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小学校5年生まで、父と入っていたお風呂屋さんの話。〜岡崎市康生通り西vol.15〜




私の頭の中には、多くの映像だったり、写真だったりして、過去が残っています。


それらが、断片的に頭の中を意味もなくよぎっていきます。


日常生活の中で。


ふっと湧いて出てくるのです。


ちぎれた過去みたいに。


で、頭の中でいつまでも
ぐるぐるしているのが良くない気がして


2週間前から、どんどこどんどこ
湧いてくるままに


頭に映し出される映像を、書き出しています。


私と言う一個人の小さな世界です。


ただこの時代に生きていた女の子です。


私が見ていた風景、人、もの。
そこから、感じとっていたこと。


それらを、ただただ並べていきます。




今日は、お風呂屋さんの話。


お風呂屋さんでいろんなことを学びました。


お風呂屋さんには、いろんな人がいたので。


時間帯によって、来る人が違う。


私は、小学校5年生まで父と一緒に入ってました。


父は私が立っていると全部洗ってくれました。なので、非常に楽だったのです。


母は洗ってくれないし、頭だけは洗ってくれたのですが、優しくないのです。
きつく洗うから痛いし、お湯のかけ方も荒い。

目に入るのが嫌。


それに比べて、父はやさしいし、丁寧。
尚且つ、好きな飲み物を買ってくれました。

コーヒー牛乳、不透明なフルーツ牛乳。
ラムネなんでもござれ。


が、母は、買ってくれませんでした。


だから、絶対に父と一緒に男風呂に入る方がお得!



で、男風呂にいつもいたのですが、そこでものすごく、鮮やかに記憶に残っているものがありました。


それは、遅い時間に行くと出会ったか、と。


年取ったおじいさんや、筋骨逞しい男性の背中の全面に彫られた刺青です。



背中全体に龍が彫ってあったり、肩半分にかけ彫られていたり、とにかく物凄い迫力がありました。


おじいさんのは、ちょっとしわしわにはなっていましたが、それはそれで味があり、見事でした。


一体何者だったのでしょう?


トラックの運転手?


現役のヤクザの方には見えなかったので、
何かの職人さんだったのでしょうか?


人を寄せ付けないすごみもあり、かっこよく思いました。


と言うより、あまりに綺麗だったのです。
色もあり、でかくて、圧倒されるのです。



子供だから、ちらちらと言うより、目を点にして見ていたんじゃないかな?


観音様もあったんじゃないかなぁ、、、


お風呂屋さんは、男湯と女湯の間に小さな扉があって、そこは男湯と女湯を行き来できるようになっていました。


といっても、子供だけです。


お母さんと一緒に入っていき、お父さんの方に行ったり、お父さんと入っといて、途中からお母さんとこ行ったり、そこを行ったり来たりしました。



その扉が空いた時に、男の人が女湯を覗くのかなあと思いきや、それはなかったです。(笑)


父と母は、出る時に「もう出るよー」ってどちらかが言うんです。


その声だけで分かるのでしょう。
「はあい」とか「分かった」とか返事が返ってきました。


家にお風呂がある家は、まだ少なくてみんなお風呂屋さんでした。


で、同級生によく会いました。
まさしく裸の付き合い。



母親同士は、着替えをしながら、何かいろいろ学校のこととか話していて、
情報交換の場になっていました。



あと、母がお風呂に行けない時なんかは、私1人でお風呂屋さんに行きました。


小学校1年生とか、2年生でしたから、お風呂屋のおばさんに


「のりちゃん、今日ひとりなの?えらいねー」って褒められて、鼻高々でした。


なんかしっかりしてるって言うイメージがあったらしく、よくそうやって褒められるので、私はますます、しっかりしなきゃいけないんだと思って、かなり小学校時代は優等生のふりをしていました。


頑張っていました。


褒められるのが好きだったのか、褒めてもらいたくて、かなり頑張っていました。

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