VOGUE KOREA 2020年7月号 ジェイミーになったチョ・グォン、シン・ジュヒョプ、MJ、レン

2020.06.23

 ミュージカル『ジェイミー』でジェイミーになったチョ・グォン、シン・ジュヒョプ、MJ、レンは歌う。「 私には自分だけの夢、自分だけのスタイルがある。 君を笑わせる私だけのダンスもある。 だから嫌なら去ってやろうか。私は最高になるから」

 メークを終えたチョ・グォンはスタジオに聞こえる音楽を変えてほしいと要請した。するとレディー・ガガの「Alice」が鳴り響いた。「マイ・ボディ、マイ・ソウル…」呪文を唱えるように繰り返すと、チョ・グォンは両手を空に向けて伸ばした。スタジオの天井から閃光がさしたのか。照明だったのか。 続いてBGMが「911」に変わると、レンとチョ・グォンの視線が合い、二人は関節を折りながら踊った。出演俳優たちにとってレディー・ガガの音楽は労働歌だった。スタジオの空気が微妙に変わっていた。チョ・グォンの首筋にタトゥー「Born this way」がちらりと見えた。「ただこのように生まれたから。ありのまま自分自身を愛するのは当然だ。」レディー・ガガのように、チョ・グォン、シン・ジュヒョプ、アストロMJ、NU’ESTレンはいつのまにかミュージカル『ジェイミー』の中のジェイミーとなり、VOGUEのカメラの前に立っていた。
 
 実話をもとにした『ジェイミー』は、ドラッグクイーンになりたい17歳のジェイミーが周りの冷たい視線、社会的偏見を乗り越えて成長する物語だ。 BBCドキュメンタリー『Jamie: Drag Queen at 16』をベースとする。英国公演当時ポスターには一行のコピーが書かれていた。「この時代のビリー・エリオット」。1980年代英国の炭鉱村でバレリーノになることを夢見たビリーに世間は言った。「男たちはサッカーやボクシングをやるんだ。 なのに男がバレエをするって? 」2000年代にドラッグクイーンになることを夢見るジェイミーは世間からどんな反応を聞いたのだろうか。

 俳優たちに配役は運命のようにやってくる。 2017年イギリスのシェフィールド劇場で初演されて以来、売り切れが続いてロンドンのウェストエンドに進出、最近一番熱いミュージカルとして浮上した『ジェイミー』がチョ・グォン、シン・ジュヒョプ、MJ、レンを訪れた過程がそうだ。 韓国公演が確定する前から「ジェイミー感」を本能的に感じた知人たちは4人の俳優に様々な経路でミュージカル『ジェイミー』の存在を知らせた。「君以外にいない」「正に君だ」といった推薦が相次いだ。 思い切ったイヤリングをぶらぶらさせながら近づいてきたシン・ジュヒョプは、同僚俳優たちが持っていた『ジェイミー』への期待を述べた。「公演の中にたくさんのことが盛り込まれていると言ってました。ある学生が成長する過程に嬉しくて幸せな部分もあり、試練と不安もあるドラマが多彩に描かれた劇だそうです。みんなにそう言われて、かなり負担になりました(笑)」

 「レッドヒール(靴)」は運命論をさらに深める。ドラッグクイーンになりたいジェイミーにとって、レッドヒールは心臓であり武器だ。 今春まで軍隊にいたチョ・グォンは、オーディションのために緻密な作戦を練らなければならなかった。10時に消灯する軍隊で振り付けの練習は主にコーヒーの自動販売機の前で行われた。 最終オーディションの日に定期外泊で出てきたチョ・グォンはできるだけジェイミーらしくしていくためにクローゼットを探した。そこにはレッドヒール1足がチョ・グォンを待っていた。いつかダンスの映像を撮ろうと購入しておいた靴だった。審査員たちの前でこれ見よがしにレッドヒールを取り出した。チョ・グォンのレッドヒールは梨泰院で輝いていた。10ページ以上の台詞を丸暗記し、YouTubeでイギリス公演を見たりしてオーディション曲を準備した後、梨泰院でレッドヒールを手に入れた。彼の足のサイズは26.5mm、ハイヒールの高さ9cmだった。一生主人を待っていたレッドヒールは、オーディションの参加者を素敵な場所へ、ジェイミー俳優の座へ連れて行った。

 薄いそばかすを描き入れカメラの前に立ったレンは本格的にスポットライトを浴びる準備ができていた。「ミュージカル『ジェイミー』のテーマをとても簡略に表現するなら『私らしい人生を生きよう』です。 僕も『自分自身を愛そう』主義なんです。『And You Don't Even Know It』という曲で 『私はスーパースター、でも君たちは知らない』そんな歌詞があります。いつもそう思っていたし、今も思っています。でも知らない方々も多いです。そんな点で共感しました。」「自分らしく生きよう」というレンが、自尊心が傷つくたびに繰り返す呪文のようなものだ。 先日、NU'ESTの8枚目のミニアルバム活動を終えたレンにとって『ジェイミー』は初のミュージカルだ。 感情表現力が卓越しており、生まれつきの美声でNU’ESTに色を加える彼は、実は誰よりも準備されたミュージカル俳優だ。 どこに行っても存在感を表すレンの才能を同時に見せられるジャンルがあるとすれば断然ミュージカルだ。「ライブでストーリーと教訓を伝えられるということが本当にすごいと感じられました。普段も『三銃士』『笑う男』などミュージカルをよく観ます。 いつか挑戦したかったのでチャンスが来て本当に嬉しいです。」枠に閉じこもっていない姿、どんな役でもやり遂げる姿。ミュージカル俳優としてレンが抱いている夢だ。

 普段からASTROインタビューの度にミュージカルに対する関心を示していたMJにとっても『ジェイミー』は初挑戦だ。オーバーサイズのパンツを履き、プラットホームシューズを履くとチューブマンのように「ピュー!」と叫んでいたMJはインタビューが始まると真剣な表情になった。 26年の人生で初めて見たミュージカルは俳優のチャ・ジヨンの『ママをお願い』だ。2時間ほどコンサートとほぼ同じ時間にわたってメッセージを伝え感動を与えるミュージカルにMJは本当に感動した。絶対挑戦してみようと決心したのもその時だから、一目ぼれしたとういうわけだ。「実際にチャンスが来ると不安だったが、作品を理解してからはジェイミーのキャラクターにはまりました。学生たちにジェイミーのメッセージを伝えたくて勇気を出しました。ジェイミーの気持ちが伝われば学生たちが夢を見つけるのに役立つと思いました。」MJ自身もジェイミーから勇気を得ている。「確固たる夢があれば退かずに挑戦するのが正しいですから。最も重点を置いた練習もメッセージ伝達です。」ショーノートプロデューサーのイム・ヤンヒョクは俳優をキャスティングする際11年生らしい俳優を探した。その年齢層だけが持てるエネルギーに注目した。どんな17歳を送ったか聞くとMJは困惑した顔になった。「僕は本当に、本当に、言うことを聞きませんでした。これをやれって言われたら、あれをして。天の邪鬼という言葉をたくさん聞きました。ジェイミー演技の時も私だけの天の邪鬼が出る時があります(笑)」

 4人のジェイミーの中で唯一本業がミュージカル俳優であるシン・ジュヒョプにとってもジェイミーは成長だ。「分量が心配ですが私も公演しながら成長していると思います。 隣の同僚たち、ヒューゴやママ、レイとプレッシャーを分かち合いながらいけるのではないでしょうか。」シン・ジュヒョンの心を動かしたナンバーは『Over the Wall』。「トラウマを克服してこそ今よりも自由で堂々になれると歌う曲です。ジェイミー役を演じた他の俳優達が歌う時は、自分も知らないうちに熱くなります。 序盤の曲で振り付けもほとんどないが、その「ちょっとの花火」がとてもいいんです。」ジェイミーのナンバーはみなポップな要素が強くて陽気で現代的だ。「ミュージカル音楽は最初と終わりが明確です。最後は長いフレーズで引っ張ってアウト! このような勇壮さがありますが、『ジェイミー』はどこがセリフでどこが音楽なのか分からないほど適切に分割されています。 本当に特別ですね。」と17歳で将来の希望を「ドラッグ・クイーン」と言ったジェイミーのように、シン・ジュヒョプも高校3年生のときから俳優を夢見た。「体育に興味があり、ギターやピアノも演奏し、現代舞踊もしていました。お母さんが美術先生だから美術を専攻するところでした。少しずつやっていた芸術をすべてやりたくて探した方法が俳優でした。演技をすると幸せになったんです。」『어쩌면 해피엔딩』や『スウィニートッド』などに出演し、映画『ジェイミー』の役柄を獲得、現在のミュージカル界で最も熱い俳優であることを証明したが、シン・ジュヒョプは淡々としている。「ジェイミーの方が先輩です。17歳で自分の職業を確実に決めたから。」ミュージカルファンでないのに、シン・ジュヒョンの顔が顔なじみなら、ドラマ『その男の記憶法』のおかげだ。純粋でありながら地質的なマネージャー役でリズム感を与えたキャラクターだ。

 そしてここに「誰よりもジェイミーはまさに私だ!」と主張するチョ・グォンがいる。まずジェイミーたちの間では「チョ・グォンはキング姉さん」と呼ばれているのだ。俳優ごとに各々どう違うか尋ねたときMJが言った。 「僕はさわやかなジェイミーじゃなければキュートなジェイミー。自分で言うの? ハハ、末っ子のジェイミーはおとなしい羊、2番目の姉さんは重みのあるジェイミー。キング姉さんのジェイミーはパッと見ジェイミーです。」チョ・グォンは同僚の称賛に否定するつもりはない。実存人物のジェイミー・キャンベルを見た瞬間、彼が生きてきた歴史、自信、進もうとする方向性まで共通点が多いと感じたから。「ジェイミーのセリフの中にこういうのがあります。『小さい頃、お母さんの服を全部出して遊んでたじゃん。いつもアンジェリーナ・ジョリーの真似をして。私はそれが一生やりたい遊びだ。』ここのセリフがそのまま私です。私も幼い時お母さんの靴、口紅を壊して。近所のお姉さんたちと化粧遊び、ままごと、人形遊び全部しました。 自分自身を愛する方法と多くの人に希望と愛を伝えようとするメッセージも同じです。 保守的偏見と差別から自由を叫びますマインド自体も。ジェイミーを通じて自分が本当に言いたいことを表出することができるんだと思います。」

 歌手としてデビューしたが「ミュージカル俳優」という修飾語が同じ重みを持つほどチョ・グォンはミュージカル界で圧倒的に活躍している。『ジーザス・クライスト・スーパースター』、『プリシラ』、『チェス』、『星が輝く夜に』、『イーヴルデッド』、『帰還』すべて彼が名を連ねたミュージカルだ。軍服務中もミュージカル出演は続いた。「私がすべての情熱を注いだオーディションは3つだけです。 パク・ジニョンの英才育成プロジェクト、『新興武官学校』、そして『ジェイミー』。軍ミュージカルに抜擢されるというのはとても光栄です。部隊で『新興武官学校』江陵公演を見てオーディションの前に感想文をA4用紙2枚にぎっしりと書いて現場で手渡したんですよ。これじゃなければ軍生活はできない、絶対にやりたいとね。」一番大きな挑戦は『チェス』だった。真剣な40代のアナトリー(人名)を完璧に演技した後、チョ・グォンは初めて観客に認められたと感じた。「それから少し考えが変わりました。 世の中を皆満足させることはできないと思います。以前は皆の好みに合わせるため生活が疲れていたんです。これからは、音楽、ミュージカル、バラエティのすべてにおいて自分がやりたいことをやれば『チョ・グォンはチョ・グォンだ』と言われるでしょう。」

 4人は最近ジェイミーとして暮らしている。「ジェイミーらしい」は彼らだけのコードであり称賛である。「自然とジェイミーだと思って過ごしています。」とレンはこの間食事中にも「お前、今ジェイミーだったよ」というコメントを聞いた。4人の俳優はたいへん仲睦まじい。集まると一番最初に言うのは「今日の分覚えた?」で、『ジェイミー』の話以外で最も多い話は「今日ご飯何食べようか」だ。MJはひざをきちんと揃えて先輩たちに感謝の意を表した。「僕たちが練習しているといつも兄さんたちが立って見てくれるんです。この部分はこうしたらいいとアドバイスしてくれて、スケジュールのせいで練習できない日は分量を教えてくれたりもします。とても助かっています。幸せです。」レンも同じだ。「呼吸が速い、セリフを言う時はもう少しゆっくり考えて整理すればいいという先輩たちのアドバイスがとても役立ちました。先輩と一緒に勉強することだけでも光栄ですし、最大限習おうと努力しています。」
 
 ジェイミー達の食事メニューを読み上げていたレンは「Work of Art」が鳴り響くと、自動反射のように膝を軽く叩いた。粉食店、韓国料理店、イタリアンレストランを交互に行っているが、最近一番よく食べるメニューはスパゲッティだ。MJは「練習室が日々面白い」と、雰囲気を話してくれた。「セリフの途中でこじれたり、笑える動作をしたりした時は面白いです。自然な姿ですね。」とASTROの練習室と比較を求めると、慌てた表情になった。「ASTROのメンバーたちは本当にビーグル(※好奇心旺盛で溌剌)です。まず幼すぎて疲れないよね(笑)。ジェイミー俳優たちは言葉が本当に面白いです。先輩にいつも面白い雰囲気を作っていただき、ミュージカルは初めてですが不安になることなく勇気を出すことができます。」

 初心者ミュージカル俳優たちはコンディション管理にも熱心だ。良いというビタミンは全部食べ、レンは夜食やユーチューブ、ゲームも止めた。「家に帰るといつもチキンを出前して食べていたのに、今は遠ざかっています。夜食を食べて寝ると疲れるんです。YouTube、ゲームもしなくなりました。 役柄に没頭するためです」と。MJはするよりしないことを選んだ。 「普段より口数を減らしていますし。元々声のトーンも高くてすごくうるさいんです(笑)「セリフの演技は初めてで、生の声を多く使うので喉の管理に気を使っています。ミュージカルをして落ち着きました。自分の声のために。」

 その時次女のシン・ジュヒョプが「ジェイミーらしい」の正体についてきれいに整理した。「自分を最もよく知っている姿でしょう。自分が何を望んでいるかを知っていて、自分の体のどこが綺麗なのかをよく知っているため、他人の前でも堂々としている」と、各自の美しさを探す過程だと付け加えた。「私もどこがきれいで美しいのか、私の話し方がどんな時に他人が好意的に反応するのか探しています。」参考までに、シン・ジュヒョプが最近発見しました美しさは? すんなり細い指だ。

 ジェイミーの夢「ドラッグ・クイーン」は、目まぐるしいハイヒールを履き、厚いアイラインをひき、髪を膨らませるなど、単なる派手なヘアメイクだけを意味するものではない。社会的に固定された性役割を誇張して見せてくれるパフォーマンスアーティストに近い。 変身が趣味であり特技のレンにとっても「ドラッグ・クイーン」の扮装は難度が高い。脂汗流しながらハイヒールに適応しているところだ。「アイメイクをして、すごく派手なかつらをかぶったら、 本当にポップスターみたいでした。 こんなふうに着飾ってファッションショーに行きたくなりました。チョ・グォンさんがおっしゃいました。 ハイヒールは自信だって。 ディーバだと思って荒らしてしまいなさい、と。」MJはじっくりと考えると「ドラッグクイーンは勇気だ」と言った。「自分だけの心の内があって、隠された姿があるじゃないですか。 扮装を通して表現でき勇気を出せるという点がドラッグ・クイーンの長所だと思います。」

 扮装から得られるモチベーションがあるのではという質問が終わらないうちに、チョ・グォンは「ハイヒール!」と叫んだ。「ジェイミーと私を沸かせるのはレッドヒールです。ヒールを履いた瞬間、自尊心アップ、自信アップ。ドレスルームにヒールのショーケースが別にあるんですが、30足くらいあります。私がもし女性だったら買い過ぎて地面に座りこんで財布投げながら「私のお金どこに行ったの!」と言ったでしょう。いつかヒールの事業もしたいです。 男性が履いたら女性が夢中になるハイヒールです。」もちろん、私達はチョ・グォンはヒールダンスの職人であることをよく知っている。 かかとのない19cmのヒールを履いて披露したソロアルバム「Animal」の舞台をはじめ、バラエティ『ゴールデンタンバリン』ビヨンセの「Crazy in Love」まで。普段ガールズグループのカバーダンスを踊る時さえ、ハイヒールを履くプロフェッショナルさは、美しさを超えて畏敬の念まで醸し出す。 「ヒールをはくと、私の中のペルソナが出てきます。 表情、手振りが全て変わりますね。 正直すべての人がそうではないじゃないですか。 そんな特別さが祝福のようです。 私は特異ではなくて特別です。」

 原題は「Everybody's Talking About Jamie」だが、ジェイミー一人だけの話ではない。周りの冷たい視線によって未来に対する恐怖心の大きいジェイミーには、彼を信じて励ますママ・マーガレット、親友プリティがいる。ジェイミー・キャンベルさんとマーガレット・キャンベルさん親子が出演したトーク番組を見たことがある. ジェイミーはミュージカルのポスターをパターンにデザインしたワンピースを着て、マーガレットは同じ布で作ったスカーフを付けていた。(いつもカップルルックみたいに服を合わせて着ている)特別なジェイミーをどう育てたのかという質問にマーガレットは言う。「He is my normal」

 母とジェイミーの関係はミュージカル『ジェイミー』を引っ張る暖かい軸だ。数日前練習室は涙の海と化した。ジェイミーとママが喧嘩をする場面を練習する俳優たちも、見守るスタッフたちもみんな泣いてしまった。 悲しいけど、MJが一番好きな場面。「母親に初めて怒った場面です。『お母さんは何でもなったことがあるのか、だからお父さんに見捨てられるんだ』と酷いことを言うんです。その言葉を聞いてお母さんが本音を歌で表現します。」広報担当者は、MJが特にママのマーガレットと合わせるのがいいと耳打ちした。「本当に母と子のようです。」チョ・グォンにとって普段から力になる存在も母親だ。「どんな行動をしても、どんな選択をしても大切にし、愛してくださいる。一人っ子なのに、娘のような息子、息子のような娘だと言って、幸せだとおっしゃいます。幼い時きらびやかに踊って歌えば、『誰のお腹から出たのか分からない』と笑いながら話していました。8年間練習生として過ごした時も、芸能人だから関心に揺らぎ傷ついた時もいつも黙々と応援してくれました。私にとって母はいつも0位です。」レンの心の中で勇気を与える存在は祖父だ。「6・25朝鮮戦争参戦有功者です。おじいさんの話をよく聞きましたが、英雄に感じられました。つらい時もおじいさんのことを考えながら耐えます。 おじいさんはこんなにも生きていたのに、私はこれ一つできないのかと思いながら。」

 ジェイミーを一言で要約すると、成長物語だ。 進路を悩む10代でなくても、誰かの成長叙事を見て笑って、泣いて幸せになるのは、誰もが胸の片隅に昨日より良くなろうとする気持ちがあるからだろう。 夢に向かって壁を越え、また越える特別な少年ジェイミーは、私たちの人生の主人公が誰なのかを問い直すだろう。 つらい現実にまた忘れてもくすぐったいその感じのおかげで、私たちは成長叙事を見てまた見る。

 160分間ジェイミーの話が終わると、劇場の天井から厚いカーテンが下りてくる。劇の終わりであり、人生の始まりだ。チョ・グォンは言う。「『プリシラ』が終わったときも両親は満面に笑みを浮かべながら拍手してくれました。 劇が終わってカーテンが上がった時、客席に両親、多くのファン、知人の姿を見る時の幸せは、言葉では言い表せません。『ジェイミー』は特にカーテンコールが楽しいです。コンサートのように観客と拍手しながら楽しむスタイルなので、もう楽しみです。ミュージカルは毎回ライブで公演するのでリアルタイムという恐怖がありますが、逆にそのような魅力のおかげでいつも新しい反応、新しい拍手を浴びます。その楽しみにミュージカルをしているようです。」

 7月初めから公演会場に鳴り響く拍手はジェイミーの燦爛たる人生と、チョ・グォン、シン・ジュヒョプ、MJ、レンの目覚ましい成長に送る歓呼だろう。ジェイミーに出会う今この瞬間は我々にも重要だ。いつのまにか扮装を落とし、白い半そでのTシャツにジーンズに着替えたシン・ジュヒョプが言った。「ジェイミーには苦難や試練が多いです。コロナのせいで、多くの方が疲れてたと思います。ジェイミーがその状況をどれだけ見事に克服しているかを見ながら、観客も癒やされることでしょう。」

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