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#勇気の芸術 6 『気づいたときに夜が明ける』
誰もが感じていたような、
一部の人だけが知っているコトだったような。
目に見えなくて、
みんなが共通ではないコトだから、
不安の中で生きてたら、
いつのまにか忘れ去られてしまったような。
そんなコトって人の数だけたくさんある。
けど、
そんなにたくさんないのが
「大切なコト」
「大切なコト」の中で一つ大きくいってみると、人の成長は、気づくスキルに真に依存しているということ。
うつくしいモノとか、
心の奥がグッとなるコトとかに出会う。
ことによっては気色がわるいとか、
自分のなかが突然にえぐられてしまうような対象に出会うとか。
自分の知覚をむき出しにして暮らし、その人なりの知覚で本当の生きる学びをつみ重ねていくと、ある日いきなりに、胸の中に新しいわくわくセンサーが誕生するみたいに、
「何だこんなかんたんなことだったのか」
「なんでこんな単純なことに今まで気づかなかったんだろう」
という気づきの瞬間がやってくる。
ここがチャンスなのだ。
気づかなかった自分に「バッカだなあ」と思いつつ、まるで毎日新鮮の中で暮らす子どものように、新しい景観を喜び、喜びがこれまでの恥ずかしさを凌駕する。
そして、嫌悪のないこれからの積み重ねに、想いを馳せる。
「気づいたときに夜が明ける」は
芸の世界の言葉でありますが、ポッと気づくことができたなら、あとはその気付きを形にするだけだったり、鍛錬を重ねるだけという意味です。
そして、何かを描いていくためには、いつまでも気づけないということが、とても恐ろしく絶望的だということでもあります。
目の前にあるコトや自分の内側にあるかんたんなことに気づけない原因は、大方、記憶のどこかにバリケードのようなものがあります。
どこからか耳に入った無意識の偏見や、
幼いころからのコンプレックスなどが、
自分の知らない間に蓄積されているのです。
いつのまにかそんなやつらが体中や体のちょっと外に充満し、作用していて、かたくなってタダレた考えから抜け出せないということです。
当然、体の動かし方など、物理的な症状としても現れます。
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芸の道を進むということは、自分の過去を遡って、そのかたまってしまった考えをつくり出しであろう原因を探すという作業の繰り返しでもあります。
たった一人で記憶を旅して、その瞬間に飛んでいき、そこで起きたことと、それに関連している人(自分を含む)、できごとを見つめて、飲み込んだり、許していくような活動です。
もちろん悪いできごとだけが作用しているのではなく、嬉しいことも、強烈に幸せだと感じたことも何かしら、必ず今の自分に関係を及ぼしているのです。
また、そんな記憶活動を自分のなかでやっているものだから、他人に対しても働きが出る。
何かを悩んでいる人に出会うと、その人がどんな壁にぶつかっているかを「勝手に想像する力」が勝手に育つことになります。
太鼓を打つ人を見るとき、
音からその人となりを何となく察知しますが、
音だけでなく、
そこに挑む姿勢や顔つき、
覚悟を決めるまでしゃべっていたこと、
追い込まれたときにどんな行動をとるかなど、
まるまるっと感じているのです。
「全てを見られているようでなんだかこわいわ」なんていう人もいますが、その理由もそんなところにあるのでしょう。
少しずつこうして話を進めていますが、次回は『天才は自由の総量でできている』を書いてみたいと思います。
※追伸
今回も『シン・ニホン』の言葉を一部使わせてもらいました。すごい本、尊敬してます。
とんでもないものを生み出した、安宅和人さん、井上しんぺーさん、岩佐文夫さん、ありがとうございます。
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