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シェパードになるための努力(多分システマについて)

前回、システマについて書こうというところで終わっていたので、たまにはシステマについて書きたいと思います。
システマについて書こうと思った時の難点と言えば、最近はどこでシステマをしても普段のクラスとして受けている感覚になっていることで。
それだけふらふらしているということでもあり、それだけ自分の練習ができるようになったということでもあると思っていますが。
ただ、それは同時に変化の途中であり、変化が終われば書けることも、途中で書くのは難しいなと思うわけです。(一応毎回クラスが終わった後に今日の一言コメントは書いているのですが)

ちなみに、これを書いているのは、“エンドロールのつづき パン・ナリン監督”の鑑賞前。監督のトークショー付きのチケットが販売されていたので、慌てて購入しました。
最後の1枚を運よく掴むことができたので、これから楽しみです。
“エンドロールのつづき”はインド版の“ニュー・シネマ・パラダイス”と言われている作品で、予告を観た時から楽しみにしていた作品です。
“ニュー・シネマ・パラダイス”といえば音楽を担当したエンニオ・モリコーネが思い浮かぶ人も多いと思います。それくらい音楽が印象的な映画でしたが、一昨年モリコーネは帰らぬ人に。そんな彼の生前のドキュメンタリー映画“モリコーネ 映画が恋した音楽家”が現在公開中です。モリコーネという人物の人となりに触れながら、彼が残した数々の功績を振り返りながら、色んな葛藤を抱えながらも映画というアートを音楽によってさらに高めていった彼に感謝気持ちを感じる作品です。僕にとって印象に残っているモリコーネの映画音楽と言えば、デ・ニーロ主演の“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ セルジオ・レオーネ監督”と先にも挙げた“ニュー・シネマ・パラダイス”です。
ちなみに“モリコーネ 映画が恋した音楽家”と“ニュー・シネマ・パラダイス”はどちらもジュゼッペ・トルナトーレ監督作品で、モリコーネ自身が自分の映画を撮るのであればジュゼッペ・トルナトーレ監督。と指名があったそうです。
モリコーネ自身がリラックスしてインタビューを受けているためか、自分の人生を振り返っているときに涙ぐむなど、感情的になっている場面が多いのが貴重なのではないかと思います。

脇道にそれました。

今年のシステマはじめは去年と同様、公園で行いました。
主催者の方が、体調不良で休まれるということで、クラスがなくなるかなと思っていましたが、結局他のメンバーで練習会を実施しました。
主催者不在という状況でも練習ができてしまう環境・場を作ってくださるインストラクターの方に改めて感謝した1日でした。

そう考えると自分が普段ふらふら練習に参加できるというのはひとえに各地のインストラクターの方々がそういう場を作ってくれているからということでもあるので、本当にありがたいことだと思います。

環境や場ということを考えると、現在はマスターに会いにくい状況が長く続いています。
こうした状況が続くと直接ミカエルから習える日は戻ってくるのか、ということをついつい考えてしまいます。
世界情勢だけでなく、年齢のことも考えると、数年前から噂されていたように引退の時も近いのかもしれません。
どんなに求めても、嘆いても来るべき時は来るでしょう。
そういった状況を踏まえて、ではどうするかというのを僕の中で考えているのが今日この頃です。

現在WEB上で様々なオンラインセミナーが行われています。これも1つの場で、日本にいながら学べるという環境があることに感謝しています。
今年は3月に日本でのヴラッドセミナーもあります。
全部が全部には参加できなくても、学べるだけ学ぶということは第一にできることかと思います。

クラスへの参加というのは、引き続きふらふらとしようと思っています。

さて、ここが1つ難しいところですが、最近1人での練習ということを真剣に考えるようになりました。4大運動(プッシュアップ・スクワット・上体起こし・レッグレイズのこと)やオンラインセミナーへの参加、過去の動画を観るというのはもともと日常的にしていましたが、もう少し本質に近づくための練習を自分なりに探していかないといけない段階に来ているように思います。

こうした思いに至った経緯としては、先のマスター達と世界的な情勢について考え始めたこともありますが、もう一つはインストラクターの方々の姿勢について見直し始めたことです。

特に、よく一緒に過ごす方々はワークやクラスでの教えの部分ではなく、それ以外の部分が垣間見えるタイミングがあります。リードする立場から離れた時に見える、より人間らしい部分とでも言いましょうか。そういった人間らしさが見えることで、その人間らしさを抱えながらそれでもシステマを活かし、続けることでより良い人であろうとしていることも同時に見えてくるように思えます。

それは、よく語られるミカエルの人物像。ミカエルの人間らしさと、ミカエルがシステマで目指す姿勢に繋がるのではないでしょうか。
セミナーでは朗らかに笑顔で会場全体をリラックスさせ、デモではとんでもない動きを見せる一方で、冗談や下ネタを言い、時にはイライラしていることもあります。
そういったミカエルが何を目指しているのか、システマの本質はそういったところから見えるのではないか。ワークや動き以上の何かがあるのではないか。そうであるならばそこを自分たちが目指す方向とした時に、どういう練習、生き方をしていくかが問いとして現れるのではないでしょうか。

ここで引用を2つ。
“Be a good person and everything else will come to you.” ミカエル・リャブコ
“I'm trying real hard to be the shepherd.“ “パルプ・フィクション クエンティン・タランティーノ監督”より

1つ目はシステマでよく語られるミカエルの言葉です。
2つ目は“パルプ・フィクション”内でサミュエル・L・ジャクソンが語る言葉の1節。
シェパードは犬の種類ではなく、羊飼いのことです。つまりはキリスト。救世主の例えです。ハッタリの聖書の引用をすることで有名な映画ですが、ここでは世の中には羊飼い・悪人・弱き人々(久しく観ていないで訳はうる覚えです。間違っていてもお許しあれ)の3種類がおり、自分は残念ながら悪人であると認めたうえでセリフです。

ままならない運命でも、良き人間であろうと努力する。
最近やけに思い出すフレーズでした。

そんなことを考えつつ、今年の僕のテーマのストライクを追っています。
ちなみに今は、結局呼吸かなと思って、呼吸のワークに戻りました。

まあ、ぼちぼちやっていきます。

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