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けんざいのおと #0 「けんざいのおと」始めます。

はじめまして、私、東京の設計事務所内にいる
建材調達・納品チームの、中の人です。
この度、国内外の面白い建材を紹介していくnoteを始めました。
その名も、「けんざいのおと」です。

普段は建築物を支える存在としてひっそり息をひそめている「建材」ですが、
私が実際に見てきたマテリアルについての声(=おと)を
聞いてもらえたら、と思い、「けんざいのおと」と名付けました。
(もちろん、noteとひっかけています。。苦笑)

そもそも、このnoteを始めたきっかけは、
日本でよく流通している建材は、
たくさん存在しているものの中の、ごくごく一部であることを私自身が知って、
世界には(もちろん日本にも)、面白い建材がもっとたくさんある!
ということを伝えていきたいな、と考えたからです。
これから末永くお付き合いいただけますと幸いです。

#0ということで 、何を書こうか、うんうん悩んでいたのですが
私が、もっと建材を深掘りしたいと思ったきっかけをご紹介しようと思います。
ちなみに私はこの業界に10年ほどおりますが、深掘りしたいと思ったのはつい最近のことです。お恥ずかしながら。。

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トップ画像にある、きらきらした塊。
建築に関わる方は、「江之浦測候所」をご存知の方も多いのではないでしょうか。杉本博司さん、榊田倫之さんが設立した「新素材研究所」が手掛けた美術館・展示施設です。
その江之浦測候所にある舞台の一つ、「光学硝子舞台」の舞台床としてこちらの塊が使用されています。
塊と言っていますが、光学ガラスです。
光学ガラスってなんとなくわかっているような気でいるけど、何だっけ、と私もいろいろ調べちゃいました。
簡単に言いますと、とっっっても透明度の高いガラスってことですね。通常は、顕微鏡などに使われています。

通常のガラスではなくて、なぜ光学ガラスを用いたのか、どれくらいお金がかかっているのか、、、とか、見た瞬間そんなこと一切思いませんでした。
なんたって、とてもきれいなのです。
晴れた日は、日差しがきらきら反射して、舞台を下から見上げてもきらきらまぶしくて。小田原から見る海の水面みたいだなぁとうっとりさせられました。

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それまで、建材屋をやってきたからそれなりに部材を見る目は持っていると自負があったのですが、
この時ほど、床材として使われているものを、きれいだなぁとずっと眺めている瞬間ってなかったと気づいたのです。
今まで建築物を成り立たせるものとして捉えていた建材を、主役として表現してしまう、ということに私はものすごい感動を覚えました。
建材って実はもっと可能性があるのではないか、と感じた瞬間でした。

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とは言っても、新しい・珍しい建材を、日本の建物に使用するには細かいところまできちっと作るのが得意な日本人には敬遠されがちです。
でもまずは、知ってもらうところから。
そこから、日本人の求める精度まで高めるにはどうすれば良いか考えながら面白い建物を作りたい、
建材屋の立場から面白い建物を提案できるかもしれない、
という思いを胸に、このnoteを発信していこうと思っています。
これからどうぞ、よろしくお願いします。

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