お父さんの脱体(5)~空席~
お父さんはあれよあれよと整い棺に納まった。これがおくりびとか! とついモックンを連想してしまう納棺師の方々のおかげさまだ。
見たことのある服を着ているお父さんは、よりお父さんらしくなった気がする。そしてすっかり祭壇が仕上った隣の会場に運ばれた。
そうか、機能が文字通りお父さんの隣で眠れる最後の機会だったのか。
祭壇は思っていた以上に立派なものだった。
晩年のお父さんは人付き合いも限られていたし、このご時世もあって基本身内で行うていをとることにした。参列にみえても県内の親戚数