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けんざいのおと #12 「手元にあるものを使って作るものづくり」って、サスティナブルの他にも良いことあるかも?の話。

突然ですが。新築と、リノベーションどちらが好きですか?

私はリノベーションのほうがなんだか好きです。
リノベーションという言葉が一般に知られるようになって随分経ちましたが、実は割と、その考え方自体は昔々からあったような気がします。

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私の実家では、お菓子が詰め合わせされていた時の箱だったり、綿棒の入っていた容器だったりが、
文房具入れやペン立てに変身することがよくよくありました。
そんなの、うちだけでしょうか・・?笑

ある程度大人になってくると、ちょっと貧乏くさくて嫌だな、と思ったりしていたのですが、
最近ふと、
「手元にあるもので工夫して作る」
ということ自体はけっこう好きな考え方だな、と思ったのです。

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リノベーションも、お菓子箱⇒文房具入れも、綿棒容器⇒ペン立ても、「元々あるものを利用して、新たな価値を作る」ということなんだなぁと。

元々の状態の制約(サイズだったり、梁や柱がどうしても撤去できないとか)がありながらも、
それに寄り添いながら新しいものに変身させるって、とても難儀だけど、
人間の工夫する力とかアイディア力がフルに試される気がして、すごく面白いと感じています。

うちの実家の、見た目を度外視した文房具入れやペン立てはちょっとどうかと未だに思ってしまいますが(苦笑)、
手元にあるものを使って作っていて、機能的にも見た目的にも無理がない、むしろ美しい、というデザインってとても素敵だなと感じます。

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トップ画にも入れた、上の写真は、大分県日田市で毎年行われている「千年あかり」というイベントで撮った一枚。
大分県は、竹林面積が日本第二位(「竹の利活用推進に向けて」2018年10月林野庁より)だそうです。
すごーい!と思いきや、、、すさまじい生命力を持った竹は、他の木(杉やヒノキ)を侵食してしまうそうな。そこで、他の木を守る為、竹を伐採したものを有効活用するひとつのアイディアとして、この竹のキャンドルホルダーを使った千年あかりが生まれたんだそうです。

こういった、もったいないから他の利用方法を考えてみる、というのはリサイクルだったりサスティナブルな世の中を目指そうという動きが始まるずっと前からあったような気がするんですよね。

ということは、私たちって、もっともっと意識してちゃんと考えて行動すれば(既に意識され行動されている方も多くいらっしゃいますが。)、
捨ててしまいそうな手元にあるものを有効活用して、新しい価値を生み出すことをまだまだたくさんやっていけるのではないか、と思うのです。

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これは、オランダのティルブルフという町にある織物博物館で出会った糸巻き。
博物館内のカフェで、メニュー立てとして使われています。もちろん、博物館の展示の中でも使われています。
これをカフェ内でも利用することで、よく見かける既製のプラスチック製のメニュー立てを使うよりも、より一層「織物博物館らしいカフェ」になっています。(一例として挙げただけなので、普段は既製のプラスチックのメニュー立ても便利だと思ってます!)

わざわざ新しいものを作らなくても買わなくても、手元にあるものでブランディングしてしまう、素敵なアイディアでした。


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こちらは、大分県の鹿鳴庵というカフェ。
外観から、内装から、とてもこだわられている素敵なカフェなので、大分に行かれた際はぜひ寄ってみてほしい場所です。

これはおやつを頼んだときに撮った写真で、ご主人がオーダーを提供するときに、カフェの敷地内に生えている草花を摘み取って添えてくれたのです。
実は、提供する際に毎回敷地内の草花を添えていらっしゃるそうで、
買ってきたお花でなくても、充分このカフェの世界観やご主人の丁寧な気持ちを表せていて、お客さんにも幸せな気持ちになってもらえる。こういうのとても良いな、と思ったのでした。

こうしたアイディア達を見てきて、建築とかプロダクトとかデザインとか、自分の関わる業界でも、
手持ちの、余っているものを捨ててしまいそうなものをもっと活用したい、しかも見た目も素敵な感じに!という願望がうずうずしてきています。
環境に良いということ以上に、ブランディングや個性につながるのではないかなぁ。
同じような気持ちでいらっしゃる方と、一緒に何か作っていくべく、少しずつ行動を始めています。
もしご興味がある方いらっしゃいましたら、ぜひご連絡くださいませ。

今日も、まわりくどーい&寄り道ばかりの文章でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

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