モノ
8年ともなると、私の身の回りには彼にまつわるものが無数に溢れている。
記念日に貰った指輪
おそろいで買ったTシャツ
お買い物デートで買ってくれた靴
似合うと思ったからとくれた帽子
彼が着ているのに、気に入ったといって奪ったパーカー
本当にたくさんある。
プレゼントしてもらった物は、
貰った相手との会話や、貰った時の空気感を思い出せる物である。
それは、恋人関係に限らず、友人、家族、同僚だって同じだろう。
ただ、やはり【彼から】貰ったという事実が重要なのである。
当たり前なことである。
特別な存在である彼から貰った物は、もれなく特別な存在になるのだから。
彼という存在を感じられるモノが身の回りにあるだけで、
あの時の思い出と一緒に過ごせる気持ちになる。
触れられる物たちは、
一時の寂しさや、悲しみを緩和させてくれ、
私の心を和ませてくれる。
そして、彼からは【物】だけでなく【言葉】のプレゼントも貰っている。
彼が可愛いと褒めてくれたスカートや、
彼が好みだといったカバン、
彼が気に入ってくれたモノたちも目にするたびに、
彼を思い出せる。
つまり、彼の言葉が私の所有物にエンチャント魔法をかけて、
並の物を上の物にしてくれるのである。
だから私は、会えない日は彼が褒めてくれた服を着て、
彼が気に入ってくれたメイクをして出かける。
それだけで彼のエンチャント魔法が有効になる。
過去に彼がくれた言葉が今の私を元気付けてくれる。
彼のこれまでの行いが、私を前に向かせて、
私のこれからの行いで、彼を笑顔にすることができる。
【物】も【言葉】もずっと存在し続けるものではない。
形ある物は全て朽ちる。
言葉は文字やデータとして残っていなければ、
記憶のひとつとして脳に留まるが、永遠ではない。
永遠でなくとも、私を幸せにし、守ってくれるそれら達。
きっと、今の私はこうやってここに残せているけれど、
書いたことを忘れ、
ここの存在を忘れてしまえば、
今感じている【特別】もなんてことない【平凡】に紛れてしまうかも知れない。
8年間でも既に2人の間で違う記憶の残り方をしているものが沢山ある。
頭の中で考えること、思うことは、私の人生に影響を受け、変わっていくもの。
だから、私はnoteを書く。
恋人関係でいられる今だから書けることがまだまだあるはずだから。
夫婦関係になれば、変わりたくなくても、世間の見方、
自分たちの捉え方も変わってしまうものだろう。
それも彼と経験したいことのひとつではあるが、
恋人関係という甘ったるい関係で感じる幸福感を残しておきたい。
どんな形で2人の関係が変わっていくかは誰にも分からない。
いつかこれを見返す時がきたら、
「こんな心配してるけど、今も変わってないね」
と思えたら至幸。
例に漏れず、昨今の情勢で彼と会えない日が続いている。
(週5で会っていたのに既に2週間会えていない)
それでもこうして幸せを運んでくれる彼に愛されている私は、
間違いなく誰がなんと言おうと世界一の幸せ者である。
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