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即興小説 晴野雨音はこもりがち 第3話 神凪律子は企てる(前)
神凪律子[かみなぎ りつこ]は中学教師である。昨年度まで夜職だったのだが、大学で教員免許を取得していた事もあり、今年度から教師となった。律子の家は裕福ではなかったが、赤子の頃から出会った誰もが褒め称えるような美貌を持ち、さらに優れた頭脳と運動神経を備えた彼女は短大に合格後、なぜか銀座の高級クラブで働き始めた。学生時代、その人並外れた容姿は学区外にまで噂になり、その噂を聞き付けたいくつかの芸能事務
もっとみる即興小説 晴野雨音はこもりがち 第2話 暈原真守は呼び出され
暈原真守[かさはら まもる]は傘屋の息子である。いや、正確には傘屋というよりかは雨具全般を扱っているのだが。彼の父、暈原太蔵[たいぞう]は大学卒業後に大手アパレルメーカーに新卒で入社、トップ営業マンとして活躍し、26歳でやはり大手デパートの受付嬢であった麻由理[まゆり]と結婚。息子の真守の誕生を機に独立。「俺の名前、暈原[かさはら]っていうから、やっぱ傘をメインにしたメーカー立ち上げたかったんす
もっとみる鬱病になった私が質問に答えてみた
メンタル系アプリ、マインドカフェさん内のコンテンツにわたしさがしというものがあり、100の質問に回答すると7日間に渡り、アプリ側から診断結果が送られてくるんですが、6日目、7日目は質問をやるから回答して自分で考えろ!という、なんか突き放したやつでした。これは、その最終日の質問と回答をコピペしたものです。
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あなたが思うあなたはどんな姿ですか?
気に入らないところはありますか?
即興小説・晴野雨音はこもりがち1
晴野雨音[はるの あまね]は雨女である。
遠足、運動会、修学旅行、その他もろもろのイベントごとが行われるたび、雨が降るのである。小学生の頃、運動会のたびになぜか毎回雨が降るのを疑問に思った雨音は、5年生の運動会の朝、「おなかが痛い、とにかく痛い、めっぽう痛い」と母親に訴え、学校を休んだのである。いつもおとなしい娘が、気のふれたように腹の痛みを訴えるので、母親は驚いた。盲腸だろうか、はっ、もしや
もうダメかもわからんねと感じたときの即興詩・ナイフと花
僕は弱い
だから戦場に出たら
マシンガンに蜂の巣になり
あるいは刀で首を切り落とされ
またあるいはナイフで心臓を抉り取られていただろう
僕は弱い
だから戦場には出られなかった
だけど罵倒のマシンガンに蜂の巣になり
暴言の刀で首を切り落とされ
蔑視のナイフで心臓を抉り取られていた
現実のナイフで刺されたら血が飛び出るけど
言葉のナイフで刺されたら何が出てくるんだろう
毎日毎日僕は言葉のナイフで
寓話・ねこさんのだいぼうけん
ねこさんは、変なもようのねこさんだったので、みんなからイジメられていたのです。
ねこさんは、ある日お星様に願いをかけたのです。
「にゃ~!(お星様、僕をニンゲンにしておくれ!)」
そうしたら、急に空に浮かぶお星様のひとつが、ねこさんに向かって突っ込んできました。
ぐおおおおん!
「ぎにゃ~(た~すけ~て~!)」
ドウンッ!
なんと、お星様だと思ったそれは宇宙船だったのです
断片小説ケーキ・前半部が紛失した原稿を晒してみる
以前、個人サイトに掲載していたケーキという題名の小説。一気にまとめて発表したのですが、ページの都合上か上中下の三部構成になっていました。
レンタルホームページのサービス終了に伴い、この小説も現在では読むことができなくなったのですが、結構力を入れて執筆した作品群もあったんですよね。最近になり、インターネットアーカイブ内のウェイバックマシーンでいくつか作品をサルベージしたのですが、今作もその中のひと
心身が限界に追い込まれた時に出てきた文章
日記的に毎日更新している企画があるのですが、時間がないなか、無理に捻り出したのが、以下のものです。
負け戦
心身、すっかり疲れ果て、脳は睡眠を要求してきました。私はそれに抗うことはできずに、ただ倒れるのでした。夢を見る余裕すらなく、恐怖から逃れるように思考を停止させるのです。
気分は負けるとわかっている戦いに出向く兵士たちのようです。散ることそのものが、美しいと自らを哀れな暗示をかけ、
創作小説・CHIKUWA IS DEAD !?ーのぐそドリルと人間失格ー
0 風に吹かれても
「くるりんぱ!」
放り投げられた帽子は、彼の頭の上でくるくると回り、まるで魔法のように、元あった場所へと収まるのだった。
そのとき彼が見せてくれた、はにかむような笑顔を、わたしはけして忘れることはないだろう。
あの、優しくて、温かくて、少し悲しそうな笑顔は、わたしに何を伝えたかったのだろうか。
彼がこの世界からいなくなった今も、わたしはときどき思い出すのだった。
旧作紹介・Going my way
『友情』という小説がある。
御大層な名前を持った、ある文豪の作品だ。
その小説はヒューマニズム溢れるタイトルとは裏腹に、三角関係の末の略奪愛を描いた後味の悪い作品で、僕はどうにも好きになれないのだけれど、とにかく、その大袈裟な名前を持った小説家の代表作であることは確かだった。
そして僕と彼との関係を表すには、その作品名を引用するのが最も的確といえるのである。
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「あ~、進路か~っ
黒歴史公開・掌編小説 夏休みの計画ーまたの名を家族計画ー
通知表の結果は散々だった。もちろん、ろくに僕が勉強していないからである。
このままでは、いけない。
明日から夏休みが始まるけど、悠長なことは言っていられない。僕は、生まれ変わるんだ。今までのように、土壇場の8月31日になってから宿題を無理やり片付けるようなことはしない。結局、間に合わずに担任からビンタくらうなんてことも、今年はナシにしたい。やっぱり、人間、計画的じゃなきゃいけないよね
初投稿 即興小説・9月1日、アイスクリーム、彼女は転校した
9月1日、アイスクリーム、彼女は転校した
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夏休みが終わり、久々に学校に行くために乗りたくも無い電車に乗る。取り立てて、たいした思い出もない夏休みだったが、これからまた学校が始まると思うと憂鬱になる。友人の彰彦は、休みがずっと続くと不安になるから学校早く始まんねーかなと言っていたが、僕にはまったく理解できない理由であった。休みが続くなら、それに越したことはない。勉強は面倒臭いし、体育の時間