見出し画像

辻村深月『東京會舘とわたし』トークショーレポ@東京會舘

2019/9/20 辻村深月さんのトークショーが東京會舘で開催されました。『東京會舘とわたし』の文庫化記念での開催でした。

●文春文庫『東京會舘とわたし』(上下巻)2019/9/3発売

東京會館(上)書影

ここは夢が生まれる場所。華やかなる"社交の殿堂"。
大正、昭和、平成という時代を情熱的に生きた人々を、鮮やかな筆致で描き出す。
直木賞作家が贈る、一つの建物の〈記憶〉をたどる長編小説。
大正11年、丸の内に落成した国際社交場・東京會舘。
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー......。
変わりゆく時代の中、"會舘の人々"が織り成すドラマが読者の心に灯をともす。


最初に予約したときは会場がマグノリアだったのですが、ロイヤルになり、そして最終的にはローズへ変更となったようです。申し込み人数が多かったんですね!実際には150名くらいの方がいらっしゃったようです。

初めて東京會舘に足を踏み入れたのですが、とっても素敵なところでした。

画像6

エントランス 中に入ると絨毯がふかふか

画像5

会場前の案内モニター

受付を済ませると自分の席番号をもらい、丸テーブルに座ります。結婚式と同じような雰囲気でした。

コーヒーか紅茶か聞かれて飲み物を出していただけました。18時から開始だったのですが、辻村さん本人は18時20分頃の登場で、それまでは小説にも出てくる、”マロンシャンテリー”をいただきました。

画像5

席に既に置いてあったサイン本とマロンシャンテリー。びっくりするくらい甘くて美味しい

18時20分を過ぎ、辻村さんが編集者の方と一緒に登壇されました。この時も結婚式みたいに各テーブルの近くまでラウンドしていただくスタイルで、辻村さんが近くまで来て緊張しました・・!

以下、トークショーのレポです。ネタバレあり。

・『東京會舘とわたし』を執筆された経緯について。自身の結婚式を東京會舘で行われたときに、冗談で「今度は直木賞の時に帰ってきますね」と言ったら従業員の方が真面目に「お待ちしております。」と返してくれた。そして数年後に直木賞受賞の一報を受けて東京會舘に着いたら、「お帰りなさい」と言ってくれた。何年も前のことなのにすごく感動して、そこで東京會舘について書きたいなと思った。

・文庫上巻 第三章「灯火管制の下で」。実は深木章子さんのお母様のお話。ほぼ実話で、遠藤さんの話も辻村さんが深木さんのお母様に取材をした後、スタッフさんに確認したら遠藤波津子三代目だということがわかった。その話が下巻の十章に繋がっている。

・その深木さんのお母様の取材。深木さんの上にお姉様がいらっしゃったけれど若くして亡くなってしまい、東京會舘の取材をしていたはずなのにそちらのお話に胸を打たれて、「どうにかしてお母様とお姉様を会わせてあげたい」と思った。なので新潮社から10月末に出る『ツナグ2』にお二人が登場する。

・辻村さん自身の結婚式。『ロードムービー』が出たころだったのでゲストが退場するときにそれを渡した。

・辻村さんはきのこが苦手。舌平目のボンファムにはソースにきのこが入っているが、美味しすぎて唯一食べられる。結婚式の時にはきのこ嫌いを知っている辻村さんの友人卓がざわついたらしい。

・コンソメスープはパラダイムシフトが起きた。

・週刊朝日で連載していたので、ほぼ毎週東東京會舘に来ていた。美味しいものを取材でたくさん食べさせてもらって、入りたいところは全部いれてもらって、とても感謝している。なにかお礼がしたい、と思ったので自分のファンから2組は東京會舘で結婚式を挙げてほしい。笑 パンフレットとかあると思うのでぜひ検討を・・とのこと。

・今年はたくさん仕事をした。こんなに詰めて、もったいないという気もする。。3年分くらいの仕事では?!と思っている。

・(直近の仕事の話から)映画の現場は小説と違う土俵なので緊張する。ツナグが映画化になったときは舞台挨拶の食事にケータリングがきていて「辻村さーん」と呼ばれ、なにかと思ったら東京會舘の人だった。

・ドラえもん(のび太の月面探査記)の時は公開が3/1で、辻村さんの誕生日が2/29。なので誕生日おめでとう&公開おめでとうケーキが出てきた。それも東京會舘プロデュースで、なんと辻村さんの結婚式のウェディングケーキと同じものだった。

・東京會館は今年の1月にリニューアルオープンだったので、文庫になるにあたり一章追加した(「新章 おかえりなさい、東京會館」)。それの取材でオープン前に部屋の見取り図(?)を見せてもらったが、辻村さんレベルの東京會舘通になると、「あ、この部屋は”ローズ”ですね」とわかる。実際当たった。

・表紙絵の原画を編集の方が持ってきてくださっていた。辻村さんにもサプライズだったようで「わー!すごい!」と驚かれていた。「鳩バスがいるんですよ~」の一言で会場中が手元にある下巻を確認。

あとトークとは関係ないんですけど、辻村さんのお洋服がかわいかった~!いつもツメとか靴とか可愛くて素敵だなあと思って見てます。今回は前身頃が花柄で後ろが水玉のワンピース。壇上のお花と合っていたので合わせたのかな~?とか思いました。

壇上のお花。ナチュラル可愛い感じ。

画像5


東京會舘についてのお話を東京會舘で聞ける、とのことでとても贅沢な時間でした。文庫上下巻(上巻のみサイン入り)、コーヒーor紅茶、マロンシャンテリーがついて2,500円なんていいの・・・?と思いました。もっと高くても・・・文庫2冊だけで1,580円くらいなのに・・・

最後に、物語の中にも出てくるシャンデリアを。

画像6

ありがとうございました。

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?