スマホ依存2

依存症専門医の本を読んで、だいぶがっかりしました。
私が高校生のときと、たいして状況が変わっていないからです。

専門病棟での隔離遮断って、行く方は相当覚悟がいる行為です。
連れて行くまでのハードルが高すぎます。
そういうビジネスがあるのかもしれませんが(引きこもりの人を施設に強制連行するブラックビジネスってありますよね)。
不幸中の幸いなのは、「スマホ依存に薬物療法はありません」といっていることです。視神経の過剰緊張に、肝臓の疲弊が追加されると、救済は数倍困難になってきます。

十代から三十代くらいの体の鮮度で、薬物療法に侵食されていなければ、救う手立てはいっぱいあります。とにかく目と頭をケアすりゃいいのです。
頭と目は神経細胞の塊みたいなところで、反応のいい部位です。
薬漬けになっていなければ、初歩的な手当療法と耳引っ張りで、十分効果が上がります。ヨガにおけるスキのポーズも効果があります。
整体でも鍼灸でもなんでもいいので、とにかく”心の問題”だと思い込まないことが重要です。あらゆる心の問題はつねに身体の問題です。

覚醒剤依存症の集う社会福祉法人を営んでいる人のインタビューで、「行政主導に任せるとろくなことにならない」と語っていたことを思い出しました。行政の人たちは平時のルーチンをこなすことに特化した、ある種のマクロプログラムです。人間の異常状態にはめっぽう弱い。人体におけるタスクマネージャのスイッチを切る作業をするので、彼らは当てになりません。
今回の読書は、その片鱗を今一度、垣間見た気がしました。

今日もメンタルクリニックでは、目と頭を使いすぎの人々が「うつ病」のレッテルを貼られています。そして根本治療とは無縁の抗うつ剤や睡眠薬を押しつけられています。
カテゴリーエラーを防ぐために、まずは耳を引っ張って、目の疲れを観察してみましょう。硬ければ目の疲れです。

私は幸い、十代の自分の過ちを覆す技術を身につけることができました。
これからその技術で同じ過ちをする人を一人でも多く救うことが、今後の使命です。
うつでお悩みの方はぜひ当院にお越しください。

それにしても、こういう表面的な善意から生まれて、下手に権威をまとった社会悪、どうにかなりませんか?

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