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薬局薬剤師の私①

私の薬剤師としての15年間は、
在宅医療がすべての中心にありました。


回想してみます


私が新人だった2005年頃
まだ在宅医療に携わる薬局はごく僅かでした

そんなごく僅かな薬局に、私は大学4年生で薬局実習させてもらえました。2004年のことです

当時は2週間の実習期間でしたが、そのk薬局では多くの個人宅患者さんを担当しており、私は1日おきくらいに、在宅訪問指導に同行させてもらえました。

初めて伺ったのは、薬局近くの個人宅
一人暮らしの高齢女性と、介護のキーパーソンだった娘さんがいました。
先輩薬剤師が、ラコールと粉砕した定期薬について説明し、雑談のように体調のこと伺ったり、他愛もない話をしていました。

在宅医療の現場を見学して、

「在宅医療は必須!」
と、直感的に心が動いていました。

どういうところに惹かれた?というのは説明できませんが、
ちょっと運命的な出会い…というのは大げさですが、それに近い感覚だった記憶はあります。
直感です。

と、同時に
指導薬剤師の方が、とてもフランクに患者本人や家族と接していて、高いコミュニケーション能力がないとできない仕事だとも感じました。

サービス業だけど、コミュニケーションは苦手。
薬剤師は私を含めて、そんな人、少なくはないです。

結局、実習でお世話になった小規模会社k薬局ではなく、私は東海地方では大手チェーンのa薬局(株)に就職しました。
総合病院の門前薬局が多いチェーンなら、知識がつみあがり、経験を多数できて、自分の薬剤師としての基礎を確かなものにしたかったからです。

「在宅医療?うちではやってません」
a薬局の面接時に、人事担当者にはっきりと言われました。 
ムカつきました(笑)

私は薬剤師の基礎を作ったら、在宅医療をやりたい。その頃には、きっと在宅医療をやれる機会はくるはず!
「石の上にも3年」
最低でも3年はa薬局を辞めないことを誓い、様々な科の処方せんと向き合ってきました。

a薬局の研修はとても有益でした。
薬剤師としての知識分野だけでなく、年次ごとにマネジメント研修があって、スタッフ間や患者さんとのコミュニケーションが円滑になりました。仕事上で、人と話すことに緊張感がなくなっていきました。

年月はあっという間に流れ

2010年前後、在宅医療を受け入れる薬局が増えてきて、a社でも複数店舗で在宅医療を始めました。

そして、入社6年目に異動した店舗で、ついに在宅訪問指導をすることになりました。

薬局長の上司にあたるマネージャーから、
「在宅やりたかったんだよね?2~3年くらい経験をつんでみようか」
と、激励の言葉もいただきました。

これまで激務続きでつらいところもありましたが、薬剤師としての基礎は固まったと言って良い
頑張りが報われたんだなと思った矢先…

(つづく)


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