放射線の生体作用

放射線が生き物にもたらす作用には直接作用間接作用があります。
どっちの作用でも生き物を構成する細胞が傷ついてしまうことで放射線の影響が現れます。

直接作用は放射線が細胞のDNA🧬に直接的に働いて、DNAの構造を変化させる作用です。
DNAは生き物の筋肉や臓器をつくるタンパク質の設計図のような役割をしています。
放射線を照射されたDNAは設計図を書き換えられてしまい、本来作るはずのものとは異なるタンパク質をつくってしまいます。
また、細胞が癌化することもあります。

間接作用は放射線が体の水分と反応して起こる反応です。
生き物の体は約60%は水でできています。
放射線は物質を電離させる作用(物質を+のイオンと−のイオンに分ける)を持っているため、水分に照射されると水が電離します。
水が電離するとフリーラジカルという有害な物質が発生します。
このフリーラジカルはとても不安定な物質でDNAや細胞内の他の成分と結合しようとします。
フリーラジカルに結合されると、正常な構造が変化してしまい、正しく機能しなくなってしまいます。
つまり、放射線によって生じたフリーラジカルが細胞を傷つけるのが間接作用です。

放射線の作用は細胞を傷つけることに変わりはないのですが、がん細胞だけに放射線を当てることができれば、治療にも使うことができるので、正しく使うことが大切になります。

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