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令和2年、“無観客”の大相撲春場所が始まる。

大阪や名古屋、福岡近辺に住む大相撲ファンにとって、地方場所は、待ちに待った年に一度の楽しみで、随分前からチケットを申し込み、まだかまだかと待ちわびるもの。

私にとっても大阪場所は熱心に見出したここ数年は、「春の訪れ」を告げるなくてはならない季節のイベントで、どんなに忙しくとも開催中は何度か観に行ってしまう、お決まりの行事になっています。

そんな大阪場所。今年は無観客開催という慣れない様式で3月8日に初日を迎えました。中止の判断がされなかっただけでも、有り難いと思うべきなのですが、やっぱりがらがらのマス席を見ると寂しい。

そんな中、今場所の協会ご挨拶がとても印象的だったので留めておきたいと思います。

(以下抜粋)
『古来から力士の四股は、邪悪なものを土の下に押し込む力があると言われてきました。また、横綱の土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安を祈願するために行われてきました。

力士の体は、健康な体の象徴だともいわれます。
床山が髪を結い、呼出が拍子木を打ち、行司が土俵をさばき、そして、力士が四股を踏む。この一連の所作が、人々に感動を与えると同時に、大地を鎮め、邪悪なものを押さえこむのだと信じられてきました。

こういった大相撲のもつ力が、日本はもちろん世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう、協会員一同、一丸となり、15日間、全力で努力する所存でございます。』

(全文はこちら)


あぁそうだった。
スポーツ観戦など特に趣味ではなかった私が、大相撲の世界に惹き込まれたのはこういうところだったと改めて実感し、現代でも、たとえ形式が多少変化しようとも継続されていることに有難みを感じました。

もちろん通常の場所でも、国技であること、神事であること、所作の大切さなどは前提で観戦はしますが、そういう当たり前で忘れられていた部分にスポットがあたることで、より「大相撲」が浮き彫りになる今場所は、またとない特別な機会。

お相撲さんたちにとっては(ご当所、準ご当所で本来郷土の声援を浴びるはずだったお相撲さんは特にそうですが)、戸惑いのある場所かもしれませんが、とにかく無事に千秋楽を迎えられることを願います。

「荒れる春場所」。土俵上の展開により集中して15日間を楽しみつつ、巷で話題の親方チャンネル(日本相撲協会公式YouTube)も新しい層へのアプローチになれば面白いなと思いつつ、いつもと違う春場所を堪能します。

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