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無観客と想像力とAぇ!group

気づけば、このnoteも半年ぶりの更新となるわけですが、いやあ大変な時代、まさに”大きく変わる”大転換の時をともに生きていますね、お互い。お元気ですか。おかげさまで、私につきましては至って元気です。なんと今日で2020年8月も最終日。前回の更新が2月22日なんですけども、それ以降の半年間をちょっとずつ振り返ってみたいと思います。

といっても、いろいろありあすぎましたね、この半年。あらゆる物事がダイナミックに変わっていっている最中。あまりに変わりかたの濃度が凄くて、アウトプットは追いつかない。なので、じっくり時間をかけて振り返りつつ、変化を受容していきたい感じもしております。

で、まあ私はこれまで音楽のライブや演劇や映画を観に行くとか、それはもう本当に息を吸うようにそういうことをしながら20年間くらい生きてきていたわけですが、そういうことが一旦すべて止まってしまった。夏にあるフェスも仕事で行くこともあれば純粋に自分で遊びに行くこともあった。そういうことを、2000年の大学入学の年以降19年間、ずっと日常にしてきていた。でもそれらが全て、無くなった。もう少し正確に言えば、もちろんオンラインの生配信で試行を始めてきたものはたくさんあって、それらがまたどれもこれも非常に面白くて、ライブに関しては、ライブハウスが強いられている窮状になんとか少しでも貢献できればと思いつつ、とにかくいろいろオンラインでの試行を楽しませてもらってきた半年間でもありました。

そんななか、関ジャニ∞のファンクラブにも入っているわたくしとしましては、この夏はやはり7月28日にあった”関西ジャニーズ”という括りで関ジャニ∞を筆頭に、ジャニーズWEST、なにわ男子、Lilかんさい、Aぇ!group、そして関西ジャニーズJr.が勢揃い・一丸となっての配信ライブがとにかく面白かった。公演が悉く中止になってしまっているジャニーズの人たちによる渾身の、しかも初めての無観客・生配信での万博記念公園からのライブだった。

そもそも、ジャニーズ事務所のタレントのライブ・コンサートといった公演というのはまあとにかく多くの人がご存知の通り人気が高く、チケットは常に争奪戦であり、自分くらいの年齢になってくると、その争奪戦の時点で脱落しているのが常(そもそも仕事の合間にその情報を取るリソースが残っていない、というのが大きい)。

でも、今回は配信で、みんな平等な形でこれを観れていたことがすごかったなと改めて思う。チケットを取ることへの執着やそれにまつわるストレスが激減するだけで、こんなにも前向きに公演を楽しめるものなのか、と。プラス、野外で、しかもそれが万博記念公園ということがこれまた非常に珍しくて面白かった。正直、これまでにあまり観たことのない絵面だった。オープンエアになるスタジアム会場という意味ではこれまでにもいろいろあると思うが(嵐の国立競技場など筆頭にね)、野外に2ステージ組み、それをフルに使って5つのグループと大量のジュニアの子達が息つく暇なく出て来続けて、2時間ぶっ通しで生配信をしていた。なんだったんだろうか、あれ。

正直、今までに全く観たことのないものを観たな……という感じで圧倒された。フジロックが配信されるようになった年に家でフジロックを観ていた時に感じた新体験感にも近かったが、なんとなく違った。し、テレビの生中継とも違うのだ(まあ、CMも入らないし)。生配信の、あの、始まったら再度、一筆書きで最後まで行きますよ!!!という臨場感て、なんなんでしょうね。めちゃくちゃ興味深いポイントでした。


で、まあそんななかでも、2月のnoteにも書いたとおり引き続き、Aぇ!groupはぶっちぎりで面白かった。ちなみにAぇくんたちの面白さや力強さ(馬力みたいなものがある)はこの7月の生配信に始まったことでは全然なくて、2月25日のNHK『うたコン』辺りから着々と、何かが始まっていたように見える。というのも、この大阪NHKホールからの生放送が急遽無観客へと変更になったのをとてもよく覚えていて、そこにAぇ!くんたちは出演していた。そして、その数日後から始まる1ヶ月に渡っての大阪松竹座での彼らの初座長公演が、最初の1週間中止となっていった。まだこの頃は、世の中的には”念のため様子を見る”という雰囲気だったように思う。でも、そこからさまざまな公演が中止を余儀なくされるようになり、彼らの公演も、なんと全公演が中止になった。

(私も3月27日に一回だけ観に行く予定だったが、これは3月2日に難波を通った際に撮ったもの。この時はまだまさか全公演中止になるとは思わなんだ)

しかしそういうことが決まってからも、彼らは休むことなくいろいろと発信を続けていて、4〜5月の緊急事態宣言下では4月21日から5月31日まで休むことなく毎日動画が更新されていた。これがまあ、とにかく純粋にすごいパワーあるなと思ったし、感銘を受けました。プラス、メンバーのなかの末澤くん、正門くん、小島くんがなにわ男子と隔週で放送しているラジオも、全員がそれぞれの家から電話で繋ぐ形で放送は休むことなく続いていて、これも面白かった。どこかのスタジオをキーにすることなく、3人が電話で話しているのを聴いているような状態になるラジオ、というのは正直初めて聴いたと思う。でもあの形だからこそ醸し出されてリスナーにも共有されていく距離感のようなもの自体が興味深くて仕方なかった。しかも、彼らがそういった放送の中でやっていることは全くしんみりしておらず至っていつも通りであるがゆえ、余計にいい雰囲気だった。あれって、若いからなせる技なんだろうか?なんかめちゃくちゃにポジティブだった。前例や過去の成功体験にとらわれることがない、というのは若い人たちの強みだし、もちろん1ヶ月を予定していた公演が無くなったらショックは大きいだろうけど、そういう悲壮感に囚われていない。そういう姿自体がとてつもない希望であるし、こういう若く希望に溢れた次世代にできることを、私たちみたいな中年はちゃんと考えて遂行していかないとなんだよな、とか、Aぇ!groupを観ながら何度も思わされた。

前回、Aぇ!groupおもしろいんだよ〜  関ジャニ∞もAぇ!groupも超絶よいんだよ〜京セラドームでAぇくんたちが披露してくれた『勝手に仕上がれ』は最高だったねえ〜〜〜というテンションで書いたのが最後(もう2月のことですら、別世界のお話のようだ)。

ここで書いていた関ジャニ∞の『勝手に仕上がれ』は、見事、たった半年後の7月28日には、今度は関ジャニとAぇ!groupによってセッションという形に昇華されていた。ある意味、こちらの予想よりも全然早く、2バンドが一緒にやっているところを観れてしまった。これは想像していたことではあったけれど、でも実際に実現しているのを観ていると不思議な気持ちになった。一見すると、関ジャニ先輩から後輩グループへのご褒美のようにも見えたかもしれないが、Aぇ!groupはこのライブの無い半年でかなりまた強くなっていたので、当然の報いのようにも、私には見えた。

Aぇ!の人たちは、もはや”無観客”の先頭を突っ走っている。そういう、これまでの慣習からするとかなり不安定にも感じられるような状態をものともしないような強固なベースを、この半年間の間にさらに強く持ったんだろうなということもよくわかる。(先にふれた、彼らがzoom画面で話している様子がわかる動画など観ると、彼らが普段からどういうコミュニケーションをとっているのか、わりと理解できる。たぶんかなりバラバラの人たちなので、だからこそよく話し合っている。)

そういった経験を礎に、8月には大阪松竹座からの(無観客)生配信公演を行っているのも観ていたが、Aぇ!の人たちは、観客がその目に見える場所にいようといまいと、”お客さん・ファンの人たちはすぐそこにいる”ということを完全に理解しきって公演を成立させているように見えた。それくらい、気迫に満ちていたし、彼らの魅力や振り幅がダイナミックに表現されていたんじゃないんですか、という空気がビシバシと伝わってきたので。無観客の心細さ・寂しさよりも、彼らの強固さのほうが数倍勝っていた、という感じ。

また、それって実は、自分自身でもインターネット配信で誰かのライブを観たりすることが多い世代だからというところも多分に影響しているのではないか、とも思うが、これはどうなんだろうか。
こちらとしては、本来は生で観られるはずだったはずのところから一度も生で観ていないはずなのに、むしろ生で観ているよりも近く感じ続けている。恐るべし、'ゼロディスタンス'マジック。

もちろん、劇場でやっているのだからお客さんがその場で観てくれているに越したことはないわけだが、そこにいようといまいと、バーチャルを感じ取れていれば、なんなら、常に、劇場の収容人数以上に”そこに大量に観ている人がいる”ということでもあるわけで。これがすごく新しい何かに繋がっていく気がしてならなかったし、特にAぇ!groupはそれを肌感覚で深く理解した上で表現に落とし込み始めているように感じるので、そこがとにかく面白かった。とにかく「この新しい世代に期待しかございません!希望をありがとう!ゲームチェンジャーになってくれ!ていうかもうゲームチェンジャーそのものかもしれん!」という気持ちとともに、8月を終え、9月に入ったところです。

この先もまだ、いろいろな演劇やライブ、そして大型フェスなどのありようが変わっていくことを求められてはいるだろうけれど、元に戻る・のではなくこれからの標準を一気に作りあげていく時なんだろうな、とひたすら考えさせられる2020年の春と夏、でした。

Aぇ!groupのみなさん、いろいろ感じ取らせてくれてありがとうございました。これからもさらに楽しませてください。

(ちなみに、先ほどリンクを張ってある2月のエントリがなんだかんだでずっと読んでいただけているようで。今まで3年ほどの間につらつらと書いてあげてきた33個のエントリのなかでも、たったこの半年でなんと総アクセスランキングの2位につけるところまできてしまった。まったくすごいなAぇ!groupの勢いたるや!正直どなたが読んでくださっているのかもほとんどわからない。ですが、複数人の方から「何度も読み返しています」というメッセージをいただいてとても驚いたし、感無量でした。本当にありがとうございます。だからユニークユーザー数はめっちゃ少なくて、繰り返し読みに来てくださってた方が積み上げてくれた数字の可能性もあるとは思うが。笑  でももしそうだったら尚更素敵なことだとも思うけど! これはこれで、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。)

ちなみに、文中で出てくる動画については『AぇTV』や『Aぇのオハコ』などと検索すればたくさん引っかかるのではないでしょうか。動画一つ一つの内容とかは特にここでは深く触れないけど、どれもこれもめちゃくちゃ面白いです。とても好きな回を貼っておきます。


そしてこちらも抱腹絶倒のあれそれ。


こういう熱く面白く互いの絆を深めてきた人たちが、King&Prince『シンデレラガール』までも完璧にやってのける振り幅。彼らを観ていると、こちらの情緒もかなり鍛えられるので本当におすすめです。




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