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音楽にまつわる話④ ひとりの音楽愛好家として

退職後に入った合唱団の先生は80代半ば。音楽に対して情熱的で、
理想の響きを追い求めるタイプだった。
みんなと仲良く、ほんわか練習するつもりだったのに、
まるで熱心な部活に入ったかのよう。

『教員 あるある』の中で、女性教師の中には子どもたちと声域が
重なるため、声がかすれている人がいる。大きな声は通るが、
内緒話ができない。小さな声では、かすかすになってしまうのだ。

私の声はかすれていないが、明らかにダメージを受けていた。それに高い声が
学生時代に比べ出なくなっていたので、思うように歌えなかった。

困ったあげく、youtubeで発声法の動画を見ているうちに
バリトン歌手の小玉晃先生の動画にたどり着いた。 
その中心となる考えは
歌わない。息の上で、言葉をしゃべることである。

試しに体操と発声練習をしてみると、その日のうちに学生時代にも出なかった
高い声が軽く出た。それと自分でもびっくりするくらい低い声も。

これまでも高い声を出すため、『目を見開くように。眉を上げて。のどの中を
少し狭めて』といろいろやってきた。自分の声の良しあしは、自分で判断
できない。講習会や本で学んだことをいろいろ試すうちに、
暗くて深い森にまよいこんでしまった。

60歳をすぎ、知力、体力、気力の低下、容色?の衰えを感じていた。
自分の中に、まだ伸びる部分があったことがとてもうれしかった。

カラオケで歌う方ならご存じだと思うが、声域を広げることは難しい。
高い声が出ると、新たな曲が歌えるのだ。

そして現在、私は月に1回オンラインで小玉先生のレッスンを受けている。
生活の中に歌が戻ってきて、とても幸せだ。

おすすめ!
秋の夜長に読書もいいですが、小玉 晃さんの歌を聴かれませんか?
ふだんクラシックを聴かない方も、ほんとに自然で素敵な歌声ですので。

CD うたの絵本より


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