見出し画像

3週目:コロナ商材、便乗ではなく、使命感の持てるモノを売ろう

 訪問営業やテレアポを強みに、BtoBの営業プロセス代行(Sales Process Outsourcing)やマーケティング支援を手がけてきたサーパスが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、危機に直面しました。

 私たちが訪問営業やテレアポを脱し、新しいスタイルを確立するまでの奮闘記をご紹介します。記録をスタートしたのは、コロナショックが深刻化した3月末のこと。今回はそれから3週目の記録を掲載します。

■3週目:4月13日(月)〜4月19日(日)

 コロナショックが経営が悪化する中でも、まずは目先の危機を乗り切えなくてはなりません。そのためにはひとまずお金を稼ぐこと。それができれなければ、社員を雇い続けることもできません。

 私たちの本業は、BtoB営業プロセス代行(Sales Process Outsourcing)やマーケティング支援です。ですから平時は何らかの商品を直接扱うような販売代理業務などやりません。

 しかし、今は四の五の言っていられるような状況ではありません。

 まずは、コロナ禍だからこそ売れるような商材をかき集めること。といっても、マスクを転売するようなことはすべきではありません。あくまでも、コロナショックで疲弊する日本社会に役立つような商材が何なのかということを考えながら、売るべき商材を探していきました。

 運良く、先週半ばにNHKの取材を受けたこともあって(詳細は「融資相談でまさかのNHK取材!災い転じて福となるか?」)、それを見た経営者仲間から、「こんな商材があるよ」という連絡もたくさんいただきました。その中で、「営業をしかけよう」と決めたのが、5つの商材でした。いずれもコロナショックで需要が急激に増えると考えられるようなものばかりです。

コロナショックで私たちが売ろうと考えたもの

画像1

◎オフィスや飲食店、商業施設などを清潔な環境に保つためのツール
・イオニアミストプロ(空間向け)
・イオニアミストカード(個人向け)
・マジッス(ドアノブなどに向けたケータイスプレー)

◎在宅勤務向けの業務可視化ツール
・Quasee

◎非接触の顔認証検温システム
・クイックハイジーンターミナル

商材に「旗印」を立てよう!

 コロナショックを受けて、世の中にはいろいろな商材があふれていました。中には確実に人々の衛生管理などに役立つものもありますが、一方では怪しげな商品も増えていたのが事実です。

 そんな中で、サーパスは何をどう扱うのか。私はこういった基準を考えるときに、いつも上のような概念図を書くようにしています。そして「Why」から頭の整理をスタートさせていくのです。ここできちんとロジックを整理できていれば、「なぜサーパスがこの商品を売るべきなのか」ということに対して、社員にも対外的にもスジを通して説明ができます。それが、大切なのです。

 今回はこんな風に考えました。

【Why】新型コロナウイルスに対処しなくてはならない
→感染拡大を食い止められるような、役立つ商材を扱うべき

【What】コロナショックによって、何が起こったのか
(1)オフィスや商業施設、飲食店などで清潔さを保つことが必須になった
(2)オフィスや学校、病院など人が集まる場所に行く時には体温管理が必須になった
(3)働き方に目を転じると、在宅勤務によって個々人の生産管理が難しくなった

【How】Whatで見えた課題に対して、どんな解決策があるのか
(1)人の集まる場所を清潔に保つツールを使うといい
(2)簡単に体温検査のできるツールがあると便利
(3)在宅勤務の業務可視化ができるといい

 こう考えて商材を選んでいったのです。こうしてロジックが1本通れば、これから商品を売り始める社員も、そして社員が営業をかけるお客さまも、すっと理解をしてくれるようになります。

 特に今回は、新型コロナウイルスの感染拡大を止めたいというミッション(使命)が明確に掲げられます。自社のためだけではなく、社会のために——。人は、ミッションが明確である方が士気が上がるものです。特に女性は使命感にかられると強くなる。

 だからこそ、何を売るのか決めたら、その根底にあるミッション、言い替えれば「旗印」こそが大切になる。そして、しっかりとした論理を構築して、旗印を掲げることこそ、リーダーの仕事なのだと思います。

武器は「売る」こと

 BtoB向けの営業プロセス代行を強みとする私たちが、突然、コロナ対策の商材を売り始めた。こう聞くと、まるで事業内容に見境のない企業に思えるかもしれません。

 けれど、私の思いは違います。

 サーパスがどんな企業なのかというと、「売る」ことのプロフェッショナル集団です。どんな時代にも、「売る」という仕事が消えることはありません。「営業」という職種は常に存在しつづけるのです。

 そこで大切なのは、「何を売るのか」を見極めること。時代が求める、そして社会をより良くするものが何かと考え、カメレオンのようにその時々で必要なものを売っていくことが私たちの使命なのです。そのためにも、人々が今、どんな課題に直面し、何が困難を解決するのかを、常に探っていなくてはいけません。

 それも、大切なのは「新しい概念」を生み出して提案していくこと。「こんな解決方法があったのか」というほかにはない解決策を提案して売っていけば、確実に他社とも差別化ができるはずです。今回、私は「コロナショックで困窮する企業の悩みを、ワンストップで解決できないか」というテーマを持って、何を扱うべきかを考えてきました。

 世の中にとっていい影響があるけれど、まだあまり知られていないもの。知恵を使って、お客様の課題解決と商品を結びつけて伝えるところにこそ、販売代理店の価値があると私は信じています。そして、どんなストーリーをつくるのかというところでこそ、「売る力」の真価が発揮されるのではないでしょうか。

 来週からはいよいよコロナ対策商品の販売もスタートします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?