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閃光の如き前後編305分「あゝ、荒野」映画版が描く‘近未来のノンフィクション’

寺山修司唯一の長編小説「あゝ、荒野」が岸善幸監督、菅田将暉とヤン・イクチュンによる主演で映画化されました。前後編が既に公開となりましたし、さらにこの作品がたくさんの日本、東京、新宿、寺山修司を知る人に届くことを願いつつ、Filmarksとインスタのみに上げた9月の最終試写を拝見した際の感想をnoteにも転載しておきます。

2017年9月13日--

すべり込みにて「あゝ、荒野」最終試写。前後編5時間超の世界へ。2021年を舞台にした寺山修司の世界。東日本大震災から10年、東京オリンピックの後という今から少し先の、しかし恐らくかなり状況が変わっているであろう未来の東京の「ドキュメンタリー」であり「ノンフィクション」だった。さすが、これは岸善幸監督でないとこの緊張感にならないはず。本当にすごい。「圧巻」のひと言でした。
昨年の撮影中から本当に完成を待ち望んでいた作品なだけに感慨もひとしお。

もちろんヤン・イクチュンも菅田将暉も完全に「演技」を超えて世界を作ってしまう役者なので恐ろしいほどに入り込んで観てしまって305分があっという間。。こんなことあるのか。

個人的には、大好きなユースケが片目役で出演していると知った時はとても嬉しかったし(そして期待以上にこれがまた最高だった!)敬愛するブラフマンがなんと書き下ろしで主題歌を担当すると知って、これ以上の布陣は無いなと身震いしたのが今年の5月。やっっっっ……とラストまでを駆け抜けることができたが、いやはや、正直かなり放心状態です。
映画「そこのみにて光輝く」を観ている方なら高橋和也と菅田将暉の再びの共演に何かを感じるだろうし、とにかく主演の二人、凄かった。日韓の交流はまだまだまだまだこれからだなとも思うけれど、こういう作品が生まれることできっとさらによい形で盛り上がるはずだ。ああ、本当に素晴らしかった。寺山修司ファン、映画ファンはもちろんのこと、ドキュメンタリーをよく観るような方も是非とも体験してほしい世界。そして是非ともに語らいたいです…
また劇場へも観に行きます。

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