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【炎上覚悟】プレイインは廃止すべき?

21-22プレイイン総括

現在2022年4月16日14時17分、今年のプレイイン(以下:PI)が終了しました。プレイオフ(以下:PO)進出を決めたのは西MIN/NOP東BKN/ATLです!4チームの選手、そしてファンの皆さん、おめでとうございます!敗退したチームも素晴らしい健闘を見せてくれました。来シーズンの躍進に期待ですね!

PIは撤廃すべき?

PI、今年も非常に熱かったですね!アンチを黙らせたカイリー、べバリーの闘争心、トレイ・ヤングの圧倒的な攻撃力、ペリカンズ若手軍団の躍動…などなど見所が沢山ありました。そんな大盛り上がりのPIでしたが、一方で「廃止すべきでは?」という否定的な意見も多いんです。NBAファンの性で、僕は今年も去年もPIに熱狂しました。しかし、ややPIに対して懐疑的な見方をしているのも事実です。
今回はPIは廃止すべきなのか、それとも続行するべきなのか、様々な意見を紹介してうえで皆さんと考えていきたいと思います。

まず、PIに対する賛否両方の意見をまとめて見てみましょう。

PIに賛成の意見

①シーズン終盤の活性化
NBAはかねてからのシーズン終盤の試合の脱力感を問題視していました。従来のシーズンでは上位チームはPOに向けて主力を休ませ、下位チームはタンクをするようになるでしょう。PIはこの脱力感に効果的に働くと考えられています。

②「敗者復活」の人気
皆さんは年末のM1グランプリはお好きですか?僕は大好きで毎年のように見ているのですが、夕方から放送される「敗者復活戦」が本戦と同じぐらい面白く感じます。リーグが求めていることは、まさに”それ”なんです。

③若手スターのメディア露出の場
基本的にNBAはドラフトの仕組みから、下位チームに若手のスターが集まります。そもそもリーグがPIを始めようとしたのも、下位に沈んでいたNOPのザイオンをPOに進ませるため(視聴率アップのため)と言っても過言ではないでしょう。このような利益ファーストな思惑は批判されるべきではありますが、数多くある貧乏なスモールマーケットチームにとってPIは救済になり得ます。僕は今年のPIに出場したスパーズのファンなのですが、実際に楽天NBAのコメント欄には普段は見ないような他チームのファンが多く見受けられました。日本のような小さなコミュニティですらこの状況です。実際の集客効果やチームの看板選手の認知度は跳ね上がることでしょう。そして、これが最終的にリーグの実力の均等化や全体的な活性化につながると考えられます。

PIに反対の意見

①シーズンを7位で終えたチーム
特に今年のウルブズはPIの被害者と言っても良いでしょう。今年のウルブズはシーズンを7位で終え、8位のLACに4ゲームもの差を付けています。10位のスパーズに対しては12ゲームです。結果的にPO進出を決めたので良かったですが、もしPO進出を逃していたらMINの選手とファンはどこに気持ちをぶつければ良かったのでしょうか?

②選手の怪我のリスク
NBAファンと選手にとって最も悲しいことはなんでしょうか。ロードマネジメント?退団?くそみたいなターンオーバー?どれも違います。それは選手の怪我です。PIはシーズン終盤の活性化をもたらす一方で、プレイヤー(特にスター)の怪我のリスクを高めます。
もともと「シーズン82試合は多すぎる」とレブロンを始め多くの選手がリーグを批判していましたが、PIによって更に「休めない状況」が増えてしまいました。これは怪我のリスクが増えるだけでなく、返ってスターの慢性的なロードマネジメントを招くことになるのではないでしょうか?
私がPIに対して懐疑的なのも、これが大きな理由です。断言できますが、選手の目線に立つとPIにメリットはほとんどありません。

PIへの賛否両方の意見はおおまかに見てこのようになっています。しかし、これらはあくまで「意見」でしかありません。次からはPIの試合が実際にどのような内容になっているのかを見ていきましょう。

PIは会議室で起きてるんじゃない

これまで客観的なPIに関する”極めて正しい意見しかない賛否両論”を見てきました。しかし、敢えて言わせていただきます。PIは会議室で起きてるんじゃない、会場で起きているんです。正直、NBAのエンターテインメント的な側面において、これらの客観的な意見の価値はクソ以下です。

嘘です。言いすぎました。もちろん価値は大いにあります。ですが、これらPIに関する議論は客観的な意見よりも「1NBAファン」としての主観的な意見の方が大事なのではないかと僕は考えています。ここからは僕の極めて主観的な意見を書き連ねていこうと思います。

PIが始まってから2年、全部で12試合行われています。そのうち得点差10点以内の試合は以下の8試合です。

一番大きな点差で⑥の10点差。それ以外は接戦を超えた超接戦になっています。ちなみに僕はスパーズファンなので⑥の試合を実際に見ています。試合内容としては点差が離れたら巻き返し、また離れて巻き返して…と単なる「10点差付いた試合」ではありませんでした。

どうでしょうか、超単純で頭の悪い意見かもしれません。しかし、12試合中8試合、PIという逼迫した状況がNBAファンの大好物である接戦を演出しているのは紛れもない事実です

PIは「POの濃縮還元」です。一試合に全力をかけ、普段は余裕を持ってスカしている選手も必死にプレイします。そして何より「天才たちの全力」は私たちの想像を簡単に超えてきます。今日だけでもヤングの後半の大量得点やイングラムのクラッチ、ホセ・アルバラード/トレイ・マーフィーの急成長など例を挙げればきりがありません。去年のレブロンのクラッチスリーには度肝を抜かされました。

皆さんがNBAを見ている根本的な理由は何ですか?それはNBAという世界最高峰のバスケ選手たちが集まる異次元のプレイを見て、思わず熱狂してしまうからではないでしょうか?バスケットボールという競技に魅了されているからではないでしょうか?その根本があって好きな選手/チームができたのではないでしょうか?

僕はPIに対しては懐疑的な見方をしています。それは事実です。そして様々な否定的な意見があることを理解しています。そのうえで言わせていただきます。僕はPIを廃止するべきだとは一切思いません。理由は単純です。だってPI、死ぬほど面白いじゃないですか。
僕はほとんど決まりきったようなPOシリーズより、PIの方が何倍も面白いと感じました。面白いから、僕はNBAを見ているんです。

PIはファンの盛り上がり、選手たちが全力でプレイする姿勢、どこを切り取っても僕たちが見たい「理想の試合」を演出します。そんな「理想の試合」を演出するPIを廃止するのは勿体ない以外に何が言えるでしょうか。

NBAが本当に行うべきこととは?

そうは言ってもPIに対する否定的な意見はどれも的を得ています。では、NBAが本当に行うべきこととはなんなのでしょうか?それはシーズンの短縮だと僕は考えます。先ほども述べましたが、PIへの反対意見の一つに「選手の怪我のリスクが高まること」があります。しかし、シーズンが短縮されれば当然怪我のリスクは低下します。選手はロードマネジメントをする必要もありません。せっかく生観戦しに来たのにスターがいない試合を観るはめになることはなくなるんです。

僕がNBAに求めている根本は今日のPIのような「理想の試合」です。「冗長化した82試合」よりも、「理想の50試合」を見たいのです。

現在のPIに批判の余地があるのは確かです。そうでないと今年のウルブズのようなチームが浮かばれません。しかし、やり方はあるはずです。簡単に「廃止」を叫ぶのではなく、「改善」の道を考えるべきだと僕は思います。

みなさんはどのように考えますか?引用リツイートやコメントでぜひ教えてください!

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