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京都サンガF.C.2020シーズンレビュー(選手:MF、FW編)

前回の記事ではシーズンレビューGK、DF編を書きました。

今回はMF、FW編です。


<MF>

#7 レナン・モッタ(先発3試合、途中出場6試合)

 そもそも今季契約更新したのも驚きだったが、シーズンを通して特に際立ったプレーは見られなかった。わざわざ外国人枠を使う理由は見当たらず契約満了は致し方無い。


#8 荒木 大吾(先発16試合、途中出場12試合)1A

 今季序盤は左WBとしてプレー。特にアウェイ徳島戦での仕掛けは強烈で圧倒的だった。ただ、何せゴール前までボールを運んでもゴールネットは揺らせない。その上徐々に守備対応の稚拙さが露わになり、黒木にポジションを奪われる形に。その後はFWでも使われたりしたものの、対戦相手にしてみてもゴールを狙われる怖さが無いので脅威になれなかった。そもそもこのチームには原則らしきものが無いのでしょっちゅう迷子になってた。2FWの一角なのにWBみたいにサイドで受けてドリブルとかもあったし。荒木の守備対応については以前にnote書いているので良ければ。


#10 庄司 悦大(先発37試合、途中出場4試合)1G、2A

 今季もチームの中心となりほぼ全試合に絡む活躍を見せた。昨シーズンはコンダクターとして振る舞うプレーが数多く見られたが、今季は5-3-2の中盤中央で守備に奔走する時間も多くなった。相手ボールに対して果敢にチャレンジする姿勢も強かったし、守備における貢献も素晴らしいものだった。もう一度J1へ挑戦するのかなとも思っていたが契約更新。まさかサンガで落ち着いてくれるとは。来季は岡山より加入する武田翔平とのポジション争いとなるか。


#11 曽根田 穣(先発17試合、途中出場10試合)3G、2A

 チームの為に汗をかける選手で、特に5-3-2の3センターでのプレー時は過労死するのではないか?と思うほど走りまくった。後半戦に入ってからは3-4-2-1のシャドーでプレーした。ダブルボランチになってからは守備の負担もいくらか減ったようで、攻撃面でも得点にも絡む活躍を見せた。「こんな選手がいてくれたらすげー助かる」選手の代表格ではないだろうか。


#14 中川 風希(先発5試合、途中出場9試合)2G

 彼にとってのハイライトは22節ホーム大宮戦での2得点なのだろうが、それも後半の4失点逆転負けのせいで霞んでしまった。狭い局面でも中央で運んでいける選手かと思いきや、意外と裏抜けを得意とするストライカーだった。彼もボール保持する前提でチーム選んだのに、めっちゃ守備せなあかんやん!の被害者である。


#15 仙頭 啓矢(先発18試合、途中出場1試合)6G2A

 10月に横浜FMから期限付き移籍で復帰すると、即座に攻撃を牽引するプレーを連発。ゴール前での落ち着き、シュート精度の高さは昨季からずば抜けていたが、それを復帰後もいかんなく発揮してくれた。しかも今季のチームは明確なビルドアップ術が無かったので、最終ラインまで下りてきてボールを散らしたりと攻撃のスタートからフィニッシュまで担当してくれた。マリノスからJ2へ期限付き移籍した選手(山本義、エジガルジュニオなど)は軒並みそのまま完全移籍へと移行していく中、彼の去就には注目したい。残ってくれ!!


#17 ジュニーニョ(先発3試合、途中出場10試合)1G

 左WBや2FWの一角など、とりあえず走ってくれ、というような使われ方だった。11節ホーム水戸戦ではビューティフルなミドルシュートを決め、「そんなシュート打てるんかい!」と我々サポーターを驚かした。そのあとは怪我もあり思うようにプレー時間は伸ばせず。モッタ同様契約満了となった。お子さん生まれたばっかだし、FC大阪時代を含めるとかれこれ6シーズンも日本にいるのでどっかのチームでやれれば良いな。


#22 谷内田 哲平(先発7試合、途中出場16試合)2A

 帝京長岡高校から加入したルーキーは初年度からプレー時間を獲得。攻撃のアクセントとなる動きやパスセンスの高さは流石のものを感じさせた。中学高校時代にこれだけ守備やらされることは無かったと思うが、よく適応したと思う。スタジアムで観ているとバイスから「ヤチ、ゴー!!」「ヤチ、モドレ!!」「ヤチ、イケ!!」などめちゃめちゃ走らされていたが、良い経験(?)にはなっただろう。


#23 川崎 颯太(先発11試合、途中出場5試合)

 今季一番のポジティブサプライズは彼で間違いないだろう。アカデミーからの昇格組ながら持ち前のボール奪取能力をプロの世界でもいかんなく発揮。元々はターンオーバーした13節アウェイ新潟戦でチャンスを得たのだが、そこからベンチ入りやスタメン奪取にも成功した。身近に福岡という良いお手本でありライバルがいるので、お互いに切磋琢磨していってほしい。4-3-2-1でも3-4-2-1でも出番はあるだろう。


#27 山田 楓喜(出場機会無し)

 今季トップチーム昇格も出番は無し。川崎の活躍に刺激を受けているだろうし、来季は出番を掴みたいところ。


#29 中野 克哉(先発8試合、途中出場6試合)2G2A

 これまではゴールへ向かうドリブルやチャンスを得てもことごとくホームランをかっ飛ばしてきたが、今季は遂にプロ初得点を記録。途中出場で流れを変えられる選手になれればもっと面白い存在になりそう。貴重なウインガータイプだが、新政権でどのようなタスクが与えられるだろうか。


#31 福岡 慎平(先発21試合、途中出場15試合)1G

 今季も主に中盤の底で攻守に安定感をもたらしてくれた。曽根田の時にも書いたが、彼もいてくらたら助かる選手である。とはいえ、サッカー選手ならば自分の強みとは何か?を体現しなければならないので、福岡がどのような選手になっていくのかは興味深い。個人的にはシュート技術も高いと思うので、今の守備面でのプレー強度を保ちつつPA内に顔をもっと出せるようになったら面白い。(言うのは簡単)


#32 上月 壮一郎(先発5試合、途中出場6試合)

 今季は右WBでプレー。中野にしてもそうだが、彼の特徴を生かせるウイングポジションが今季は無かったので致し方ない面もある。世代別代表の試合で見るようなカットインしてゴールを狙う形の方が合っているだろうが、来季もWBで上下動させられてそう。


#40 黒木 聖仁(先発3試合、途中出場3試合)

 終盤戦に入りCBで出番を掴み、3試合に先発。相手シュートをゴール手前で決死のクリアを見せたりとベテランとしての気迫を見せた。来季も出番を争うとしたら、ボランチよりもCBになるだろう。


#41 金久保 順(先発18試合、途中出場4試合)1G2A

 夏場はほとんどの試合で先発し攻撃時のアイデア溢れるプレーや守備でもハードワークを惜しまない働きを見せたが秋以降はパタリとベンチ外に。皆さん仰っているようにJ's GOALでの発言の影響もあるのかな。(記事引用しようと思ったら既にサイト終了していた・・・)2018年夏の加入以来昨季の活躍含めサンガを救ってくれた選手の一人なのでこんな形でチームを去るのは淋しい。(12/30現在移籍が決まったわけじゃないけど、ほぼ放出確定でしょう。)


<FW>

#9 ピーター・ウタカ(先発38試合、途中出場2試合)22G5A

 言わずと知れた今季J2得点王。相手がいてもかわしてシュート、PA外でもコースを突いてシュート、両足、頭でもゴールが狙えるこれぞストライカーというプレーぶりだった。36歳にもかかわらず今季の出場時間はバイス、庄司に次ぐ3位。完全にチームがウタカに依存していたとはいえ、これだけ働いてくれたことには大いに感謝したい。来季は移籍の噂もあったが、いの一番に契約更新。過密日程が軽減されチームとしての依存度が低減されれば、来季も相手チームにとって対峙したくない選手となることは間違いない。夏場は特に大暴れしてくれるだろう。


#13 宮吉 拓実(先発14試合、途中出場8試合)1G4A

 今季はウタカをサポートする衛星役としてプレー。本当は一番前のFWで勝負したいんだろうけど、チーム状況に合わせて柔軟に対応してくれた。とはいえ今季の初ゴールが12月なのは遅すぎるし、結局シーズン通してその一得点のみ。相手DFにプッシングされるとすぐに倒れてボールを失うことが多く、裏抜けでGKと1対1でしかチャンスにならないようではJ2といえども厳しい。アカデミー卒選手の至宝としてプレッシャーもあるだろうが、どうにか京都の地で輝いてほしい。


#18 野田 隆之介(先発10試合、途中出場26試合)4G3A

 長身ながら攻守にハードワーク出来る選手で、高さを生かしたヘディングでのゴールなどストライカーとしてまだまだ存在感を示せることを証明した。個人的にも昨季湘南の試合を観ていた時から良い選手だなと感じていたので、実際に得点を挙げてくれて嬉しい。ただ、10月以降は全くチャンスを作り出すことが出来ず、過密日程でのコンディショニング維持の難しさもあったことが窺える。来季は勝手知ったる曺政権なので、もう一年頑張ろう。


#20 李 忠成(先発2試合、途中出場3試合)

 今季はYoutubeでの活動が主だった。そもそも彼の強みは何か?をチームとして共有出来ておらず、出場してもひたすら相手ボールを追いかけまわすだけだった。契約更新が発表されたことだし、来季はピッチ内で存在感を発揮してほしい。



<おわりに>

今季は皆さんにとってどのようなシーズンとして記憶に残っただろうか。

「新スタジアム元年」というチームを応援していて一生に一度あるか無いかのシーズンを「何も残らなかったね」で終えるのは何とも残念であるが、そう総括せざるを得ないシーズンであった。

京都サンガF.C.は来季に向けてまたもや大きな入れ替わりを断行する。監督をはじめコーチングスタッフはガラッと変わり、選手も数多く入れ替わることは間違いない。

記事執筆時点の12/30現在でも、松田天馬(湘南→)、三沢直人(鳥取→)、武富孝介(浦和→)、福島春樹(浦和→)、荻原拓也(浦和→)、白井康介(札幌→)、武田将平(岡山→)と7人の加入を発表。山道強化部長や曺貴裁監督の色が強く出ていることが窺える。

来季になってからでも、2019シーズン、2020シーズンを「意義のあるものだった」と言えるように変えることは出来ると個人的には思っているし、そうしていかなければならない。


では皆さん良いお年を。


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