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体癖 前後型5種

5種です。あまり身近な人にいません。
中心感性は「行動」。

5種は分かりやすく言うと、典型的なアングロサクソンの体型です。
腕が長く胸が厚く、逆三角形の体型。
下半身よりは上半身に目が向きやすい。

アーノルド・シュワルツェネッガーやバットマンやスーパーマンなど、
とにかくアメリカンな印象を与えます。行動力と主張力に長ける。
代表例もここら辺。日本人ならオードリーの春日さんや大谷翔平。

もちろんアメリカは多民族国家なので、ここで想像してもらいたいのはWASPです。中産階級以上のプロテスタントの白人。

腰椎5番が行動の中心で、この骨は姿勢や膀胱、呼吸器の働きと関わりが深い。
動きでいったら前後運動。ちなみに重い腕の疲れもここの2側に出ます。
そして呼吸器が丈夫で、コミュニケーションに長けている。
また感情をうまく制御できる。

アメリカ人やオーストラリア人はヒマがあればホームパーティーをしたがりますが、それはこの体癖が多いからです。日本人と対照的に、胸が塞ぐことがあまりない。人間疲れしづらいタイプ。

深いこと・普遍の真理を考えることが大好きな1種や9種に対して、5種は流行を追いかける性質があります。味が薄い代わりに伝播力が強い。

YouTubeのインフルエンサーでフォロワーが数百万人の人も、この体癖がすごく多い。念能力でいったら放出系で、自分の考えを拡散させることがものすごくうまい(プロテスタントやカソリックの伝道行為も5種的感性の押し付けであり産物です)。

弱点

弱点も腰椎5番の骨の機能です。
おしっこが出づらくなる泌尿器系の不調を抱えると、5種体癖はいつものフットワークのキレのよさが鈍化していきます。左大腿部から左ひざにかけて膀胱の急所があるのでここを手技でほぐす。

また胸郭が前に出過ぎている人もいて、これは躁病や他動症的傾向の表れです。都市部にいるとたまにこういう人を見かけるんですが、胸の緊張が強すぎる。

なので胸の愉気や上肢第一調律点(労宮ツボ)に愉気をして、過緊張状態をバランスする。すると感性が正常化します。

5種の整体人類学


マックス・ヴェーバーという有名な社会学者が『プロテスタンティズムの倫理と資本主義』という本を書いています。あれは整体的に言うと、5種体癖の研究書です。5種的なメンタリティが社会制度・経済化されたものが、現在我々が生きているグローバル資本主義なので。
したがって5種を解析することは、典型的な西側の現代資本主義社会をそのまま解剖することでもあります(社会とはあらゆる体癖の有機的な絡み合いでありドストエフスキー小説の道化たちの巨視的な悲喜劇ですが、時代や地域ごとの主要なモデル体癖が存在します)。

5種は前に出る動きが好きです。
ジョギングやロードバイクやトレイルランや水泳のクロールみたいな、ぐいぐい前に押し出ていく感覚。あれです。5種以外の体癖の人でも春先には呼吸器が活発になって、こんな運動をしたくなります。

ただしこの動きは絶えず不安につきまとわれています。
動けなくなることを5種は何よりも恐れているから。

うっ滞してしまうと非常に調子が悪くなる。
泳ぐことがそのまま呼吸活動と表裏一体の、マグロみたいな回遊魚と一緒なのです。

この5種のうっ滞を経済的に表現すると大恐慌であり、宗教的に言うと終末です。
それまでのイケイケパターンが崩れて社会にカタストロフィーがやってきた状態。

世界を西と東とそれ以外の二つか三つに(はからずも)分けてしまった経済学者のカール・マルクスは、西洋社会の資本主義にはこの「大恐慌が必ず来る」ということを、かつて預言していました。
実はこれはキリスト教的な終末論の焼き回し(最後の審判と王国の到来!)なのですが、体癖的にみても、5種には突然崩壊する時期があります。
そういった集合的な体癖の変動と失調が、実は大恐慌の正体です。
マジョリティを占める人々の生理運動の集合的なパターンが社会的・表層的に噴出した現象(知ってました?)。

腰椎5番の運動は、実は腰椎1番の運動に転換する特徴があります。
前者は前後運動、後者は思考運動を司っている。
つまり「行動と思考」が5種にとっての運動パターンの中心だと言うことです。ものすごく現代的。

それが腰椎間のどこかで停滞してしまうと――多くは腰椎2番の硬結や腰椎3番の捻れで――大恐慌的な抜き差しならない身体状況を引き起こしてしまう。

腰椎2番は大腸の骨です。
食べ過ぎで2番の自律神経に硬結ができると、5番→1番の運動転換がスムーズにいかなくなる。するとまず3種的な調整をしないことには、5種のプレーンな状態に戻ることができなくなる。

逆に言うと、アメリカ人の肥満問題を解消することができれば、大恐慌もけっこう回避できるということです。
現代アメリカ人の30%が肥満化していますが、あれはアメリカという5種の王国を内側から崩壊させる、決定的な要因になるのではないでしょうか。
だからWASPは必死にジョギングしてジムに行くわけですね。

日本人も西洋化によって5種が増えています。
その弱点を自覚することで日本経済は、結構持ち直せるのではないでしょうか。

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