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オーガポン、撲殺天使ドクロちゃん説

※注意:本記事ではポケモン非公式の用語(種族値等)及び略称H、A、B、C、D、Sを使用する。


アブストラクト

オーガポンの正体はドクロちゃんである。

オーガポンとは

ポケモンスカーレット・バイオレット(以下SV)の追加ダウンロードコンテンツ『碧の仮面』で新たに登場したポケモンのうちの1匹。全国図鑑のナンバーは1017であり、「おめんポケモン」に分類される。準伝説と呼ばれるポジションに位置するポケモンで、愛らしい外見と、このポケモンのために用意された物語の密度の高さから人気が高い。(ネタバレへの配慮からこの周辺の情報に関しては言及しない)

♀固定

ドクロちゃんとは

 おかゆまさき氏が手掛けるライトノベル『撲殺天使ドクロちゃん』のヒロイン。気持ちが昂ると所持している撲殺バットのエスカリボルグで主人公の草壁桜くんを撲殺してしまう。その都度「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」と魔法の呪文を唱えて彼を復活させる。

でもそれってボクの愛なの

類似点1:両者ともに棍棒を所有している

 オーガポンはツタこんぼうと呼ばれる棍棒を所有し、ドクロちゃんはエスカリボルグと呼ばれる棍棒を所有している。かつ、両者とも棍棒を使いこなし、あらゆるものを破壊する共通点を持つ。
 オーガポンのツタこんぼうは威力100命中100の専用技だが、急所に当たりやすい性質を兼ね備え、物理技なのに非接触である点が優秀だ。(※注1)この技はオーガポンのH80-A120-B84-C60-D96-S110という無駄のない種族値配分(※注2)とも相まって2024年2月現在の対戦環境で猛威を振るっている。
 ドクロちゃんのエスカリボルグも桜くんの頭蓋を幾度となく粉砕しており、破壊力には事欠かない。ドクロちゃんの種族値B85-W52-H81(注3)も同様に効率的な配分であり、幾度となく桜くんの人格形成に影響を与えた。

ニッケル合金製

類似点2:喜怒哀楽が激しい

 ポケモンSVでは、テラスタルと呼ばれるシステムが実装されている。通常のポケモンはテラスタルすると、頭上にテラスタルジュエルが出現する。一方、オーガポンのテラスタル時には、彼女の正面に巨大な仮面が飛び出てくる仕様となっている。この形態変化は彼女に持たせられる専用アイテムであるお面の種類によって変わる。このお面によりタイプや性能が変化するのだ。
 この面だが、お面が喜怒哀楽を表している説が有力である。

  • かまどのめん(怒)

  • みどりのめん(楽)

  • いしずえのめん(喜)

  • いどのめん(哀)

かまど(左上)、みどり(右上)、いしずえ(左下)、いど(右下)

 お面を通して全力で喜怒哀楽を表現するオーガポンだが、お面の下の表情も実に豊かである。

殴らないでほしいぽに~
守りたい、この笑顔

 ドクロちゃんも負けていない。彼女もまた、オーガポンと同様、表情が豊かである。

マジ切れしているドクロちゃん
上と同じドクロちゃんです

類似点3:堅い

 オーガポンは高速アタッカーの種族値を持ちながら、耐久面もH80-B84-D96と決して低くはない。そのためタイプ不一致の抜群技くらいであれば余裕で耐えられる。(A特化のウーラオスのどくづきで確定2発)耐久に振った炎オーガポンであれば2024年2月現時点の対戦環境で暴れているハバタクカミのムーンフォースに対して後出しできるし、水オーガポンであれば連撃ウーラオスに対して強く出られる。岩オーガポンは、特性が「がんじょう」なので、必ず一発は耐えて確実に反撃できる。さらにオーガポンはウッドホーン(注4)やこうごうせい(注5)、やどりぎのタネ(注6)などの豊富な回復手段を持っているので落とすのは容易ではない。

 ドクロちゃんは堅いだろうか? ドクロちゃんに詳しい専門家ならば、その肉体的特徴から、どちらかといえば、やわらかいイメージを抱くだろう。だが、事実は往々にして直観に反する。この事実はアニメ2期2話『ぶくぶくごしごし大作戦だよ! ドクロちゃん!』を参照するとわかる。
 とある夜、『にほん妖怪大全』なる書物に目を通していたドクロちゃんは、われめ姫と呼ばれる妖怪の存在を知り、あまりの恐怖で、部屋を極寒の地に変えてしまった。ドクロちゃんは「こおりタイプ」でもあったのだ。

左は妹のザクロちゃん

 こおりタイプのポケモンといえば、なにを思い浮かべるだろうか?

 そう……

 クレベースである。

ガラステーブルポケモンではない

 クレベースはこおり単タイプで2倍弱点が4つもありながら、圧倒的な防御力(B184)で相手の攻撃を受けきる難攻不落の要塞として、受けループ(注7)と呼ばれる構築によく採用されるポケモンだ。

 よって、同じこおりタイプを持つドクロちゃんもまた堅いといえよう。

類似点4:素早い

 ポケモン対戦においてもっとも重要なステータスはどれかと問われれば人によって異なる回答が返ってくるだろうが、筆者は素早さだと考えている。
 将棋やカードゲームなど、1対1で行われる対人戦のほとんどのゲームは僅差だが先攻が有利とされている。基本的にゼロサムゲームは、あらゆる種類の優位性を相手より大きくし、差を開いて勝利するというのが基盤としてある。その優位性のうちに「相手より先に行動する」アドバンテージが歴然としてある。
 ポケモン対戦において、どちらが先に行動できるかは、ポケモンのすばやさを参照して決定される。すばやさの数値が高いほうが先にアクションを起こせるのだ。
 オーガポンのすばやさ種族値は110であり、速い部類に入る。彼女の高いすばやさから繰り出される攻撃は、並みの耐久のポケモンでは受けられない。
 また、彼女のすばやさが活かされる場面は攻撃面に限られない。S110から繰り出されるポケモンSV最強の補助技アンコール(注8)や対戦環境で使われ続けているみがわり(注9)はあらゆる搦め手を無力化する。オーガポンに有利なポケモンに交代しようものなら全体的に通りのよいはたきおとす(注10)が入る。

 一方、ドクロちゃんもまた、驚異的なスピードで移動できる。とあるエピソード(注11)では、驚異的なスピードで水上を走るドクロちゃんを観察できた。スクール水着は動きやすい恰好だったとはいえ、エスカリボルグのような非常に重い鈍器を片手に水面を走るなんて芸当は人間には真似できないだろう。

水上を高速移動し獲物(桜くん)を追い詰めるドクロちゃん

類似点5:かわいい

 両者ともにかわいい。以上。

結論

 上記の述べた5つの共通項からオーガポンはドクロちゃんであるといえる。ドクロちゃんは「ぴぴるぴるぴるぴぴる~♪」と不思議な呪文で桜くんのバラバラになった肉体を再構築できる。ならばオーガポンはさいきのいのり(注12)を覚えるのだろうか。覚えたとしたらゲームバランスはどうなってしまうのか。次の論考のテーマである

注釈

(注1)相手に直接触れないと判定の影響を受けない技を非接触技と言う。非接触技は、ゴツゴツメットと呼ばれる接触した判定が下ると攻撃したポケモンがダメージを受けるアイテム等の影響を受けない利点がある。非接触の物理技はほかに「じしん」「スケイルショット」「いわなだれ」「こおりのつぶて」などがある
(注2)物理攻撃時にダメージ計算で参照される数値はA(物理攻撃の種族値)である。そのため、物理攻撃がメインのポケモンのC(特殊攻撃の種族値)がいくら高くても使わないので意味がない。むしろ種族値は使わない数値が高いと損するケースすら発生する(相手のAを参照してダメージを与える技イカサマなどが好例)オーガポンの種族値はH80-A120-B84-C60-D96-S110だが、オーガポンは物理の攻撃技が豊富であり、実質、物理攻撃の技しか採用されない。彼女の種族値は利用しないCが低く抑えられており、そのほかの種族値に効率よく配分されている。このようなステータスを表現するために「無駄のない種族値」といった表現が存在する
(注3)原作1巻の自己紹介ではB81-W52-H78、漫画版ではB85-W52-H76となっている
(注4)威力75命中100の相手に与えたダメージの半分だけ自分のHPが回復する物理の草技
(注5)HPが、天気が通常時は最大HPの1/2、『にほんばれ』のときは最大HPの2/3、『あめ』『ゆき』『すなあらし』のときは最大HPの1/4回復する技。後述のやどりぎのタネが相手依存の技なのに対し、こちらは自分のPPだけ管理していればよい点が長所
(注6)使用後、毎ターン、相手のHPを最大HPの1/8ずつ減らし、その分自分のHPを回復させる種を撒く。自分は交代しても効果は裏のポケモンが引き継げる点が強い。草タイプのポケモンには効果がないので、同じ草タイプのオーガポンを繰り出すのが対策になる。
(注7)耐久力の高いポケモンでパーティを組み、サイクルを回しながら毒やステルスロック等の定数ダメージで少しずつ相手の体力をと削っていく戦法。また、その戦法を主軸としたパーティ
(注8)3ターンのあいだ、相手が最後に使用した技しか使えなくなる技。つまり、相手がなにか技を使って、その次のターンに先にアンコールを打てば、相手はその技を3ターンのあいだ打ち続けるか、ほかのポケモンに交代するしかなくなる。ポケモン対戦ではこのように、相手の行動を「縛る」のが重要となる。相手の次の選択肢を狭め、次の展開を自分の進めたいようにに進められるからだ
(注9)自分のHPを最大HPの1/4だけ減らして、減らしたHPと同じHPの自分の分身を作り、分身のHPが0になるまですべての攻撃を自分の代わりに分身が受ける技。相手の攻撃を一旦分身で受けて情報を引き出すといった使い方ができる。またこの分身は火傷や毒、麻痺といった状態異常にならないので、状態異常技を使う相手にとっては非常に厄介である。とくにオーガポンは「でんじは」を打たれるケースが多いのでこの技は有用である。麻痺状態になるとSが半減するので、相手はオーガポンの高いSを潰してから控えにいる裏のポケモンでオーガポンを倒そうとするが、みがわりで受けられるとそれも通用しない
(注10)威力65命中100悪タイプの物理技。相手が道具を持っている場合、ダメージが1.5倍になり、さらに道具を持っていない状態にする。全体的に悪タイプの技の通りはよく、どんなポケモンでもある程度のダメージは入る。だが、はたきおとすの有用な点はそこではなく、相手の道具を文字通り叩き落とせる点にある。ポケモン対戦においてアイテムを持たせるのは非常に重要で、アイテムを持たせずに対戦を行うプレイヤーはほとんどいない。持っているアイテムを失うのはひとつのアドバンテージの消失と同義である
(注11)アニメ1期第5話『林間学校だよ!ドクロちゃん!』より
(注12)ポケモンSVから新たに実装された控えにいるひんしのポケモンをHPを半分の状態で復活させる技。パーモットなど限られたポケモンが使用できる。

参考

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