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環境負荷を低減した産業活性化のためにいま製造業で起こっていること

2015年に開催されたパリ協定で、地球温暖化を食い止めるために世界的な平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分に低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することへの合意がなされました。

そこで、各国は現在、達成のために、2050年の世界全体の温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする「脱炭素化」を目指しています。みなさんは日本の現在地をご存知でしょうか。

2050年の「脱炭素社会」実現は現実的?

日本では、2020年に菅義偉首相が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。その後、中間目標として「2030年までに温室効果ガスを46%削減する(2013年比)」「さらに50%の高みを目指して挑戦を続ける」と表明しましたが、2019年時点では14%削減までと深刻な状況です。

図2

【出典】国立環境研究所 令和2年12月8日資料
2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

脱炭素社会を実現する2つのカギ

こうした野心的な目標を達成するための核となるのは、大きく2つです。それは、再生可能エネルギー(再エネ)の導入量を増やすなどCO2低排出なエネルギーミックスの推進と、さらなるエネルギー効率化の追求です。

1.CO2低排出なエネルギーミックスの推進
日本のエネルギー自給率は2018年時点でわずか11.8%。「第五次エネルギー基本計画」のもと、1つの発電方法に頼らず、さまざまな方法で電源を構成する必要性が高まっています。

2.エネルギー高効率化の追求
発電および送配電におけるエネルギー損失を低減するとともに、電力需要にあわせた発電設備を運用することにより、エネルギー資源を効率的に利用し、環境への影響を少なくする必要があります。

そして現在、これらの実現に向けた有効エネルギーの1つに、「水素」の活用が注目されています。

エネルギーとしての水素利用は、脱炭素社会にむけた取り組みとして 国内及び海外で導入が進められつつあります。注目される理由は大きく4つです。

①環境負荷の低減
②産業を活性化
③非常時の活用
④電気と熱のエネルギー供給が可能

「水素」活用のために推進されている研究事例

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2021年2月から水素貯蔵タンク等を含む燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型 産学官連携研究開発事業の公募が行われていました。現在、燃料電池は特に自動車業界での導入が推進されています。採択されたプロジェクトの中には、燃料電池の活用に向けて必要となる事業がいくつか採択されていました。

SUPWATでも現在、東京大学 生産技術研究所 吉川研究室と共同研究を進めています。水素タンク製造に関わる複数の自動車メーカーや事業内の他研究グループとも連携し、機械学習を活用した製造業の課題解決を目指しています。

研究では各メーカー等から収集した水素タンクの正確な破裂圧力を算出し、機械学習などを用いた精度検証を実施することで、実際の設計時に必要な指標の可視化機能を搭載した最適な設計システムの開発運用を実施。研究を続けることで、容器開発の高速化や従来の破裂強度を維持しながら炭素繊維量を大幅に削減した水素タンクの設計が実現可能になります。

図1

SUPWATは「知的製造業の時代を創る」ことを目指し、自社サービス「WALL」の拡充や研究開発を推進しています。今後もプロジェクトで新たな動きがあれば発信していく予定です!

各研究機関や教授とのコネクションを活用しながら、「その“思い付き”をカタチに」する私たちを、ぜひ応援してもらえると嬉しいです。

採用ページ
https://insidious-aardvark-803.notion.site/SUPWAT-8e9ccb1ce38e480eb0facbb47c6de412


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