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こことは違う場所へ

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旅の思い出を綴っています。海外旅行の記事が多いですが,旅先で出会ったものや人についても書いています。
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2024年3月の記事一覧

#9エネルギッシュなアジアの旅 香港・マカオ

 1996年、年末。両親を連れて、はじめての海外旅行は香港。そこは、翌年に控えた返還前の活気や熱気に溢れていた。  現地係員は黒く薄いアタッシュケース、細身の背広、ブランド物のメガネといういでたち。これが笑ってしまうのだが、メガネには、なんと値札がついたままなのだ。空港のバスの駐車場は、到着便ごとに多くの観光客が乗り込み、活況を呈していた。よく見ると、他のツアーの添乗員で、同じく値札をつけた人がいる。これだけ高いものが買えるということを誇示するためなのか、よくわからないが、

#8エネルギッシュなアジアの旅 マレーシアとシンガポール②

シンガポールにて  1996年、マレーシアのジョホールバルから移動した途端、ビル街の美しい、別名ガーデンシティーと呼ばれるシンガポールに入った。その当時は開発のまっただ中だったため、昔ながらの古い小さな家も中心部に残っていた。しかし、そのような場所は、板のような壁で遮られ中を覗き込まないと人々の生活がわからないようにしてあった。街中はMRTが走り、移動もとても便利。法律が厳しいため、ゴミ1つ落ちていない、清潔な公園が印象的だった。  観光をしながら、気がついたのは、街に若い

#8 エネルギッシュなアジアの旅 マレーシアとシンガポール①

マレーシアにて 1990年半ばは、北海道2泊3日よりアジアの旅 1週間の方が旅行代金が安かった。そしてシンガポールでは、五つ星であるインターコンチネンタルに泊まることができる。そう考えたら、北海道に行く案はまた瞬く前に消え去り、まだ行ったことのないアジアを旅することにした。  実はこの旅は、独身最後の旅行にするつもりだった。結婚したら、そうそう海外には行けないだろう。そのことも決め手の1つとなった。  シンガポール航空で、民族衣装サロンケバヤの美しい客室乗務員の姿を見たと