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#聴いてみた シベリウスの交響曲 第2番  

NHKFM[「音楽の泉」のシベリウスの交響曲 第2番 を聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

交響曲 第2番 ニ長調 作品43から 第1楽章、第3楽章、第4楽章
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 クラウス・マケラ(指揮)
作曲: シベリウス(31分4秒)
<ユニバーサル UCCD-45018>
🖊曲解説へ

組曲「クリスティアン2世」から セレナード
エーテボリ交響楽団(管弦楽) 、 ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
作曲: シベリウス(4分23秒)<ポリグラム POCG-1963>
シベリウスが交響曲第1番を作曲する前に書いた劇音楽の組曲からお送り致します。1898年に作曲され、ヘルシンキのスウェーデン劇場でシベリウス自身の指揮で初演された「クリスティアン2世」の音楽。
オーケストラ組曲もその年にロベルト・カヤムスの指揮で披露されました。
「クリスティアン2世」は16世紀前半にスカンジナビア諸国を治めた国王の名前。
彼の波乱に満ちた生涯、ある平民の女性への愛、彼の起こした凄惨な出来事は劇や小説の題材になりました。
今朝はオーケストラ組曲から宮廷舞踏会の音楽をお送り致します。

アンダンテ・フェスティーヴォ
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団(演奏) 、マリス・ヤンソンス(指揮)
作曲: シベリウス(4分27秒)
<EMI TOCE-8244>
シベリウス自身も好んで指揮をした弦楽とティンパニーの為の名曲アンダンテ・フェスティーヴォをお送り致します。
祝祭的なアンダンテという意味です。
曲は1922年にある企業のお祝いのパーティーの為に弦楽四重奏曲として書かれ、1930年代に弦楽とティンパニーの為に編曲されました。

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

🖊今朝はフィンランドのシベリウスが20世紀初頭に作曲した交響曲第2番から第1楽章第3楽章第4楽章をお送り致します。
孤高のシンフォニスト、独自の境地を切り開いた交響曲作家シベリウスのシンフォニーの中でも最も愛されている第2番、シベリウス自ら「我が魂の告白である」と述べた交響曲をご一緒致しましょう。
(♪~)曲が始まったところを少しご一緒致しました。
この冒頭部分についてシベリウスは晩年、「私が作曲した最も心躍る音楽。どうして遅く演奏するのか。」と述べました。
ジャン・シベリウス。1865年生まれ、1957年9月に91才で亡くなっています。
ヘルシンキの音楽院でヴァイオリンを学んだ後、奨学金を得てドイツのベルリン、そしてオーストリアのウイーンに留学、ベルリンでは同世代のR.シュトラウスの音楽を体験しています。
ウイーンでは保守的な伝統を重んじた作曲家ロベルト・フックス、そしてオペラやヴァイオリン協奏曲で知られたハンガリー系ユダヤ人の作曲家カール・ゴルトマルクから教えを受けています。
シベリウスは生涯に交響曲を7曲作曲しました。
内に外に激しい交響曲第1番を書く前に、フィンランドの国民的な叙事詩「カレワラ」に基づく声楽を交えた長編「クレルボ交響曲」も書いています。
因みに神話を背景とした「カレワラ」は長く活字にならず口承で伝えられてきましたが、19世紀に出版、ロシアの支配下にあった当時のフィンランドの人々にとって精神的な支柱、心の拠り所となっていました。
「カレワラ」はシベリウス芸術の源泉、根幹を成すものでもあります。
「カレワラ」から霊感を受けた、或いはタイトルを授かった曲がシベリウスには沢山あります。
さて、交響曲第2番は主に1901年の夏から翌1902年にかけて作曲されました。
30才代半ばを迎えたシベリウスにとってこの交響曲は自らの芸術的転換期を彩る作品ともなりました。
愛国的な歌詞をもつ賛美歌の旋律、交響詩や劇音楽に通じるかのようなドラマティックなフレーズが舞う一方、作曲の数か月前に旅したイタリアから受けた影響もあるようです。
プライヴェートでは悲しい出来事もありました。
この交響曲第2番、第3楽章から最後の第4楽章は切れ目なく演奏されますが、その部分を少し聴いてみましょう。
(♪~)
1902年にヘルシンキで作曲者自身の指揮によって初演され、翌1903年スウェーデンのストックホルムで今のヴァージョンが初演されたシベリウスの交響曲第2番は特定のイメージをもって聴かれてきた作品でもあります。
シベリウス及びシベリウス芸術の良き理解者でヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団を作った指揮者ロベルト・カヤムスが「交響曲第2番はロシアの圧政に対するフィンランド人の抵抗と勝利を描いた作品である。」と述べたからです。
指揮者カヤムスは、更に「自由への闘い、太陽から光を奪い、花から香りを取り去ろうとする者達への抵抗」と言った見解を発表し、この言葉も翻訳、意訳され世界に広まりました。
しかし、シベリウスはそうした政治的な意図や標題的な解釈を否定し、この交響曲が演奏される際、コンサートの主催者にそうした解釈や文言をパンフレットに載せないで欲しいと伝えたこともありました。

🖊シベリウスの交響曲 第2番を聴いてみて

冒頭より自然の中に誘われたかのような音楽、全体的にはドラマティックな曲ではあるけれど、確かにこの曲には政治的な解釈より、フィンランド人の精神的支柱と言った意味合いの方が似合うと思った。
今回の指揮者はクラシック界のライジングスター クラウス・マケラ、1996年1月生まれだから今年若干27才!
その若さ溢れる才能は本物。
実に凄い人が出てきたものだと感心しきり。
これからこの人はどんどん出てくると思う!!

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