給食のおばさん3️⃣
「あんたが行きなさいよ」
は?おばさんの言葉がこだまして聞こえる。
あんたが行きなさいよ??
私??
恐る恐る振り返ると
私ではなかった。
あの嫌われ者さんだった。
嫌われ者さんはなんでも本当のことをズバズバ言うけど仕事ができるからベテランは面白くない。
「あんたが行けばこっちは平和だから、あんたが行きなさい。それで決まりね」
「そうですよねぇ、あの人が行ってくれれば私たちも気持ちよく働けるし」
皿を洗う手がついつい止まってしまう。
「あ?あぁ、誰に言ってんのかと思ったら私ね?別にいいですよ。毎日汚い顔見ながら仕事しなくて済むし」
雷でも落ちたんかこの人は。
小声だとしてもよ?なんちゅーこといいだすの。。
「ってことですー。トップさーん、聞きましたぁ?この人行くそうですぅ。」
「え?!あ、はいはい!わかりました!じゃそのように伝えときますね!」
これがうちのトップです。
ベテランの下っ端みたいに振る舞うくせに
ペーペーには威張り倒す。
本当、変な職場。
私は自分で無かったことに胸を撫で下ろしていたが
嫌われ者さんがいない日は違う人がターゲットになる。
みんな、それを恐れているだろうな。
この日は変な天気だった。
雨が降ったかと思ったら日が出てやけに暑くて帰る頃には蒸していた。
帰り道、歩いているだけで汗ばんでしまった。
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