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#聴いてみた Beethoven交響曲第8番

NHKFM[「音楽の泉」のBeethoven作曲『交響曲第8番』を聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

「交響曲 第8番 イ長調 作品93」ベートーベン:作曲
 (管弦楽)ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団、(指揮)パーヴォ・ヤルヴィ
(23分59秒)<BGM JAPAN BVCC34139>
 
「序曲「献堂式」 作品124」ベートーベン:作曲
(管弦楽)チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、
(指揮)デーヴィッド・ジンマン
(9分52秒)<BGMファンハウス BVCE38085/6>
 
「バレエ音楽「プロメテウスの創造物」から フィナーレ」
 ベートーベン:作曲
(管弦楽)モントリオール交響楽団、
(指揮)ケント・ナガノ
(6分10秒)<SONY CLASSICAL SICC1453>

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

冒頭の調べ 鮮やかなオープニング。
神秘的な序奏や人を驚かせる劇的な和音、或いはフェルマータを伴った運命的なモチーフはここにはない。あるのはしなやかな躍動感、そしてユーモアのセンス。

Beethovenの交響曲第8番は人気の第7番とほぼ同時期に作られた。作品番号も第7番が作品92で第8番は作品93である。この2曲は1813年4月Beethovenが42才の時にウイーンのルドルフ大公の邸宅でプライベートな形で初演された。因みにルドルフ大公はハプスブルク家の名門貴族にしてBeethoven芸術最大の理解者、Beethovenのパトロンだった。そればかりでなく、大公はBeethovenからクラヴィーア、鍵盤楽器を習っていた。そして作曲も学んだ。Beethovenのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を最初に弾いた人でもある。1814年2月にウイーン王宮の舞踏会場で公開初演された。

同じヘ長調の交響曲第6番田園と区別するためにBeethoven自身「小さなヘ長調の交響曲」と呼んだが、この交響曲、決してこじんまりとはしていない。実は創意工夫に満ち溢れた名曲。音楽の様式は一見古典的だが、その中身は極めて斬新で特にリズムの面で仕掛け、意表を突くアイデアが一杯。アンサンブルがズレたかのように聴こえる場面も用意。しかしBeethovenは涼しい顔をして楽譜にメヌエットのテンポでと書きこんでいる。第3楽章テンポ・ディ・メヌエット、この先もリズムの戯れがあり楽章の中間部の楽器法も凝っている。第4楽章、Beethovenは交響曲第4番とヴァイオリン協奏曲の最終楽章でファゴットにスポットを当てたが交響曲第8番にもファゴットの見せ場がある。見せ場と言えばティンパニも終始大活躍である。20Cの作曲家ストラヴィンスキーも精妙にして大胆なこの交響曲第8番をこよなく愛した。今回の指揮者パーヴォ・ヤルヴィはこの交響曲第8番をモーストモダンシンフォニーと呼んだ。

Beethoven『交響曲第8番』を聴いてみて

リズム感が秀逸な指揮者パーヴォ・ヤルヴィの演奏。第1楽章から実に爽快なのである。全体的に少しテンポが速いかとも思ったけれど、曲の若々しさ、瑞々しいエッセンスはちゃんと伝わってくる。
Beethovenの交響曲と言えば5番「運命」や9番「合唱付き」が良く演奏されるけれど、今年この8番も演奏される機会が増えますように。


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