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忍者がアピールするには手裏剣が良いらしい


しゅっ!しゅっ!

たったった!

とりゃぁ!

さくら:ふぅ…こんなもんかな

わたしは忍者の遠藤さくら

わたしは先祖代々続いている忍者の家系

私たちの先祖は敵対する武将とか

政府の秘密とかを盗むタイプの忍者だったみたい

いつも朝は5時に起きて

修行というラジオ体操と忍者らしい動き?をして

それから学校へ向かう

周りには忍者ってバレないように

生活しています

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今日は1人でお散歩しています

やっぱりわたしは日陰が好き

だって明るかったらバレちゃうもんね

歩いていると

クラスの〇〇くんがいた

風が吹いていくほんの一瞬のように

さくら:あっ…!〇〇くんだっ…!

ドキッ…!

さくら:んっ…!?なに今の!?

わたしの胸は何かを感じたんだ

〇〇くんが歩いていただけなのに…

〇〇くんクラスの中では大人しいタイプ

だけどふざけるときは全力でふざけるし

誰にでも優しい子

別に特別仲が良いわけではない

暇なときに喋るくらい

さくら:べ、別になんとも思ってないのに…

その日はいつもとは違う胸の鼓動に

動揺してしまった


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翌日の学校

〇〇:おはよう

さくら:お、おはよう…!

いきなり話しかけてきた〇〇くんに

びっくりしてしまう

〇〇:遠藤さんなんか顔が赤いよ?

さくら:え…!?

さくら:顔赤いの…?

〇〇:うん熱でもある?

〇〇:ちょっとおでこいい? ピタッ

〇〇:え…?熱いよ?

〇〇:大丈夫?

さくら:う、うん!大丈夫!

〇〇:ほんとに?いつでも言ってね保健室連れて行ってあげるからね

遠藤さくら今すごいドキドキしてます

きっとこれはこの前の胸の違和感が残っているだけ

さくら:いきなりおでこなんか触ってくるからだよね…?

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学校から帰って相談してみたら

母:あぁ…それは恋だわ!

父:おぉさくらにも好きな人ができたか!

父:嬉しいなぁ!

さくら:もうお父さん!

父:あははごめんな

母:そういえばさくらに言ってなかったことがあったわね

急に真面目なトーンに

母:私たちは忍者の家系でしょ?

さくら:うん、そうだね

母:さくらはその男の子ともっと仲良くなったり

母:お付き合いとかしてみたい?

さくら:えぇ…付き合うとかは分からないけど…

さくら:もっと仲良くなりたいかも…

母:じゃあ言っておくかな

母:これは練習が必要なんだけど

母:これが決まればその男の子とはもっと仲良くなれる

母:この忍者の家系に受け継がれてる術を教えてあげる

さくら:え!?なにそれ?そんなのがあるの!?

母:そうよ

さくら:術なんてあるんだ…

母:舐めないでさくらこの家系は室町時代から続いているのよ

さくら:ごめんなさい

母:分かればいいのよ

母:それはいいとして

母:この術は何回も練習しておかないと上手に出来ないの

母:じゃあそのやり方を説明するわね

母:まず唇をつきだして

母:その唇に右手を置いて

さくら:こう…?

母:そうよ

母:そのままその手を相手のいる方向に投げるように飛ばすの

ひょろひょろ…とてっ…

母:今さくらが飛ばしたのひょろひょろ落ちていったのは見えた?

さくら:うん、見えたよ

母:これは手裏剣なの

母:そして愛を表してるの

さくら:愛…?

母:そうよさくらの愛が大きいほど真っ直ぐ飛ぶし

母:彼のことを思えば当たりやすくなるわ

母:それが地面に落ちずに彼のハートに当たればもっと仲良くなれるわ

母:これはねキスの手裏剣っていうの

さくら:キスの手裏剣…

母:まぁ…術っていうものじゃないかもしれないけどね

母:お母さんはこれでお父さんをメロメロにさせたのよ

母:ね?お父さん?

父:そうだぞ急にお母さんのことが頭から離れなくなって

父:気づいたら好きになってたんだ

父:まぁその前からお母さんのことは好きだったんだけどな

父:あっはっは!

母:まぁ当てれるように隠れて彼にやってみなさい

さくら:わかった!ありがとうお母さん!

父:さくら頑張れよ!

さくら:うん!お父さんもありがとう!

父:…さくらにもきたんだなぁ

母:早いわね…

父:いつ連れて来てくれるかな楽しみだねお母さん

母:でもあれはキスの手裏剣とか術とかじゃなくてただの投げキッスなんだけどね

父:お母さんも悪だねぇ

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今日もお散歩に来ていた

公園には

さくら:あっ…〇〇くんだっ…

緑の木々の下のベンチ

さくら:誰かを待ってるのかな…?

女の子との待ち合わせ…?

彼女いるのかな…

さくら:〇〇くんにハート奪われそうだよ…

さくら:盗む側なのに…

なんか〇〇くんと他の女の子が喋ってるの見たくないな…

さくら:あっ…!お母さんが言ってたな

さくら:キスの手裏剣だっけ?

お母さんはお父さんのことメロメロにしたって言ってたけど

できるかな?やってみよう

さくら:ん〜っと…

右手を唇に置いて飛ばすように!

さくら:あれ…?

さくら:飛ばない…

練習が足りないと飛ばないって言ってたよね

さくら:後は…〇〇くんのことをもっと思ったら飛んでくれるんだっけ…?

ん〜じゃあ〇〇くんと一緒に学校に行きたい…!

さくら:飛ばないなぁ…

もっとお話ししたい!

ひょろひょろ

さくら:あっ!でもまだ足りない

じゃあ…

毎日〇〇くんの顔を見たい!

シュッ!

さくら:と、飛んだ…!

待って…こんなの口に出せないよぉ…!

さくら:隠さないと…爆発しちゃう…

いつか届くといいなぁ


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今日も公園で〇〇くんを見つけて

手裏剣を当てようと試みていたら

いきなり強い日差しが

ピカッ!

眩しくて目を閉じていたら

いつもとは違う誰かに見られてるような

ただならぬ気配を感じた

もしかして気づかれた!?

隠れてやってたのに…

こんなところ〇〇くんが見ても曲者だと思うだけ

だから分からないよね…?

〇〇:こんにちは遠藤さん

さくら:へぇ!?ま、〇〇くんっ!?

〇〇:さっきから

〇〇:ずっと投げキッスしてない?

さくら:へぇ!?み、見られてたの!?

〇〇:そうだよ気づいてから可愛すぎてずっと見てちゃった

さくら:か、可愛い…!?

〇〇:うん、遠藤さん可愛いよ

さくら:えぇ…!?

〇〇:ねぇ時間ある?

さくら:今…?

〇〇:そうあったら一緒におしゃべりでもお散歩でもしたいなって

さくら:うん!あるよ!

〇〇:じゃあ座っておしゃべりしよっか

〇〇:遠藤さんは日陰にいるけど日陰の方が好きなの?

さくら:そうだよ日陰の方が暗くて落ち着くんだ

〇〇:僕はね日向の方が好きだな

さくら:そうなの?

〇〇:だって明るい方が遠藤さんの可愛い顔が見えるからね

さくら:ねぇ…恥ずかしいよ…

〇〇:ふふ…可愛いね

〇〇:あっ…!

〇〇:さっきのさ投げキッスは何だったの?

さくら:え!?あれは…命中させるため…?

さくら:もっと先に進めるように

さくら:深くなれるようにみたいな…

〇〇:ん〜分かんないけど可愛かったよ

さくら:もう…〇〇くん…恥ずかしい…

さくら:もう見ないでよ…!

〇〇:ん〜遠藤さん可愛いからまた見ちゃうかも!

さくら:ねぇやめてよ…!

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寝る前


さくら:あぁ…〇〇くんに可愛いって言われちゃった!

さくら:もう…手裏剣なんて飛ばしてないで

さくら:勇気を出しておしゃべりしてれば良かったのかなぁ…?

もう〇〇くんのこと好きじゃん…!

さくら:わたし…〇〇くんのこと好きなんだ…!

さくら:もうキスの手裏剣はやめよう

さくら:もっと勇気出して話かけてみようかな

さくら:キスの手裏剣は最終手段にして唇は封印!

さくら:術に頼って〇〇くんに好きになって貰いたくなし…

さくら:〇〇くんにもっとわたしを知って貰いたい

さくら:明日からがんばろう…!

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学校

さくら:ま、〇〇くんっ…!おはよう…!

〇〇:あ、おはよう!遠藤さん!

〇〇:どうしたの?遠藤さんから挨拶って珍しいね

さくら:この前公園でお話ししてもっと仲良くなりたいなって思ったから…

さくら:ダメだったかな…?

〇〇:全然ダメじゃないよ

〇〇:もっと仲良くなろう僕も遠藤さんと仲良くなりたいよ

さくら:えへへ…

〇〇:可愛い…ボソッ

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それから毎日お話しをしたり

〇〇:遠藤さんって毎朝ラジオ体操してるんだね

さくら:そうだよ毎朝5時起きだよ

〇〇:えぇ!?早っ!

一緒に学校に行ったり

〇〇:おはよう

さくら:はぁ…今日寝坊しちゃった…

〇〇:え…?何時に起きたの?

さくら:6時だよ

〇〇:十分早いじゃん

さくら:ラジオ体操ができないの!!

さくら:時間は有限なの!

毎日〇〇くんの顔を見るようになった

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ある日の放課後

〇〇:ねぇ遠藤さん?

〇〇:あの公園行かない?

さくら:公園?いいよ

〇〇:じゃあこの前お話しした場所で喋ろうか

なんでいきなり公園に?

〇〇:遠藤さん…真剣の話なんだけど…

え?ど、どうしたの…?

もう仲良くするのやめようとか言わないよね…

〇〇:ふぅ…

〇〇:僕は遠藤さんが好きです!

〇〇:付き合ってください!

さくら:え…!?

〇〇:返事は別に今じゃなくてもいいけど…

さくら:よ、よろしくお願いします!

〇〇:ほ、ほんとに…!ありがとう遠藤さん!

さくら:さくら…さくらにしよ…?

〇〇:ありがとう!さ、さくら…!

さくら:ふふ…嬉しい…

さくら:わたしもずっと好きだったの…公園でお話しした日よりも前から…

さくら:実はあの投げキッスみたいのは〇〇くんに向けてたんだよ?

さくら:だけどわたしの気持ちには気付けなかったでしょ?

〇〇:うん確かに何してるんだろうとは思ったけど

〇〇:多分その投げキッスを見たときには既に僕のハートに命中してたよ

〇〇:次はエアーじゃなくて

チュッ…

さくら:…!?

〇〇:これからは投げないでね

〇〇:僕が優しくさくらに届けてあげるから

さくら:〇〇くん…好きっ…

さくら:もっと好きになっちゃう…

〇〇:ふふ…お互いもっと好きになってこうね?


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おまけ



さくら:お母さん…?紹介するね彼氏の〇〇くん

〇〇:こんにちは〇〇ですさくらさんとお付き合いさせてもらってます

母:あら!ようやく付き合ったのね!

母:今日はご馳走にしないと!

母:〇〇くん一緒にご飯食べて行きな!

母:あ!ちなみにさくらに教えたキスの手裏剣

母:あれ特に効果はないのよ只の投げキッスよ

さくら:え!?

父:お父さんはお母さんの普通の投げキッスにやられたんだ

父:あっはっは!

さくら:あぁ…恥ずかしい!恥ずかしい!

〇〇:慌ててるさくら…かわいい



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