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獣医学部3年生(実習編 前半)

獣医学部の3年生で行う実習について記事にしていきます!
私の大学で前期に行われた実習を前半としています。
他の大学でもやる時期に大差はないと思いますが、ご参考までに😄

3年生は2年生の時に比べると少し楽ですが、それでもしっかりとした実習レポートを出さないといけなかったのでそれなりに大変でした😅
3年生前期では公衆衛生学実習と寄生虫学実習、毒性学実習がありました。
2年生までは基礎科目の実習でしたが、3年生では基礎から少し発展した内容の実習をやります。
今回も科目ごとに分けて書いていきたいと思います!

公衆衛生学実習

公衆衛生は、共同社会の組織的な努力を通じて、疾病を予防し、寿命を
延長し、身体的・精神的健康と能率の増進をはかる科学・技術である。
ウィンスローによる定義(1949年)

これが公衆衛生の定義です。
これだけ言われてもいまいちわからないですよね😅
簡単に言えばみんなと協力して社会全体の健康を目指しましょう!ということです^_^

さて、前置きが長くなりましたが、実習の内容に入っていきます。
公衆衛生実習という名前ですが、やることとしては2年生でやった微生物学実習の延長のようなものでした。公衆衛生上問題になってくるのはやはりウイルスや細菌などの病原体が多いので、実習で扱うのもこれらの病原体でした。
ただ、一つの病原体に対してかなり深掘って勉強しました。

1番印象に残っているのは狂犬病の実験です。
狂犬病は犬を飼っている方なら知っている方も多いと思います。
感染して発症すると致死率100%のとても恐ろしい病気です🤢
いくら獣医学生といえ、ウイルスの扱いに関しては素人です。人に感染してはまずいので、実習ではワクチン用に使われる病原性の弱い株を用いました。
実験としては狂犬病に感染したマウスから脳をとってきて、ウイルス診断をするというものでした。
まず、脳を取り出すためにマウスの安楽殺を行います。確か、この時初めて頚椎脱臼を経験しました。頚椎脱臼というのは首の骨を外すことで殺す安楽殺方法です。机に首を押し付けて尻尾を引っ張ることで首の骨を脱臼させるのですが、押さえつけている方の手に骨が外れる妙な感覚がしてなんとも言えない気持ちになったのを覚えています。
安楽殺したら頭蓋骨を割っていき、脳を取り出します。
それで、取り出した脳🧠をすりつぶして色んな薬品を加え、pcr検査にかけたり、蛍光抗体法というウイルスを光らせる手法を通して、狂犬病ウイルスの診断を行いました。


寄生虫学実習

寄生虫学実習では寄生虫の観察を行います。寄生虫🪱の肉眼像だけではなく、顕微鏡で見たり、卵の観察もしました。
他にも動物の糞💩から寄生虫の卵を抽出するという作業もやりました。
寄生虫といっても、色々種類がいてフィラリアのような目に見えるものもあれば、原虫という非常に小さな虫もいます。原虫の一つにサルコシスティスというものがいますが、これは筋肉に寄生するので、筋肉内に虫が寄生している様子を顕微鏡で観察したりしました。
他にも、寄生虫の媒介に貝やダニが関わっていることもあるので、これらの種類を決める作業もやりました。


毒性学実習

毒性学実習は毒物の効能をみる実習です。
フグ毒で有名なテトロドトキシンを用いた実習もありました。
テトロドトキシンの実験ではカエルの筋肉を使ってテトロドトキシンがある状態で筋肉を刺激するとどうなるのかを確認しました。
このような生体に作用する物質を用いた実験で重要になってくるのが結果を予測することです。毒物の作用を知っていればある程度、結果の予測ができるので事前に調べておいて実験が順調に行っているかを確認することが肝になってきます。誤操作などで全然違う結果が出てるのに、実験を進めても、何にも意味がないですからね😅
テトロドトキシンの話に戻りますが、テトロドトキシンは神経の情報伝達を阻害するので、筋肉に作用させると神経から筋肉に対する収縮しろっ!という命令が届かなくなります。その結果、刺激を加えても筋肉の収縮が起きなくなるのです。

このように毒性学実習は薬理学や生理学のような理論的な要素が結構多くありました。薬の作用がわからないと全く訳のわからないことをやってる実習になってしまいますが、結果を予測しながら取り組んで、予想どおりの結果が出たときは少し嬉しい気分になります☺️
これが実験をやる醍醐味なのかもしれませんね笑

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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