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作中のセリフ【ブルーピリオド/葬送のフリーレン】
細々と続けてきたnote活動、ようやく10記事目となりました。区切りとなる本記事では漫画の1シーンを2つ紹介します。
皆さんの心に作用する台詞があれば幸いです。
①ブルーピリオド
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解説
「ブルーピリオド」は美術大学の受験と学生生活をテーマにした作品。
主人公の矢口八虎は何事もある程度こなせるゆえに何かに熱中することができないでいたが、あることをきっかけに美術の世界に没頭する。
このシーンはそれなりに力をつけてきた八虎が、予備校で天才と言われる作品を観て衝撃を受けるシーンである。無意識に自分と切り離して称賛する人が多い中で、八虎は衝撃を受けて、落ち込んだ。それを見たユカ(龍二)が声をかける。
「悔しいと思うならまだ戦えるね」
感想
人は歳を重ねるほど自己認知の解像度が上がり、相対的・客観的に自分を評価することができるようになる。それは割り切りが上手くなるのと同時に諦めが早くなることでもある。人は神と自分を比較しない。圧倒的な天才を目にした時、単に畏敬の情が湧き、悔しいとは思わない。
このシーンの八虎は無意識に天才と自分を比較した。自分と切り離して称賛することは精神的に楽になる。これは場合によっては必要な割り切りなのだが、その時点で勝つことは叶わなくなる。「戦うことができる強さ」を表した台詞である。
私自身も負けず嫌いでうまく割り切れないことがある。そんな中で、挑戦する強さを肯定してくれるこの台詞は心に残っている。
②葬送のフリーレン
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解説
「葬送のフリーレン」は勇者や魔物がいる異世界が舞台の作品。
主人公のフリーレンは千年以上生きるエルフの一族であり、数十年しか生きない人間を知ることは難しいと考えて興味を持てないでいた。しかしあることをきっかけに、かつての仲間である英雄ヒンメルを知る旅に出る。
このシーンでは共に旅をするフェルンにプレゼントを贈ろうとするが、他人の心を推し量る習慣がないフリーレンは好きなものがわからない。自信を持てずに渡したプレゼントだったが、受け取ったフェルンは感謝する。
「あなたが私を知ろうとしてくれたことが、堪らなく嬉しいのです。」
感想
人や物事に興味を持つことは、それを好きになるための一歩目である。興味を持つことで、知ろうという気持ちが芽生え、知ることで好きになる。時にはその過程を経て嫌いになることもあるが、興味を持つというステップから始まることに変わりはなく、前提として興味を持たなければ人や物事を好きになることはない。
フリーレンは人を喜ばせるには贈り物そのものの価値が重要だと考えて、フェルンが好きなものや欲しいものを時間をかけて考えていた。その結果、フェルンのことをよく知らないことに気付くのだが、相手にとっては贈り物そのものの価値よりも、それを選ぶ過程に価値があったことを知る。
私はフェルンと同じように知ろうとしてもらえることを嬉しいと感じるが、皆さんはどうだろうか。人は基本的には自分のことを好いてくれる人に対して好意的な気持ちを持つ。「好き」を定義するのは難しいが「興味を持って知ろうとすること」と置き換えてみてはどうだろう。その結果知ることができたかどうかは重要ではなく、しようとすることが大切なのである。
また、私は比較的人に興味がある人間だと自覚している。勿論、人によって弁えなければならない線引きはあるが、興味を持つことは人間関係を育む一歩目にもなるので、引き続きこの感性を大切にしていきたいと思う。
以上、私の好きな作品から2シーンを紹介しました。この2作品はストーリーの面白さもありますが、印象的な台詞が多い作品です。言葉が好きな方は1度読んでみてはいかがでしょうか。
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