FLOW 炎の12ヶ月 Vol.11 TRIBALYTHM

「FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月 Vol.11 TRIBALYTHM」

毎月26日に開催されるFLOWの全オリジナルアルバムを演奏する配信ライブ!

7月26日に開催されたのは11枚目、世界中の楽器、リズムをフィーチャーした楽曲で構成された、国境・民族を超え世界を繋ぐ FLOW流ミクスチャーロックの傑作盤「TRIBALYTHM」。

豪雨を乗り越えチーム一丸となって作り上げたライブ


今回の会場は九十九里にある乗馬クラブ「サンシャインステーブルス」。
数々のMV撮影にも使用される素敵なロケーションですが、配信ライブ収録日はなんとゲリラ豪雨。

突然の雨の中、懸命に準備を進めるスタッフの様子を映したドキュメンタリーからスタートしました。
なんとか本番を迎えられるようにするというスタッフがメンバーへ収録続行の意思を委ねると「意図せず12ヶ月の中で1番エモい画になります!」と応じるTAKE。

広大な草原が沼地のようになるほど降った雨をバケツで汲み出したり、足場を作って機材を濡れない位置でセッティングしたりと全員が協力してライブを迎えられていることを強く感じさせる舞台裏でした。

11th Album 「TRIBALYTHM」


「TRIBALYTHM」は「共存、共生」をテーマとしたアルバムです。

「FLOWの音楽の下、人種・性別・年齢・ジャンル…様々な垣根や壁を超え一つになり楽しんでいる様はまさに新しいTRIBALであり、音楽はそれを可能にしてくれる」というFLOWの目指す多様性を実現させる意思、想いが込められています。

造語であるタイトル『TRIBALYTHM』もこのテーマを象徴するようなものとなっています。

「TRIBAL」種族、民族
「TRIBAL+ism」そうなろうという意思
「TRIBAL+RYTHM」FLOWの音、リズムに身を任せて​

また、「共存、共生」を音でも表現するように「楽器の多様性」も一つのテーマとなっていました。
世界中の楽器、リズムをフィーチャーした音楽性の幅広さ、その多様性が一つのストーリーとしてまとまっている世界観が大きな魅力のアルバムです。

バグパイプ、バンジョーなど広大な大地を思わせるアイリッシュ音楽や、アコースティックギターやストリングスなど、生の音が美しい楽器の要素も多分に取り入れています。

そのため、曲を聞いて連想される自然の景色の中で演奏できるこの日のライブは、まさにアルバムコンセプトを存分に表現するものとなりました。

特に序盤MC後は、楽器やジャンルの幅広さ、自然との共生という感じる場面も多く、テーマが色濃く現れていました。


印象に残った楽曲

「サンダーボルト」
北欧の街やヴァイキングの海賊船を連想させるバンジョー、ブズーキ、マンドリン、アコーディオンのサウンドを取り入れたFLOW流アイリッシュパンク。
多様な楽器を中心で支えるバンドサウンドでも、嵐で大荒れの海に揺られる船、甲板に打ちつける土砂降りの雨のような具体的な景色が浮かびます。

歌詞のメッセージも「帆を上げろ!と叫ぶ雷鳴」「嵐の中船を出せ いつか全て灰になるのなら 恐れるものはないさ 進もう」と荒波や雷鳴をイメージさせながら人生という航海を進む勇気をくれます。

豪雨というシチュエーションが相応しく、それを感じながら歌うボーカルも嵐に負けず真っ直ぐ突き進むような力強さがありました。
この日のライブだからこそより曲の持つ世界観やメッセージを色濃く感じることができたように思います。

「BELIEVER」
カントリーミュージックの要素を含んだ印象的なギターフレーズをゆっくりとかき鳴らし、人が繋がるのことの強さを信じようと歌うKEIGOの柔らかい歌声にKOHSHIの高音が優しく重なります。
爽やかなギターと胸躍る乾いたバンジョーの音色が重なるカントリー調のフレーズがどこまでも広がる大空のようで、木々の緑、風を感じながら演奏するシチュエーションにマッチしていました。

IWASAKIの叩く大地の鼓動のようなドラムとそれをしっかりと支えるGOT‘Sのベースを感じながら、左右にステップしてギターを弾くTAKE。歌詞のメッセージを気持ちごと込めて全力で歌い伝えるKEIGOと伸びやかな高音でまっすぐ心に届けるKOHSHI。

自然の中で歌い演奏することで、地球に生きる73億分の一つである自分たちが互いに信じることの大切さを強く感じることができました。

「アイオライト」
シャッフルビートの軽やかなIWASAKIのドラムから、TAKEがベースを弾く仕草をしてと下手を指さすと、始まったのは低音から高音まで鮮やかな指捌きで弾く
GOT‘Sの軽快なベースソロ。
最後にギターが重なるなんとも楽しいライブアレンジのイントロから、KOHSHIのギターと歌声、ユニゾンするKEIGOの歌声も重なります。

様々な楽器をフィーチャーした展開から、五人で鳴らす音を中心の曲となり、バンドで演奏することの楽しさを感じられました。
サビや間奏でのコーラスやKEIGOのミニキーボードなど観客のこちらも思わず楽しくなる要素満載の一曲で、改めてライブの楽しさ、胸熱くなる感覚がありました。

アイオライトは、今後もライブを盛り上げてくれる定番曲になること間違いなしです。

「TRIBALYTHM -Inst-」
ツアーでも披露されていたインスト曲。
Introでも流れたバグパイプなど民族音楽のような雰囲気から始まりそこから一転、ジャングルビートを刻むドラムとジャジーなベースラインが炸裂!
続く四つ打ちドラムにオクターブ奏法のギターとホーンの音も重なる、ビッグバンド風のインスト曲です。

ライブで披露するインスト曲でも楽器の多様性、音楽の多様性を反映し、これまでなかったジャズの要素を取り入れ、FLOWのミクスチャーはさらに広がっていきます。
横揺れで踊れるビッグバンドサウンドで大いに盛り上がり、次の曲へ。

「PENDULUM」
ティンパニーの音が鳴り映像が切り替わると、ボーカルが戻り揃った5人に光が降り注ぎます。
後光のように神々しく照らす陽の光によって、曲の持つ神聖さがさらに際立っていました。

祈りのような鐘の音と「鐘はDing dong Ding dong 夜明けを告げ」と歌うサビのユニゾン、そして差し込む光に熱さも高まっていきます…!
大きく体を動かしながら歌うツインボーカルやアレンジを入れながら演奏する楽器隊も、やれるかどうか分からない状況を形にしたスタッフへの感謝と大自然の奇跡を噛み締め音を奏でているようでした。

これらの曲の他にも、広大な大地、自然の景色の中で演奏するのにこれ以上なくふさわしい「風ノ唄」や、「みんなと同じ空間で声を重ねられることを願って届けさせてください」と夕日が傾き始めた空に響き渡るような、最後に演奏した「ONENESS」など、今回のライブだからこそ作れた瞬間がありました。


最後のアルバムまでやり切った感謝を込めたセミファイナル

最後のMCでKEIGOが、「11本の中で色々と無理も言ったが、全力で準備に取り組んでくれた」と支えてくれたスタッフへの感謝と、「大変な中でも、みんなとだったら前を向いて新しいことができるんじゃないか、みんなと歩んできた19年間があるからそう思えた」とファンへの感謝を言葉にしていたのも印象的でした。

前代未聞のアルバム完全再現ライブはこれで11枚全てやり切り、次回8月26日はいよいよファイナル。

ミニアルバム、カップリングも含めた楽曲から投票された「BEST SELECTION LIVE」これまで数回しかやっていない久しぶりのレア曲もあるようで、どんなライブになるのか楽しみです。


<SET LIST>
OP. TRIBALYTHM -Intro-
M1. Break it down
M2. 火花
M3. サンダーボルト
M4. BELEIVER
M5. アイオライト
M6. TRIBALYTHM -Inst-
M7. PENDULUM
M8. 音色
M9. BURN
M10. Smells Like 40 Spirit
M11. INNOSENSE
M12. 風ノ唄
M13. ONENESS
END. TRIBALYTHM -Outro-

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