分自身やそれを取り巻く社会を俯瞰して見ることができた。
ひきこもることでしか見えないものもある。
私と特定の他者、という限られた関係性の悩みは、もっと普遍性のある苦しさだったのではないか。
私はとてつもない大きなもの、太刀打ちできないものと戦ってきたのではないか。
私のやりたかったことは、誰からも求められていなかったのではないか。
私の努力は周りを幸福にしただろうか。
何より自分は幸福だっただろうか。
深い無力感の中で、自分の生き方を再構築しなくてはと考えていた。
私の苦しさとはなんだったのだろう。
私の幸福とはなんなのだろう。
私は何をしたかったのだろう。
そんなことを頭のどこかで常に問いかける一年だった。
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