スマホ依存

『スマホ依存から脳を守る』中山秀樹(朝日新書)を読みました。

依存の仕組みはシンプルです。
依存すると快感が得られる「正の強化」、
その快感が得られなくなってイライラや空虚感に化ける「負の強化」。
この二つのうち、後者が勝った状態が依存です。簡単ですね。

でもこの本によると、「負の強化」とは、あくまで心理的なものとされていました。「脳の借金」なんて言葉も出てきましたが、整体の観点からすると、半分正解で、半分間違いです。

というのも、依存症は結局、偏り疲労によって全身を劣化させていくからです。

「負の強化」の正体はスマホの場合、間違いなく視神経の過剰緊張と、頭部筋肉の過剰緊張です。目や頭がコっている。
その影響範囲は広く、中程度なら肩甲骨の内側まで、長期的なら腰椎の神経へと、局所的な疲労は拡大します。視神経の配線が、そこまで通っていると言うことです。
さらにこの時期の秋口なら、季節変動によって、骨盤が閉まりすぎます。
女性なら当然、目の疲れから派生して生理痛になります。
現代人あるあるの必殺技、骨盤デッドロックです(不妊も高確率でこれですね)。
腰痛や生理痛の原因が目の疲れということは、とてもよくある症例です。

精神科医の陥りやすい盲点で、自分たちが「心の専門家」だと自称している点が、あまりよくないです。心というのも結局は、身体の緊張弛緩パターンを、情緒的な全体性として統合した包括現象です。それは波長とか、音楽に近い。
それくらいドライに割り切って、目のケアを患者に教えて上げた方が、依存物質であるスマホとの付き合いはずっと楽になると思います。

本書の対策編で、「依存物質と正しく付き合うよりは、遮断する方が簡単で効果がある」とまとめていました。エベレスト登頂と富士山登頂くらい違うとのこと。
でもそれは、「目のケアによって依存症は緩和できる」ということを知らない身体のど素人の、稚拙な意見だと思います。それに一気に体を変えようとすると、高確率で離脱症状のしっぺ返しをくらいます。現実性が低い。
整体の施術は、「負の強化」の根本原因そのものを的確に狙い撃ちできます。
それはタスクマネージャ上の暴走したプログラムを切る作業に似ています。
スマホ依存なら、目と頭です。神経配線そのものを操作します。

つまり有効性と手軽さとコストの低さにおいて、卓越したソリューションがあるということです。週一程度で通ってくれればいいので、日常にも馴染ませやすい。
初心者向けなら耳引っ張るだけだもんね。知名度はないけど。

したがって上記の遮断対策は、「専門家であることのプライドがないんかい」というか、八方塞がりな状況をファジーに言いかえただけです。
それにこれからも学校や会社などあらゆる場面で、スマホPCによる視覚的負荷から逃げられない以上、遮断は現実的なソリューションではありません。
ここまで来ると、社会全体が依存症患者の集まりのようなものです。
山手線のディスプレイ地獄を観ると、私はダンテの『神曲』に描かれた深い奈落の底に突き落とされた気分になります。

ハードウェア側から負荷を減らすことと、本人や周囲の人間がケアをすること(目・頭の愉気は依存症者が寝ている最中にもできます)。
この二つが最善の方法ではないでしょうか。

つまりアルコホーリクスアノニマスのような依存症者の集まりに、整体教室を合体させれば、最強の依存対策だということです。おら、講師やるよ。

依存症から脱したい方は、ぜひ野口整体をご利用ください。

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