見出し画像

あざと女子にやり返してみました…



最近あざと女子に絡まれるんです…

朝の学校

僕の席の隣はまだ来ていない

登校のチャイムが鳴るまであと17分

少し来るのが早かったかと考えていると

美空:みんなおはよ〜っ

とドアの方から女子の声

その挨拶にこれでもか元気良く返し

朝から見惚れる男子たちの構図

が出来上がっている

その状況を一瞬たりとも見ない

僕の肩をさりげなく触り

美空:〇〇くんお〜はよっ♡

と個別に挨拶してくる

隣の席の一ノ瀬美空だ

〇〇:はい、おはよう

と流れ作業みたいに返す

毎日のように

こんな挨拶をされてるんですよね

美空:も〜!

美空:もっと真剣に美空の目をちゃ~んと見て!

〇〇:なんでさ

美空:だって〜〇〇くんは隣だもん!

〇〇:関係ないね

〇〇:サッカーのプレー集見てるんだから

美空:サッカーよりも美空を見てよ〜!

〇〇:他の人に見てもらいなさいよ

美空:い・や・だ・ね♡!

美空:〇〇くんに見てもらいたいの〜!

こんな風にあざと女子の一ノ瀬さんに絡まれる

〇〇:……

美空:無視しないでっ!

〇〇:……

美空:美空もサッカー見た〜い!

美空:見せて〜!

顔をすぐ近くに持ってくる

〇〇:近いっ!

振り向くとすぐ目の前に顔が

一瞬ビックリした顔から

満面の笑みで笑う

美空:ようやく喋ってくれた〜!

美空:もう!無視するなよ〜

美空:このこのっ!

ツンツン

〇〇:やめい!ほっぺツンツンしない!

美空:〇〇くんにしかこんなことしないんだからねっ!

〇〇:そうかいそうかい

美空:も〜冷たい〜っ!



といった感じであざとい

勘違いさせようとしているのか

それともただ遊んでいるのか

どちらにせよ

意識はしてしまう

そっけなく振る舞ってはみるけどドキドキは止まらない

他の人への対応を見ると

美空:へ〜そうなんだ!

美空:それはすごいね!

美空:今度の試合応援に行っちゃおうかな〜!

ボディタッチはしないし

喋り方は変わんないけど

〇〇くんしか

とか

〇〇くんに

みたいな特別扱いする言葉は聞こえない

前どうしてこんなことするのかと聞くと

美空:〇〇くんの反応が可愛いからっ!

と言われた

どうすればいいのか…



休み時間

先ほど他のクラスメイトと話していた一ノ瀬さんが

席に戻ってきた

美空:〇〇くん美空のこと見てたでしょ〜

〇〇:見てないよ

美空:話聞いてたんでしょ?

〇〇:聞いてないよ

美空:他の男の子の試合応援しに行っちゃおうかな〜

美空:どうしよっかな〜

美空:〇〇くんはどうして欲しい〜?

〇〇:応援したいなら行きなよ

美空:もう!なんでそんな興味無いの!

美空:美空は〇〇くんに興味津々なのに!

〇〇:分かったから

美空:もう〜!

美空:あ、聞いてよ!

〇〇:なに?

美空:今日の夢にね!〇〇くんが出てきたの!

美空:す〜っごいカッコよかったんだよ!

美空:美空のこと壁ドンしてさ!

美空:俺以外見るなよ…

美空:って!

美空:も〜キュンキュンしちゃった〜!

〇〇:……

美空:え?照れてる?

〇〇:そんな夢見るなよ!

〇〇:恥ずかしいわ!

美空:照れてる〇〇くん可愛い〜

〇〇:からかうなよ…!

美空:〇〇くんと喋るのは楽しいな〜

美空:時間が早く進んじゃう!

美空:〇〇くんと付き合ったら楽しそうだな〜…

〇〇:変なこと言うなよ…!

美空:ふふ…

美空:動揺してる〜!



こんなことをされた僕は決めた

やり返そうと

一ノ瀬さんがその気ならこっちだって

ということで

勇気をだしドキドキさせようと決心した


数日過ぎ

その間もあざと攻撃は続いた

今日は反撃をする日

絶対にやり返す



いつも通りな朝

美空:〇〇くんお〜はよっ♡!

と挨拶をしてくる一ノ瀬さんに

スイッチを入れ

〇〇:おはよう!美空!

と人を変え

いきなり踏み込んだ挨拶をお見舞い

美空:え…?

〇〇:ん?どうしたの美空?

美空:な、名前で呼ばれてる…

美空:しかも下…

驚きを隠せず固まった美空に

グイッと近づき

〇〇:どうしたの?

〇〇:体調悪い?

美空:あ…

美空:ちょっ…〇〇くん…

美空:ち…近い…

どうやら自分がやられるのには耐性がないようだ

〇〇:照れてる?

美空:照れてないっ!

〇〇:美空は今日も可愛いね

美空:…っ!!

美空:……

反応が帰ってこない

〇〇:おーい

〇〇:美空〜?一ノ瀬さ〜ん?

〇〇:ショートしちゃった?

〇〇:でもいつもこれくらいやってくるけどなぁ



休み時間に

他の女の子と喋っていると

一ノ瀬さんとパチっと目が合った

ニコッと笑ってみる

授業が始まるので席へ戻った

〇〇:ねぇねぇさっき僕のこと見てたでしょ?

美空:み、見てないよ

〇〇:え〜?でもバッチリ目が合ったよ?

〇〇:それでも?

美空:それでも!

美空:で、でもさ!

美空:〇〇くんもさ目が合ったってことは美空のこと見てたんでしょ!

主導権を握ろうと抵抗してくる美空

すかさず

〇〇:そうだよ美空の顔が見たくなっちゃってさ…

美空:えっ…!

〇〇:ダメだったかな…?

美空:だ、ダメじゃないけど…

〇〇:ありがとう!

〇〇:やっぱ美空だね!

〇〇:美空しか勝たん!

美空:ねぇ…!

美空:恥ずかしい…!

〇〇:恥ずかしくないよ?

〇〇:美空はかわいんだから!

美空:っっっ…!

美空:もう…!

美空:なんで…そんなことばっかり言うの…!

〇〇:美空がかわいいからかな?

美空:っっ…!

美空:それ…!

美空:絶対に他の子に言ったらダメだからね…!!

〇〇:なんで?

美空:ダメなんだからっ…!



こんなやり取りをしていると授業が始まった

自分もこんなキャラじゃないから

すごい疲れてしまい

いつの間にか放課後になってしまった



〇〇:あぁもう放課後か…

今日は一ノ瀬さんに十分仕返しできたし

満足かなぁ

〇〇:よっしゃ帰ろ

と教室を出ようとしたとき

美空:〇〇くん!

と行く手を阻む一ノ瀬さん

〇〇:ん?

〇〇:どうしたの?

美空:なんなの!

美空:〇〇くん!

美空:何がしたいの!?

美空:美空のことを動揺させて何がしたいの!

壁際へジリジリと距離を縮め

2人の距離はほぼない

美空:ねぇ?

美空:美空は〇〇くんをそんな子に育てた覚えはないよ?

美空:正直に言って

美空:何がしたいの?

なぜかこの状況にスイッチが入り

美空を捕まえ回転

〇〇が逆に美空を壁際に追い込む形になった

美空:あ…

美空:え…?

美空:何…してるの…?

〇〇:僕は美空がかわい過ぎるから

〇〇:他の男子に取られたくなくて…

〇〇:いっぱいかわいいって言ったら

〇〇:他の男子の試合に応援行ったりしないで

〇〇:僕だけ見てくれるかなって思って…

ドンッ!

〇〇:僕以外見るなよ…!

美空:ふぇぇ…!

美空:……

〇〇:あれっ…?

〇〇:大丈夫?

〇〇:一ノ瀬さん?

〇〇:お〜い?

美空:もう…好き…

美空:〇〇くんしゅきぃ…

美空:付き合おう…

〇〇:え!?

〇〇:やばい!壁ドンしてた!!

〇〇:ちょっ…

美空:〇〇くん好きぃ…!

美空:結婚…しよう…?

美空:もう…〇〇くんしか見えないよぉ…!

〇〇:一ノ瀬さん!?

〇〇:やばっ…!

〇〇:やり過ぎた!!


やり返し過ぎて次の日からあざと女子は

デレデレ彼女になりましたとさ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?