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「あゝ、荒野」後篇公開。新宿、TOSHI-LOWと菅田将暉 邂逅の現場へ。

「かっこいいです、役者。そして菅田将暉」と、あのTOSHI-LOWに言わしめた菅田'高熱ボーイ'将暉。
「あゝ、荒野」後篇初日、舞台挨拶までも新宿で堪能してきた。後篇も既に二度目ではあるものの、この映画、回を重ねるごとに異なる角度から見えてくるのかもしれない。試写で観た時にはとにかく映像の追い方凄まじさに圧倒されバリカンの視点で観ていたのだな、と気付かされる。というのも、今日は新次の孤独が際立って感じられたので。
しばらく、何度でも観れるなあ 恐らく。

舞台挨拶での宮田さん(TOSHI-LOWさん)。いつものライブとは全く違う会場の様子、自分の「見世物」感にやや戸惑い気味だが堂々、岸監督と菅田将暉への花束持っての入場。

「本日は……サプライズもあるということで?」と司会の荘口さんに振られるも「えー 朝だから無理。今夜って、夜の歌だし」とか「映画のプロモーションて怖いわあ」とかブツブツ文句ぽいこと言いながらも、自分が大切にしている寺山修司の世界を織り込んだ「今夜」を弾き語りしてくれたではありませんか。

…早起きして朝の8時から「あゝ、荒野」観に来て本当によかった と、すべてが報われました。(だって絶対に朝に観る作品じゃないし!!!) 舞台の傍らで真剣に聴いていた菅田くんは「…僕もう、今日このまま寝たいです」とのこと。ははは。(歌詞に因んだコメントです) 「僕が自分のラジオでもかけさせてもらってるんですけど、中学生とかもなんだこれすげえかっこいい!って言ってます」と菅田くんが話しても「えー その声、俺に届いてないよ!!」とか返す宮田さん。爆笑。
「ギター弾いて歌ったりしてるでしょ?ドキュメントみたいなのまえに観たよ(zeroのことだろう)。だからぜひこれ(ブラフマン『今夜』)カバーして、ライブでやってください。俺、聴きに行くから」と、TOSHI-LOWさん直々にお達しを受けた菅田将暉を目撃できたのが、本日の俺的、感動のハイライトでした。。知ってますか、菅田くん、TOSHI-LOWの言霊の強さを。言われたらやらないといけないもの、なんですよ。(いや、呪縛にも近いほどの念が込められているんだよ、彼の言葉には。いつもね!!) そうやって、あの3人組だって遂には今年、何年ぶりかの全国ツアーにまで至ったのだから!

TOSHI-LOWと菅田くんは今日が初対面だったというけど、波長が合っていたようで。
終いには「俺もこっち(菅田)側の人間なんで」とかあの調子でトシロウさんは言ってたが。それって言葉の裏を返せば、それは、菅田将暉がロックやパンクの根底を身体で理解できてる奴なんだ、とTOSHI-LOWのほうもすぐわかった ってことなんじゃないのかな。

冒頭に書いた「かっこいいです、役者」のくだりは、最後にTOSHI-LOWが言った言葉。
「俺はあらゆる表現のなかで、バンドってものが一番かっこいいと信じてるけど、この映画を観て、なんて役者ってカッコいいんだ と思った」ということを話してました。
宮田さんがそもそも格闘家だしね。

もうね、両者とも、さすがですよ。

TOSHI-LOWさんと菅田くんが岸監督を挟みながらともに舞台に登壇するというのは、例えるならば、くるりとストレイテナーが遂に対バンした時のあの感動、あるいは、BKTS(CBMDアスパラバンアパLOSTAGE)のようなこの上なき俺得対バン感もあり。(まだ体験していないから例えにすらならないが、来月の札幌での、ハイスタブラフマンの対バンと同程度の、自分的好きなものが集合しすぎた頂上決戦の場 というか。) こんなスペシャルな現場に行けて、本当によかったです。ライブ魂が疼いてしまったけど、正解だった。
これからまた福島の浜通りへ向かいます。
そんな朝に「あゝ、荒野」ふたたび観て、TOSHI-LOWの弾き語りまで聴けて、いろいろハイコンテクストで濃密でクラクラしました。

じつは映画の舞台挨拶というものに行ったことはなく、今日が初めてでした。しかしさすがにこの、主題歌を提供したBRAHMANのTOSHI-LOWと岸監督と菅田将暉が登壇する「あゝ、荒野」の特別な記念日とあらばやはりその現場に居合わせることに一番の意味性を見出してしまえるのは自分だろう…ぐらいの自負はあるので、今回こそは、と行かせていただくことに。

「舞台挨拶の限られた時間でどこまで何を話してくれるかはわからないが、TOSHI-LOWがどういうプレゼンスを出してくるのか、既に今から高まる。」と、前日のSNSにも投稿しておいたのだけど、いつものことながら、期待を軽く上回る形でTOSHI-LOWさんは場をさらって行かれました。
「あゝ、荒野」は既に試写で5時間超、前後篇通しで鑑賞し喰らい切っていた作品。朝の8時からということで、一日を棒に振る覚悟で臨んだけれど、ショックよりも温かな気持ちがさらに上回る、素晴らしいスペシャルな時間でした。


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