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行っといで

[週末里親とは?]

児童養護施設の子どもに月1〜2回お泊まりに来てもらい一緒に遊ぶ里親さんを週末里親といいます
毎回同じ子が来てくれるので 親戚のおばちゃんの様な立場で子どもの成長を見守ります

週末母ちゃん
第40話(最終話)/全40話 「行っといで」」

こんにちは!
大阪で週末里親をしているみよです
この漫画は私と里子のBOWがただただ遊んでるだけの育児漫画です
小4でウチの里子になったBOWも今は高1になりました

最終話は私からBOWに向けた個人的なメッセージです
家でやれやって感じですがw 本人に直接伝えるの恥ずかしいや~ん
BOWが見てくれるかどうかはわかりませんが 伝えたいことはただ1つ

私が見ているから大丈夫(^_^)v

BOWがウチに来るようになった小4の頃は BOWは自己肯定感の低い子でした
「できひん」「無理」「怖い」
やる前から決めつけて「やってみよう」とはしませんでした
絶対出来る超簡単なことでも 必死にできひんアピール
できひん方が職員さんに構ってもらえるのかな?
赤ちゃんアピールをすることで この子はこの子なりに一生懸命生きてきたんやな…
そんな風に感じました

そこで考え付いたのが『ミッションクリアゲーム』
ちょっとしたことをさせてクリアさせる ただそれだけのことです
電車の切符を買うミッション
地図を見ながら私を道案内するミッション
大きな荷物を持って歩くミッション
知らない人に喋りかけるミッション
何でもない普通のことですが 施設では体験させてあげるのは難しいのではと感じます

子育てで重要なのは『待つこと』

親がやった方が断然早い 親も忙しいから待ってられない
めーーーーっちゃわかります!
(ノД`)・゜・。
このご時世 カツカツのタイムスケジュールで生活している現代人にとって『待つ』というのは拷問に近い

私も息子が小さい頃は「早くして!」が口癖でした
でもBOWと遊ぶ時は1日中自由に使えるので 徹底的に待ったんです
絶対出来ることを頼んでも「できひん」と言って 私がしびれを切らして動くのを待つBOW
職員さんはお忙しいので待ってられない
「できひん」と言い続ければ逃げられるとわかっているのです

そうはさせるかー!こちとら絶対待つ!と覚悟を決めて挑んでるねん
私とBOWとでは覚悟が違うねんψ(`∇´)ψ

ここで注意点 
お任せしたのだから「間違い」をしても口出ししない
道を間違えていても 違う切符を買っても「そうじゃない」と止めないこと
間違えても良いんです(*^▽^*)
『やる』というミッションなので 目的は【間違えない】ことではなく『自分でやる』ということなんです
これは時間かかるで~(笑)
間違ってんのを黙って見ているのは 結構な忍耐力を要します
道案内を頼んだ時も 同じ道を何度も何度も通ったw
本人は地図を凝視するのに必死で 同じ道をグルグルしている事に気づきません
それでも「お散歩楽しいなあ♪」と後ろをついて行くだけ
やっとの思いで目的地が見えた時「あれやー!見つけたー!」とBOWが走り出しました
それはもう青春ドラマ並みの感動シーン
誰の手も借りずに目的地にゴールしたBOW
最初は「無理!絶対イヤ!できひん!」と断固拒否でしたが
ゴール後は「みよさん道わからんやろ?連れて行ったろか?」と急にイキり出しました(笑)
たかが道案内 されど道案内
BOWにとっては大冒険だったと思います

こうしたちょっとした成功体験を重ねる事で『自分は出来る』と自己肯定感を上げていく
それは生きる上でとっても大切な『自分を信じる力』になります

自分は出来ると自分を信じれたら…子どもは色々なことに『チャレンジ』して行けます

でもこのミッションクリアゲーム 小さい頃は1人ではダメなんです
宿題の様に指令を書いた紙を渡して「じゃあ頑張ってね」とほったらかしたらダメなんです
『頑張りをずっと見ている』
見守られながら頑張ってクリアすることに意味があるんです

ミッションクリアゲームなんて大げさな名前を書きましたが
赤ちゃんはみんなやってますよね?
やってみたい でもママから離れるのは怖い
ちょっとやってみた 転んで泣いてママにしがみつく
落ち着いたらまた少し離れる 転んでまたママの所へ帰って来る

そうやって ちょっとづつママとの距離が離れて ママとの時間も離れて行く
そうしてある一定の距離が離れたら 転んでもその場で立ち上がり 後ろを振り返って『ママが見ているか』確認して 
ママの所には帰って来ずに そこからまた少し離れる…

子育て中の親なら誰もが経験するこの一連の行為
この時に子どもは生きる力を育んでいるんです
この行為にはとても大切な意味があるんです

これを赤ちゃんの頃にしておかないと 体は大きく成長してもスタート地点から動けない子になってしまいます

親じゃなくてもいい 自分を見てくれている誰かが居ることで 人は1歩踏み出せます
上手く行かないことがあっても 自分を見てくれている誰かが居ることで また前を向くことが出来ます

私がBOWと出会った頃には もうBOWは大きくなっていたので「ミッションクリアゲーム」という形にしましたが
普通のご家庭では赤ちゃんの頃の「行ったり来たり」を大切にしてくださいね

子育ては『自分で生きていく力を付ける』こと
私が居なくても大丈夫な様にするのが目的です

だから 私は動きません

BOWがどんどん離れて行っても 私はずっとここに居ます
転んだら振り返って「おる?」と確認したらいい
私はここから見ています

だからBOW 大丈夫 行っといで

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