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MET( メトロポリタン歌劇場)ライブビューイング 次回はカルメン3/8〜


 全国的で数カ所メトロポリタンオペラのライブが見られる場所がある。数年前私はそれを知ったが、九州では福岡のみだった。ところが昨年より熊本でも見ることができることを知り、たびたび出かけるようになった。

 初めて見た演目がワーグナー作曲 『ローエングリン』休憩を入れると約5時間かかる長い演目である。冒頭部分にエルザの詠唱があるが、私はそれを聴いて、あまりの美しさに涙がずっと流れ続けた。
 新演出で時代は現代にスライドされた感じになっていたが、合唱団の声の厚みといい音楽のスケールの大きさといい、とにかく衝撃を受け、その迫力やエネルギーに圧倒された。

 メトロポリタンオペラの凄いところは、主役の歌手のみならず、脇を固める歌手たちも演技力に加えて卓越した表現力をもっていることである。オペラを見に行くとサイドに訳が出るが、他言語で上演される場合、目で追っていきながら,音楽を味わうのは至難の業。その点、ライブビューイングはすべて日本語字幕がつくので内容がすぐ理解できる。

 生の演奏が1番良いのはわかっている。だが、歌手の表情や演技がスクリーンでクローズアップされるは映画は,また違った意味で大変おすすめだ。オペラの上演だけでなく、メインキャラクターを演じる歌手たちと指揮者へのインタビューもある。また演出や衣装についても尋ねる場合もあるため、より一層その演目についての理解が深まる。

 3月8日からはビゼーのカルメンが見られる。オペラの中でも最も知られているものではないだろうか。歌だけでなく、前奏曲などは、CMでも流れることが多い。もし興味をもたれたら、8日からの上映は大変お勧めです。

 先日の上映でカルメンの練習風景が流れたが、主役の女性は、普段の様子とは全く別人で、オペラの中ではカルメンそのものだった。

 束縛を嫌い、自由奔放なカルメン。また誘惑に負けて転落していくホセ。
役柄に感情移入をしにくい人も多いと思う。しかし、自分の中にもわずかながら『わがままだと言われようが、自由を追い求めたい気持ち』や『やめたほうがいいとわかっていても、魅力あるものに翻弄される弱さ』があるはずだ。もしかしたら、それらを見つめ直す機会になるかもしれない。


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