現代モダン(2021年3月〜)のジャンドについて(入門編)

●はじめに

皆様、初めまして。
ニコニコ動画に数点ボイロxMTG動画をあげているsuraと申します。

京町杯にジャンドで参加したときの動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38269248

レガシーの4Cニックフィット
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37274187


プレイしているフォーマットは主にモダン、レガシー、EDH。たまにパイオニアやパウパーもやったりしてます。特にモダンのジャンドが好きで、かれこれ3年ほどいじってきました。その好きが高じて今回記事を書くというところまで来てしまったわけですが。

この記事を読んでいただけているということは、以下のどれかに該当する方だと思います。

・モダンをプレイしている/興味がある。
・ジャンドというデッキをプレイしている/興味がある。

そのため、「ジャンドというデッキがどんなデッキなの?」という基本的なところは割愛……したいところでしたが、あんまり詳細に綴っている文章も最近見かけないので改めて紹介したいと思います。

初めての記事で、いろいろ間違ったことも言っていたりするかもしれませんが、そこはご了承ください……!

(今回は"入門編"ということで、基本的なカードの解説やジャンドというデッキについてというところを重点的に綴っていきます。サイドボードやキープマリガンなど細かいところは後日別記事で)

●ジャンドとは

 ジャンドは黒・赤・緑の優秀なカードで構成されたミッドレンジ(除去コントロール)デッキです。
 本来は、黒と緑で構成されたデッキ(The Rockという)だったのですが、そこに赤を足して除去性能と対応力を上げたものがジャンドとなります。

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こういうメンツに……下記のような赤のカードを足します。

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1マナ3点火力はいつでも強い。

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それぞれの効果は小さいけどいろいろなことができるいぶし銀。

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一時期禁止だったほどのパワーカード。現代でもそれは変わらず。

 ジャンドの各ゲームでの最終目標は、相手のリソースを枯らしてPWかクリーチャーで相手を倒すことにあります。
 除去カードが豊富にあるため、相手がクリーチャーデッキならばひたすら除去をし続けていれば相手の心が勝手に折れてくれることもあります。プレインズウォーカーなどの置物を多用するデッキにも《突然の衰微》や《暗殺者の戦利品》など、それらを対処できるカードが採用されていることが多いので、呪禁や被覆さえなければ触れないものはありません。
 また、ハンデススペルが6~7枚ほどメインから採用されており、コンボデッキに対してもある程度耐性があるのが強みです。

●ジャンドの弱み

 先ほどまで簡単にジャンドの強みを紹介しましたが、もちろん弱いところも存在します。具体的には下記のようなデッキが苦手です。

1、横並べしてくるデッキ
→白黒/マルドゥトークン、ドレッジなど

2、土地コンボ系のデッキ
→トロン、アミュレットタイタン、スケープシフトなど

3、ライフを執拗に攻めてくるデッキ
→バーンなど

4、除去しにくいパーマネントを使用するデッキ
→ヘリオッドカンパニーなど

 1の横並べについてですが、そもそもジャンドは1:1交換の除去が基本です。また、クリーチャーを多く展開するデッキでもありません。そのため、トークン戦術のように数で圧殺するデッキに対しては少々分が悪いと言えます。また、ドレッジは高速で墓地を肥やし、墓地のリソースを活用してクリーチャーを並べる&《這い寄る恐怖》・《燃焼》によるライフを攻める戦術をとるため、クリーチャーを除去しても一時的な時間稼ぎにしかなりません。そのため、墓地対策カードをサイドボードから入れて対応しなければ勝つことは難しいでしょう。

↓注意カード↓

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↓主な対策カード↓

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 2の土地コンボ系は早いターンでマナコストの大きい呪文を唱えることを可能にし、土地という妨害されにくいパーツを擁している点でジャンド側が総じて厳しい戦いを強いられます。アグロ用の《致命的な一押し》などが腐ってしまうのもメイン戦ではかなり苦しいです。サイドボードで対策可能とはいえ、タフな戦いは避けられません。

↓注意カード↓

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↓主な対策カード↓

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 3が不利な理由ですが、ジャンドは3色デッキであり、ショックランドやフェッチランドを多用する都合で相手が何もしなくともライフは勝手に減っていくデッキということを理解していただければ話は早いと思います。アグロデッキ側は、如何に対戦相手のライフを素早く削るかが勝負のため、自分でライフが勝手に減っていくジャンドは比較的やりやすいと感じることが多いでしょう。(クリーチャー依存の果敢系や上陸アグロなどはこの限りではありません)

↓注意カード↓

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↓主な対策カード↓

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 4についてですが、まずこのデッキはジャンドカラーで対処が非常にしにくい破壊不能のエンチャントである《太陽冠のヘリオッド》を使用する上、コンボ成立までがかなり早いです。ヘリオッドも辛いですが、時間を稼がれる《オーリオックのチャンピオン》やコンボ成立を確実にする《イーオスのレインジャー長》も捌かなければいけないという、非常に辛いマッチアップの一つです。そのため下記のような専用サイドカードが取られることも珍しくありません。

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 もちろん、上記に挙げたデッキ以外にも苦手なデッキはたくさんあります。ジャンドの得意な除去があまり効かないデッキ(呪禁オーラ、鱗親和など)、リソースが尽きにくいデッキ(ウーロ、天測儀時代のバントコントロール、5Cニヴミゼットなど)が存在しますが、挙げ続けるとキリがないのでまた別の機会で。

●採用カードの詳細

 まず、自分の使用しているリストがこちらになります。

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 では、カードタイプ別にみていきましょう。

・土地

土地(24)
 4 Blackcleave Cliffs/黒割れの崖
 1 Blood Crypt/血の墓所
 1 Stomping Ground/踏み鳴らされる地
 2 Overgrown Tomb/草むした墓
 3 Bloodstained Mire/血染めのぬかるみ
 1 Wooded Foothills/樹木茂る山麓
 4 Verdant Catacombs/新緑の地下墓地
 2 Raging Ravine/怒り狂う山峡
 1 Nurturing Peatland/育成泥炭地
 1 Barren Moor/やせた原野
 1 Mountain/山
 1 Forest/森
 2 Swamp/沼

 一般的にジャンドの土地枚数は23か24がセオリーです。これは、マナカーブの頂点である、《血編み髪のエルフ》をキャストしたい&ミシュラランドの《怒り狂う山峡》を起動できるようにするというのが大きな理由です。
 土地が23枚でも24枚でも現在は《やせた原野》を1枚採用する型が一般的になっています。

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 この土地は基本的に場に出すことはありません。このカードは環境を一変させた(かなりオブラートに包んだ表現)、モダンホライゾンのカードである《レンと六番》とのシナジーがかなり強力であるため、発売当時からこのカードが採用されています。人によっては緑版のやせた原野である《平穏な茂み》を採用しているリストも存在します。

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 また、ミッドレンジデッキなのに土地を23に削れる理由もこのカードにあります。墓地に行ったフェッチランドを回収することで、安定してマナを伸ばすことが可能になります。

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 色基盤はフェッチランドのおかげでかなり安定していますが、フェッチランドから2色土地をそのターン中に使用するには、ショックランドのアンタップインで2点、フェッチランドの起動に1点で、最大3点支払う必要があります。これは相手から《稲妻》を撃たれた時と同じ点数であり、ライフのおよそ7分の1を失うことになります。これを何度も行うことは現実的ではありません。
 もちろん、状況次第ではあるのですが、その判断は各ゲームで変わってきます。ショックランドを相手のエンド時にタップインでフェッチする、基本土地をフェッチするなど、状況を見極めて使用しましょう。

 また土地の配分ですが、基本は黒と赤を多めに出るようにしています。緑ダブルシンボルのカードを採用していないため、緑は2ターン目に一つ出るようにすればそこまで困ることはありません。
 そのため、ファストランドは赤黒である《黒割れの崖》が4枚採用されています。ファストランドはショックランドと違い、ゲーム後半では確定タップインとなってしまうものの、序盤ではライフを温存しつつ多色化できる数少ない土地です。赤と黒というのは、《稲妻》と《致命的な一押し》のどちらかを構えられるのと、《思考囲い》・《コジレックの審問》をライフを無駄にせずにキャストが可能になる色のため、このファストランドを4枚積むことが多いです。《漁る軟泥》など、緑マナを多めに取りたい場合などは《花盛りの湿地》(緑黒ファストランド)を1枚入れて、黒割れの崖を1枚減らしたりします。

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 《怒り狂う山峡》は、タップインが確定なのがテンポ面でよろしくないですが、動き出すとこれだけでも3ターンか4ターンで対戦相手を葬る威力があるので、生物が除去されてもこれでなんとかなる場合もあります。

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 《育成泥炭地》は、アンタップインする緑と黒マナ供給源としても強いですし、ドローに変換できる能力はゲーム中盤以降から強力です。また、レンと六番とのシナジーも強力なところも見逃せません。しかし、マナを出すためには必ずライフペイを伴うため、利用時には注意が必要です。

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 最後に基本土地についてですが、ほとんどの場合は沼2枚・森1枚・山1枚です。

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 基本土地を入れる理由としては、
・《廃墟の地》、《幽霊街》、《流刑への道》で持ってこれる土地がないという状況にしたくない
・フェッチランドから持ってくるときのライフを節約するため
・《血染めの月》対策
あたりが考えられます。
 特に《山》は基本的には強くないのですが、フェッチランドから赤マナを出したいときにショックランドしかない場合、必ずショックインしてしまう……という状況を回避したいがために採用しています。
 基本土地を5枚採用型(沼3・森1・山1)も一時期試していて割としっくり来ていたのですが、あれは環境に《血染めの月》が多かったという事情があったことに由来するので、現在は4枚で良いと思います。

・クリーチャー

クリーチャー(11)
 ・4 Tarmogoyf/タルモゴイフ
 ・1 Kroxa, Titan of Death's Hunger/死の飢えのタイタン、クロクサ
 ・2 Seasoned Pyromancer/歴戦の紅蓮術士
 ・4 Bloodbraid Elf/血編み髪のエルフ

 ジャンドをはじめ、BG系の主力クリーチャーといえば、やっぱり《タルモゴイフ》です。

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 このクリーチャーは《思考囲い》などのハンデスやフェッチランドと組み合わせることで、4/5くらいのサイズに素早く成長することが可能です。《稲妻》圏外になることが多いため、赤系に対して壁として非常に有効に働きますし、それ以外のデッキに対しても2マナで優秀なマナレシオを持つこのクリーチャーで圧をかけることがジャンドの基本戦術の一つです。また、タフネスのほうが1多いため、相手のタルモゴイフとは相打ちになることは基本的にはない、ということは覚えておきましょう。

 次に、テーロス還魂記で収録された《死の飢えのタイタン、クロクサ》です。

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 スタンダードやパイオニアでも活躍していますが、モダンでもしっかりと活躍しています。ジャンドにおいては、消耗戦の末これを戦場に出すことができれば勝利は目前です。墓地のカードを追放するという点は前述のタルモゴイフと相性が悪いですが、そこに目をつむってでも十分強力です。1枚しか採用していないのは、2枚重ね引くのがあまり強くないのと、手札からキャストすることが少ないという理由です。

 次は、モダンホライゾンから《歴戦の紅蓮術士》です。

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 正直、最初はパッとしないやつだなあとか思ってたんですが、使ってみたらめちゃめちゃ強かったやつでした。ジャンドの苦手な横並び戦術を微力ながら行うことが可能になり、手札の質を良くすることもできます。クロクサを捨てて脱出のタネ兼トークンに変換することもできたり、タルモゴイフのサイズを上げたりすることができるので、戦術の幅が広がります。
 ただ、赤のダブルシンボルを要求されるので、土地を置く順番やフェッチランドで持ってくる土地には気を付ける必要があります。

 最後に、《血編み髪のエルフ》です。

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 BGにまとめないでジャンドにする理由の一つと言えるでしょう。続唱でアドバンテージをほぼ確実に取ることができ、速攻というのもPWを素早く処理したり相手のライフを詰めることに大きく貢献できます。ジャンドの醍醐味ともいえるカードですが、環境に存在する《時を解す者、テフェリー》がいると続唱でめくれたカードを唱えることはできないので注意が必要です。

・スペル、PW

スペル(18)
 ・3 Fatal Push/致命的な一押し
 ・4 Lightning Bolt/稲妻
 ・2 Thoughtseize/思考囲い
 ・4 Inquisition of Kozilek/コジレックの審問
 ・2 Assassin's Trophy/暗殺者の戦利品
 ・1 Maelstrom Pulse/大渦の脈動
 ・2 Kolaghan's Command/コラガンの命令
・PW(7)
 ・4 Liliana of the Veil/ヴェールのリリアナ
 ・3 Wrenn and Six/レンと六番

・《稲妻》と《致命的な一押し》

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 基本的に相手のクリーチャーを除去するのに使用しますが、除去できる範囲が全く違います。稲妻の場合、タフネスが3以下の生物か忠誠度3以下のPWは倒すことができます。致命的な一押しの場合、マナコストが2か4以下の生物のみ倒すことができます。この違いは、現環境トップメタの一角である《死の影》デッキに当たった際に如実に表れます。要は、死の影のように軽くともタフネスが4以上になってしまうクリーチャーは稲妻では倒すことができません。ただし、白青コントロールなどクリーチャーがあまり出てこないデッキや、トロンのようにマナコストの大きいクリーチャーしか存在しないデッキの場合、致命的な一押しは腐ってしまう危険があります。(稲妻ならPWを倒したり、対戦相手に直接撃ったりできる)
 それでもモダンの環境柄、アグロデッキの数は多いため、クリーチャーを倒しやすい致命的な一押しは3枚と多めに採用しています。

・《思考囲い》と《コジレックの審問》

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 ジャンドの根幹部分となるハンデススペルです。たいていの場合、合わせて6~7枚採用されています。それぞれのメリット・デメリットが全く異なるため、採用枚数はメタゲームによって変わることも珍しくありません。

思考囲いのメリット:高マナコストのカードも落とせる。
〃デメリット:ライフ2点ロスがアグロやバーンに対してかなり響いてしまう。

コジレックの審問のメリット:思考囲いと違ってライフを失わない。また、モダンの環境柄3マナ以下のカードがないことがほぼあり得ないため、ハンデスできないということもあまりない。
〃デメリット:高マナコストのカードを落とせないため、トロンやコントロールなどに対して効果が薄い。

 モダンはアグロ・バーンが多い環境のため、コジレックの審問を4枚積むことが多いです。しかし、《ニヴ=ミゼット再誕》や《創造の座、オムナス》などを使用した4色~5色デッキのようなミッドレンジ~コントロールデッキも現在は幅を利かせています。そのようなデッキに対しては思考囲いのほうが有効なので、コジレックの審問の数を減らして思考囲いの数を増やすといったデッキも存在します。

・《暗殺者の戦利品》

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 パーマネントをなんでも破壊できますが、代わりに相手の場に基本土地をアンタップ状態で出すことを許してしまうというデメリットを持っています。アンタップ状態で土地が出てしまうということは、相手がタップアウト状態だとしても1マナのアクションが取れてしまうということになり、《流刑への道》・《致命的な一押し》・《稲妻》などこちらのカードを除去されてしまう危険もあります。しかし、そのデメリットに目をつむってでも"パーマネントの種類を問わず除去できる"という性質はこのカードしかありません。苦手な土地コンボ系にも喰らいついていけるのも、このカードのおかげです。
 《突然の衰微》と競合しますが、そちらは除去できないカードが存在すると腐ってしまう点、"打ち消されない"がそこまで必要にはならない、という2点で暗殺者の戦利品に軍配が上がります。

・《大渦の脈動》

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 3マナのソーサリーアクションという点は非常にネックですが、このカードも土地以外ならなんでも破壊できるという点において強力です。また、同名のパーマネントを根こそぎ破壊できるというのも無視できません。同じカードが並びやすいアグロデッキに対しては1:2交換が実現しやすいカードです。ただし、たとえばミラーマッチなどで対戦相手のタルモゴイフをこのカードで破壊すると、自分の場のタルモゴイフも破壊されてしまうので注意しましょう。

・《コラガンの命令》

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 一つ一つの効果は小さいながらも、腐ることがほぼないのがこのカードの強みです。また、《石鍛冶の神秘家》デッキに対してはこのカードでクリーチャーを除去しつつサーチしてきた装備品を破壊できたり、コントロールデッキに対してPWに2点と相手にディスカードを迫ったりと、1:2交換がしやすいカードのため、多くのマッチアップで役に立ちます。
 また、相手の手札が0枚の時に相手のドローステップにこれを撃ち込むと、引いたばかりのカードを捨てさせることができます。このカードを使う上で非常に重要なテクニックなので覚えておきましょう。

・《ヴェールのリリアナ》

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 ジャンドの代名詞ともいえるカードです。+1でお互いに手札を1枚捨て、-2で対戦相手のクリーチャーを1体生贄に、-6で相手のパーマネントを実質半分にできます。お互いに手札を捨てるというのは一見そんなに強くはなさそうですが、タルモゴイフのサイズアップに貢献したり、クロクサの脱出コストを稼いだり……もちろん、自分の手札が0の時に撃てば相手だけ手札を捨てることを強いることができます。
 実戦では-2能力を使用することが多い気がします。トークン戦術に弱いと述べたのは、この-2能力を生かせないというのも大きいです。そのため、相手の場にクリーチャーが1体だけでも、相手の墓地に《歴戦の紅蓮術士》が落ちてないか、相手の手札に《瞬唱の魔導士》のように瞬速クリーチャーがいないかなどを考える必要があります。

・《レンと六番》

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 土地の項でも少し述べましたが、プラスを連打してマナを伸ばす&奥義を目指すというのが基本的な運用方法です。しかし、相手によってはマイナス能力も非常に強力です。マイナス能力は言い換えると「タフネス1のクリーチャーを根絶やしにし、忠誠度1のPWも除去でき、相手のライフを詰めることもできる」と表現できます。タフネス1のクリーチャーは、《極楽鳥》をはじめマナクリーチャーや、《スレイベンの守護者、サリア》などのシステムクリーチャーも倒すことができます。
 たった2マナなのに、ここまで多彩な動きができるのは非常に画期的なカードです。(レガシーではその強力さゆえ禁止に)
 対戦相手に出されたときは、奥義まで漕ぎつかれるとほぼ負けなので優先的に除去しましょう。

・サイドボード

サイドボード(15)
 ・1 Collective Brutality/集団的蛮行(A)
 ・2 Plague Engineer/疫病を仕組むもの
 ・3 Nihil Spellbomb/虚無の呪文爆弾(B)
 ・1 Fatal Push/致命的な一押し(A)
 ・2 Cleansing Wildfire/浄化の野火(C)
 ・1 Blightbeetle/荒廃甲虫(D)
 ・1 Ashiok, Dream Render/夢を引き裂く者、アショク(C)
 ・1 Grafdigger's Cage/墓掘りの檻(B)
 ・1 Boil/沸騰(E)
 ・1 Unravel the Aether/霊気のほころび(D)
 ・1 Klothys, God of Destiny/運命の神、クローティス

 カード名の後ろにアルファベットを振っていますが、サイドボードのカードを種類別に分けるならこんな感じかなと思っています。『ジャンドの弱み』で述べた対策カードが多く入っていることがわかります。

A:アグロデッキ対策
→集団的蛮行・致命的な一押し

B:墓地対策
→墓掘りの檻・虚無の呪文爆弾

C:土地コンボ対策
→浄化の野火・夢を引き裂く者、アショク

D:ヘリオッドカンパニー対策
→荒廃甲虫・霊気のほころび

E:多色コントロール、青系対策
→沸騰

それ以外
→疫病を仕組むもの・運命の神、クローティス

 《疫病を仕組むもの》は部族系はもちろん、トークンなど横並びするデッキにも使えますし、《オーリオックのチャンピオン》狙い撃ちで入れることもあります。
 《運命の神、クローティス》はミラーマッチやコントロール戦で非常に有効なカードです。ヘリオッドと同様に、破壊不能のパーマネントであることから触りにくいカードなので、BG系のカードではこのカードを退かすものはハンデススペルくらいしかありません。コントロールでは《霊気の疾風》、《天界の粛清》、《時を解す者、テフェリー》など触れるカードは多いですが、維持することができればタルモゴイフより強いです。

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 《沸騰》について少し補足すると、ここでいう多色コントロールとは《創造の座、オムナス》を主軸にしている黒抜き4Cコントロールを主に指しています。5Cニヴミゼットのようなデッキの場合、《楽園の拡散》を併用する場合が多いためあまり島を並べるということをしてきません。そのため、5Cニヴミゼットを見据えたサイドボードの場合は《幽霊街》、《略奪》などのほうが有効となります。さらに言うと、ニヴの場合は基本土地を多用してくるため、《大爆発の魔導士》はあまり有効打にはならないというのは覚えておきましょう。(《夏の帳》にも引っかかってしまうので……)

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●結び

 ここまで、デッキに採用されているカードについて重点的に綴ってきました。こんなデッキにしてますよ~みたいに書きましたが、環境によって――特にサイドボードがガラッとかわることも珍しくありません。また、同じジャンドでも、「ルールスジャンド」といった型など、今回この記事で述べてきたデッキとはまた違うタイプも存在します。その違いも後日また別の記事で書けたらいいなと思っています。

 では、ここまで読んでいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう。

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