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お父さんの脱体

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2021年一番悲しくて一番あたたかかった出来事。意識の向け様が変わりつつある中で「お父さんの死」を通して見えた世界についての記録です。
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記事一覧

お父さんの脱体~おわりに~

父と娘の関係も、家族としてのあり方も。父と娘のぶんだけ、家族の数だけ違いがあることと思い…

あい
2年前

お父さんの脱体(10)~旅立ち~

1日、1週間、1ヵ月と時は過ぎ、少しずつお父さんの死というものがなじんでいく。 この間、葬…

あい
2年前

お父さんの脱体(9)~ぬくもり~

お父さんのお見送りが終わって1週間、母のそばにいることにした。そして、葬儀後の整理や諸手…

あい
2年前

お父さんの脱体(8)~美骨~

「ここで最期のお別れです」 火葬場で言われたときも、「もう大丈夫です。お願いします」とい…

あい
2年前

お父さんの脱体(7)~門出~

「曹洞宗のお葬式は賑やかよね。歌もいいのよね」 母が言う。祖父母の葬儀に始まり、何度か出…

あい
2年前
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お父さんの脱体(6)~抜け殻~

「寝ずの番」どころか「寝る気満々だけどあまり寝れなかった番」再び。 目が覚めては隣の会場…

あい
2年前

お父さんの脱体(5)~空席~

お父さんはあれよあれよと整い棺に納まった。これがおくりびとか! とついモックンを連想してしまう納棺師の方々のおかげさまだ。 見たことのある服を着ているお父さんは、よりお父さんらしくなった気がする。そしてすっかり祭壇が仕上った隣の会場に運ばれた。 そうか、機能が文字通りお父さんの隣で眠れる最後の機会だったのか。 祭壇は思っていた以上に立派なものだった。 晩年のお父さんは人付き合いも限られていたし、このご時世もあって基本身内で行うていをとることにした。参列にみえても県内の親戚数

お父さんの脱体(4)~寝ずの番~

張り切って線香の番をするつもりでいたら、グルグル巻きの蚊取り線香のようなものが目に入る。…

あい
2年前
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お父さんの脱体(3)~戒名~

亡くなった当日に、お父さんに会いにきてくれたのは、本家の伯母と従兄、お坊さん、そして献眼…

あい
2年前

お父さんの脱体(2)~対面~

お父さんを送り出すことになる葬儀場に到着。少しすると、白い布を顔にのせて横になったままの…

あい
2年前
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お父さんの脱体(1)~県外者~

「今晩が山かもしれないので、ご家族の方(ひとりだけ)面会を」 入院中の病院から連絡があっ…

あい
2年前

お父さんの脱体~はじめに~

2021という1年で一番悲しくて温かかった、父の死という出来事。 あのとき感じたものはな…

あい
2年前