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女子大生がラブホの面接に③

こちらの記事のつづきです。


待合室で待っていると、

仕切りのカーテンから40代程度の男性が入ってきた。

「お待たせしましたー!」

清掃員がよく着ている、いかにもな青いポロシャツに、下はランニングウェア。そして、足元はクロックス。想像していたのは、おばちゃん世代の方だったが、意外とスタイリッシュ。


「よろしくお願いします」


履歴書を見ながら、

「ここのホテル、アルバイトは清掃しか選べないんだけどいい?」

と言われた。

人と関わるのは、前のバイトで懲りていたので、

清掃員でちょうどよかった…

「はい、大丈夫です」


「あと、週何希望?曜日とか教えて!今、朝勤(あさきん)しか空いてないんだけど、いいかな?」

などなど、聞かれたのちに、

「なんで、ここに入ろうと思ったの?」

と尋ねられた。

「あの…!!

 わたし、お部屋の清掃、面白そうだなぁと思ったんです、ラブホテルならではのものが見られると思うとワクワクします!!」

こう答えると、

面接官は、そりゃあいい!と言った感じで、笑ってくれた。


「そしたら、面接に合格したら電話が一週間以内に行くと思うから、採用になったらよろしくね」


フロントのニコニコ女性にも挨拶をして立ち去る。


うん、いい経験をさせてもらった。

もし落ちても悔いはないけど、できればここで働きたいなぁ…

みんないい人そうだし…


〜数日後〜


「こんにちは。〇〇社です。採用となりましたので、〇日の〇時にいらしてください」


こうして、

わたしは 女子大生〝ラブホ清掃員〟となった。


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