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期間限定:中国輸入マスク販売の男、3か月間で儲けた額は8億円。その闇に迫る。

マスクの在庫が相変わらずないが、マスクの輸入で短期間に大稼ぎしている男に迫った。
中国からの輸入マスクの販売だが、男は中国人ではなく、普通の日本人。外見は普通のどこにでもいる少し派手目の若者だった。ルイヴィトンのバックパックにド派手な時計。Youtuberといわれても疑わない。年齢は30歳にかかるかどうかといったところだ。

紹介者から情報を入手し、予め連絡が行くことを了承してもらっていた。電話で取材を申し込んだところ、コロナに感染するのが怖いので会うことは避けたいという。もっともだと思い、それには同意した。
しかし偶然にも、ミッドタウンでその男と接触することになる。
お互いがコロナに怯えながら、距離をとりながらマスク越しに色々な話が聞けた。

元々、男は、詐欺系のビジネスで成り上がったとのことだった。今回はそのお話には触れなかった。 マスクの販売に関しては、初めてのことだという。始めた経緯はこんなことからだった。

詐欺で得たお金を洗浄する為に昨年12月から香港に友人と旅行し、その後別れて中国本土の広州にあるビジネスの取引の為にブローカーとの交渉に向かった。交渉する最中、全くビジネスには関係のないタイに住む友人から連絡が入り、マスクが安く手に入らないか?というがは話が来た。男は特にマスクのビジネスをしに広州までは来ていなかった。だが友人に頼まれて、渋々マスクのことを知り合いのブローカーに聞いてみたことが始まりだった。タイでの使用用途は単純にPM2.5 に対してのものだった。その頃、バンコク近辺では大気汚染がひどくマスクの需要がかなりあった。販売されているのはファッション系マスク程度で、医療的なものは略販売されていないとのことだった。

そうした中でマスク業者やブローカーと連絡を取るにつれ、マスクの製造業者が多いことに気が付く。マスクの需要はそんなにあるのか、ふと疑問に思ったがそれほど気にしなかったという。マスクの仕入れをして、広州から直にハンドキャリーできる分に関しては持ち込むことになった。タイ・バンコクの空港は、荷物の検査が雑なのもあるが、マスクなど大量に持っていようがそれほど気にもされないだろうと、気軽にバンコク入りを決める。

約30日バンコクに滞在し、1月20日にベトナム経由で日本に帰国した。帰国した瞬間に日本で、武漢でのコロナウイルスのニュースが流れ始める。急いで中国の杭州にいる友人に連絡を取り状況を聞く。その際に、中国本土ではマスクが手に入らなくて困っていると情報を得たのだ。とりあえず、日本から送って欲しいと要望があり、複数のドラッグストアーに駆け込み5万円分購入。段ボール箱がパンパンになる程パッケージを外したマスクを詰め中国に送った。

日本ではその頃、コロナウイルスは中国本土だけの伝染病で、飽くまで他人事のような報道が続いていたが、中国本土から情報を得ていた男はもしかしたら日本にもコロナが来るかもしれないと察知していた。それは中国本土でも非常に伝染が早く、ニュースには出ていなかったが現地からの生情報は本当に緊迫していた。

もしコロナが日本に入ってきたら、日本でもマスクの需要は上がるかもしれない。日本は多くの中国人旅行者がいる時期だったこともあり、半信半疑だったがマスクを買い集めることにした。一日3日で100万程マスクを大量に購入し、詐欺の資金で購入した中古マンションに保管した。もっと安く手に入らないか、そんな考えが頭を過る。中国からの輸送費はどれくらいかかるのか、咄嗟にマスク業者に連絡を入れる。

輸送費を含めても日本のマスクの販売価格より安く、一度に大量にしかも運ぶ手間暇もなく手にすることができた。
最初の取引は、300万程を前払い、70箱ものマスクが届いた。さすがにマンションには置けない量。千葉で空き物件を持っている友人に連絡する。実家が自動車整備工場で随分前に倒産したとのことで、大きな倉庫に駐車場。月額で1万5千円で借りることにして、マスクの配送住所を急いで変更した。
そうしている間に、コロナの感染者が日本にも出始めた。武漢からの帰国者が着き、クルーズ船での隔離が始まった。

タイミングよく、市場にはマスクの品切れが出始めていた。色々なところから、マスクの在庫の件を聞かれ始めるようになる。追加でトータル5千万程仕入れた。マスクの仕入れに、5千万など、詐欺で得た金でなければすんなりと出せる金額ではなかったであろう。

男の輸入経路には、特殊なやり方があった。中国本土から送ってはいるのだが、○○を経由していることだ。そうすることである程度の検査をかいくぐることができ、マスクの中に他の商品も混ぜて輸入していた。ヤバそうなものも輸入しているのではないかと勘繰ってしまう。マスク本来の柔らかさを利用して隙間に、他の商品を入れ込んでいた。

マスクは、本来ならば50枚入りの箱パッケージなのだが、この男の場合は中身だけを極力かさばらないように送ることで輸送費を削っていた。
それでは商品として販売できないので、日本製の箱を他で製造して中身だけを入れ、見た目は日本製かのように販売されていた。販売しているという日本製の箱の写真を、見せてもらったがどこかで見たことのある商品のようであった。聞いてみると、よくわかりましたねと終始笑顔だった。

製品パッケージのデザインを模倣したのだという。違法であろうが、マスクの箱のデザインを真似したってどうってことないですよ。普通、気が付きませんよ。と悪びれる様子は全くない。確かに、マスクの箱など気にしたことはない。

男が言うには、中国語で書かれている箱なんて嫌じゃないですか?でも中身なんかどうでもよくて、日本語で書いてあればいいんですよ。その方が高く売れるという。

中身だけの販売も、商品としての販売も同時進行していた。中身だけを仕入れに来るやつもいます。そういう奴は他で同じような事をしているのかもしれませんねと。

元々、マスクの80%は中国産だ。製品パッケージだけ日本語で書かれた商品は従来からある。大手チェーンで購入できるマスクの箱入りなどがそうだ。だが瞬時にマスクの需要を見極めビジネス化し、OEM製品のような状態で市場に投入とはこの男のスピード感は半端ではない。

この男の悪事は、製品パッケージの模倣だけではなかった。
この男の輸入しているマスクは見た目は他のマスクとは変わらない。違うのは、衛生環境整備された工場などで製造されたものなどではなく、何のライセンスも持たない即席でマスクの製造業者になった工場からのものだ。実際こっちの方が、原価が安かったんですよと。マスクなんてある程度の強度があれば、偽物本物などありませんし。と悪びれもなく言う。

今の時期、どこにも在庫がないのに楽〇市場などでマスクを販売している業者は、この類の商品とのことだった。調べてみると確かに中身だけのものが多かった。怪しい商品の写真に不気味さを覚えた。

今現在も、この男はマスクの輸入で稼いでいる。現状、原価の3,4倍くらいの金額で販売しても在庫が余ることはないという。原価は20円以下とのことだった。この輸入をを繰り返し、行っている。今まで、手にした利益は約8億円ほどだという。たった2か月間での話だ。転売で200万程稼いで叩かれている輩もいるが、可愛く思えて仕方がない。
最近では転売屋も販売経路として加わっていると教えてくれた。

一見、この男の行動は転売屋のような行為だが、日本国内において法律に触れることはない。輸入したものだからだ。当初は、小売店で販売していたものを購入し転売していたわけなので、転売屋ではあったが、規制が出る前に対応していた。仕入れ先は、小売店などではなく製造工場直なので規制対象外だ。
規制などで処罰の対象になる程愚かではないのだ。きちんとポイントを押さえている。
更にこうして手にしたお金を既に日本国外へ持ち出しているという。税金逃れの為なのだろう。『余裕ですよ。』とマスク越しでもわかる程のニコニコ笑顔だ。

こうした税金に関しても抜け目がない。流石としか言いようがない。
取材の最後に、この男が言った言葉が忘れられない。
『税金は馬鹿な奴が払っていればいいんですよ。馬鹿な政府などに付き合ってられません。』『自分は、元々詐欺で得たお金なんで税金なんて払えるものではないし、外にも出せない。』『だから税金を払わないような手段を常日頃研究しているんです。コロナのおかげです。コロナ楽しんでますよ。』と。

皆が同じ考えでは困るが、このような人物がいるのも事実だ。一体これからいくら稼いでいくのだろうと、興味をそそられた。

サポートしたくなるような記事がかける自信がありませんが、絶対に損はさせないものを書きたいと思います。