![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/93488759/rectangle_large_type_2_29f650ea77f46178a630a099a48e0bbf.jpeg?width=1200)
01「MとRの物語」・序章 「シチショウホウコク」
序章
シチショウホウコク シチショウテンセイ
アラヤサウナリ マクマノメイドウ
俺は漂うおびただしい光の粒を、ただただ見つめていた。
寄せては返し、寄せては返すその波は、
俺の心を洗い癒した。
眼前に広がる、ただただ白い、光の空間。
俺は今ここで、何をしているのか。
俺は以前ここで、何をしていたのか。
そして俺はこれから、何をなすのか。
焦燥は、あった。
だが今は、それを隠すのだ。
俺は右手を上げ、光の粒を慈しむ。
彼らと一体になる。
俺は至福を感じ取る。
そろそろ、時は満ちたのか。
矢と剣と、ペンで傷ついたこの身体。この精神。
もう、癒えただろうか。
俺は右手の拳を、力いっぱい握りしめた。
目を覚ませ、大丈夫だ。
その心の声に、俺はゆっくりと起き上った。
周囲の光の粒がざわめき、俺の眼球を強く刺激した。
俺の全身から、何かがほとばしった。
![](https://assets.st-note.com/img/1671366322939-2Dwjjf1hVO.jpg?width=1200)
シチショウホウコク シチショウテンセイ
アラヤサウナリ マクマノメイドウ
「さあ、ゲーム再開だ」俺は唇をゆがめて笑った。
2017年5月23日 作家・M
<つづく>
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?