てるてる坊主に風が鳴る 生きよと鳴る 生きよと笑う 生きてゆこうとおもう
もう会えないと思ったら 識別も反射もしっかりていねいになる 昨日はあんなにいがみあっていたのに なつかしさ いとおしさ
風の温かさは つよい一雨から 山の温かさは 落葉の一枚から 人の温かさは わびる一涙から
海月は がらんどうのように すきとおって見える。 けれども たくさんつながると、 地図のように広い。 まるで 私たちの頭のように 絡まり合って生きる。 途切れたら 何度でも掴み取ろう、 輝かしい夢のように。
雨が奏でている いま聴いておかなければ 二度とないというふうに奏でている しぜんと 胸がたかなる
氷に穴を開け釣り糸を垂らす 釣れそうですか?分からない でも、やっと過去と繋がった 他ならぬ僕が開けた穴だから
僕はキャッチャー。張り詰める。 どこから飛んで来るやもしれない ボールに備え、肩に力が入ってる。 後ろにボールが行ってしまったら 自分のせいで、負けてしまうから。 まじろぎもせず、ただひたすらに。 誰も守らない交差点の信号でぽつり。 「たまには目を瞑ってやり過ごそう」 「分かった。でも、僕に出来るかな」 「大丈夫。だってみんなはあなたを ボール以上に見ているから。信じて」 ありがとう、心の監督からの伝言よ。
ことばよ 生まれてきてありがとう 怒りということばがなかったら 誰かを傷つけていたかもしれない ことばよ 生まれてきてありがとう 喜びということばがなかったら 私を認められなかったかもしれない ことばよ 生まれてきてありがとう 悲しみということばがなかったら また一人の夜がふえたかもしれない ことばよ 生まれてきてありがとう 幸せということばがなかったら 分かりあえなかったかもしれない
夕暮れになると 太陽はなにもかも許してしまって いそいそと引き揚げてゆくらしい
父という字は 上から下から 左から右から 横から後から見ても 同じ場所に立っている 父は岩のように ゆるぎがないもんな
おかえりなさい 頭の中はどうだった たくさん動いて渋滞していたよ ほっとするシナモンを届けましょう おかえりなさい 耳の裏はどうだった みんな楽しそうにふるえていたよ 一息つけるようにお布団を届けましょう おかえりなさい お尻の方はどうだった 暗くて重くてどんよりしていたよ つきたてのお餅を届けましょう おかえりなさい 足の先はどうだった とっても細くて冷たかったよ 温かいココアを届けましょう 僕たちのおかあさんは 休むことなく今日も営業中
きもちがすみわたってくる むすめが大樹のそばへかけよって動けととなえれば 大樹がおじぎをするとおもわれてくる
希望の終着駅は支配 感動の終着駅は搾取 安定の終着駅は強迫 愛情の終着駅は執着 人は電車に身を委ね 行先告げられぬまま 窓の風景うつりゆき ふと、冷静に考える 無言の踏切色も無く 頑迷固陋の駅を降り あたかも当然の如く 逆方向へ乗り換える ありがとう僕の目よ ありがとう僕の仁よ ありがとう僕の足よ ありがとう僕の義よ
後悔の百日より 挑戦の一日を 同調の百日より 貢献の一日を 執拗の百日より 慈悲の一日を 秩序の百日より らしい一日を 損得の百日より 名誉の一日を 緊張の百日より ハグされた一日を 鬼畜の百日より 賢者の一日を
僕の頭の中は 絡まったイヤフォン どうやって解く 毎日その繰り返し いっそのこと ワイヤレスにしよう さようなら 線で繋がった苦しみ達
地平線の先には何があるのだろう 崖で滝が流れ落ちているに違いない 地球が四角かったときの話 戦争の先には何があるのだろう 祖国の繁栄が待っているに違いない 国家が主権だったときの話 人生の先には何があるのだろう 皆と同じだったら間違いない フツーが当たり前だったときの話