【 エッセイ 】 マタニティマーク
目覚ましが鳴った。
まだ半分閉じた目をこすりながらカーテンを開ける。今日もいい天気だ。
重い腰を上げて仕事に行く準備を済ませ、家を出ようとしたところで思い出した。今日はゴミの日だ。急いでベランダに行き、置いてあったゴミ袋の口を閉めて家を出た。
マンションの階段を下り、ゴミ置き場へ行くと、既に他の住人が置いたいくつかのゴミ袋が並んでいる。今日は確か燃えるゴミの日だが、既に置いてあるゴミ袋の中にはビールの缶や酒の瓶、食べかけのラーメンなどが無造作に入っている。分別も何もあった