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閃光

某県は某所にある、「フロンガスとメタンガスをアレして物凄いガスを生成する工場」にて、同社社員の堀ノ内 健隙(36)が陰部を切り取られた状態で遺体で発見されるという凄惨な事件が発生した。

注目すべきは、陰部が切り取られたらことにあらず、何と切り取られた陰部が解剖の結果、毒ウーパールーパーの四千倍に相当する猛毒を含んだ、毒チンコであることが判明したのだ。

堀ノ内が何故、毒チンコ保有者であったのか、警察は母親である堀ノ内 パペピ(75)に聴取を行ったが、「満足させられるとは存じませんが、口でなら良いですよ。」の一点張りで一行に話を聞き出すことができなかった。

次に、警察は同僚複数人に対して、聴取を行ったのだが、皆、ボディランゲージを見せつけるばかりで「お腹減った」くらいしか意味を理解することができなかった。

警察には国民からの非難が集中した。
世間が毒チンコに敏感となっている今、この事件が解決に至らないことに国民は苛立ちを覚えたのだ。

事件発生から十四日後、事態は最悪な方向へと向かう。

工場内の休憩所にあるゴミ箱より、堀ノ内のモノと思われる二本目の毒チンコが発見されたのだ。

ダブル毒チンコ保有者となると、政府からの保護対象となり、謂わば「日本政府要人」となるわけである。

警察は、国家を巻き込んだ大事件であることを認め、政府に対しても、事件が解決に至らなければ、みんなでゴメンしますとの、異例とも取れる声明を出した。

背水の陣で臨む警察の姿勢に、白瀧の如くピロピロした国民からの非難と喝采が入り交じり、いやいや日本が二本の毒チンコと共に揺れだしたとなった時、
事件は意外な結末を迎える。

内閣のちょっと偉い人である、大荘厳 森萬田(59)が堀ノ内を殺害し、ダブル毒チンコを切り取って捨てたとVineで供述したのだ。

大荘厳は
「堀ノ内のような奴が要人だということを、他の国に説明するのが嫌だった。
アメリカに『ホリノウチ、ダブルポイズンペニス、インポータント』と言うと笑われて嫌だったから。」
と語った。

大荘厳は死刑となった。

事件を振り返り、当時の警察署長岡安 人兵(85)は、「満足させられるとは存じませんが、口でなら良いですよ。」と静かに語った。

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