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だいじだいじよ。川島小鳥さん個展【しゃしん日記】

川島小鳥さんの個展「だいじだいじよ」に行ってきました。
そのときのしゃしん日記です。

川島小鳥さんは日本の写真家です、バンドのジャケット写真、写真集「未来ちゃん」「明星」など名作の写真集も多く出版している、新世代の写真家さんです。

川島小鳥さんとの出会い

川島小鳥さんの写真に出会ったのは、思春期まっただ中の高校生、銀杏BOYZのアルバム「ひかりの中に立っていてね」のジャケットの写真です。
その写真を見たとき、そのアルバムを聴いたときの衝撃を、今でも忘れられません。言語化するのが難しく、あえて素直でありきたりな言葉で表現をするのならば、「稲妻が走った」でした、そのまま稲妻に打たれても、どこまでもどこまでも走って行けるような、思春期の毎日のやるせない日常から、飛んでいけそうな、そんな気持ちになりました。

私の写真の原点

川島小鳥さんの写真を見た時の衝撃が忘れられず、フィルム写真を始めました。当時はバンドにはまっていて、カメラに使うお金より、音楽に使うお金のが多く、写ルンですやロモの簡易的なフィルムカメラで撮影していました。(この当時の現像代、フィルム代安かったなー…)
その当時の写真は、荒削りで、暴力性を感じる写真のような気がします。

デジタルのカメラを20歳でもち、4年の月日が経とうとしていますが、もうこのときのような、なにかを訴えかけているような、声にならない声は写真に写せないと思います。

だいじだいじよ

スタジオ35分さんで開催中の今回の展示。
川島小鳥「だいじだいじよ」スタジオ35分で開催:Photo & Culture, Tokyo (photoandculture-tokyo.com)

川島小鳥写真展「だいじだいじよ」
会期:2023年4月19日(水)~5月13日(土)
時間:16:00〜22:00
休廊日:日曜、月曜、火曜日
会場:スタジオ35分 
所在地:東京都中野区上高田5-47-8

Photo & Culture, Tokyo

最寄り駅の、新井薬師前駅のホームに降りたとき、この街はいい街だ。と、すっと身に馴染む感覚がありました。

安心するホーム

「だいじだいじよ」という今回の展示の題を聞いて思い出したのは、栃木県の方言「だいじ=大丈夫だよ」でした、栃木県の人はよく「だいじだいじ~(大丈夫だよ)」と言います、当たり前のように飛び交う大丈夫、自分に向けて”使うだいじ”は時には毒になります、だけど相手にかける「だいじ(大丈夫)」という言葉は優しい絆創膏のようなものにもなります。

スタジオ35分

スタジオ35分さん、実は入り口がわからず今でもあそこから入るのは正解だったのだろうか…という場所から入ってしまいました。
カウンタータイプのバー、松田聖子さんの大好きな曲が流れ、ゆったりとした時間が流れる。

ソフトドリンク「台湾茶」を注文。
今思うと「コトリサワー」を注文すれば良かったです。後で後悔。
でも、台湾茶が心も体も温めてくれて、優しい気持ちいっぱいで写真が見れました。

写真って

すごい写真を見ると、子供に還ったようなドキドキとわくわくする気持ち、それと、怖くて逃げだしたくなる気持ちになる時もあります。
自分には追いつけない何か、自分が深い谷に落ちるような、大好きな写真と切り離されたような、そんな感覚が怖くて仕方ありませんでした。
この感情には未だに慣れなくて、SNS上でも心が揺さぶられることも多いです。でも、私はその気持ちに日々を支えられているんです。

写真に出会うまで、この完璧主義な世界におびえていました。
でも、今は完璧なんてこの世にはなくて、小さな魚たちが群れをなして戦うように、この世界はできているのだと思います。

川島さんのお写真を見て、思春期の頃の素直に心が揺れてわくわくとした気持ちで、心が満たされました。

不安なことも、失敗も、ダメダメな日も、どうしようもない日も、「だいじだいじよ」なんですね。

川島さんの、そのときの感情が写るお写真が本当に本当に大好きです。

いちばん心が揺れたお写真。

帰り道、スタジオ35分で写真を見ていた方が、スナップしている私を見つけ、お!と会釈してくれました。
優しい街だなと思いながら、この町をあとにしました。

帰りの電車に乗る改札前で、Suicaをなくした事に気がつきました、いい展示を見たので、朗らかに笑い飛ばしました。

またこんど

機材:RICOH GRⅢ


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