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チャーハンこわい

町で若者の寄り合いがありました。次から次へ恐いものを言い合いました。

「おれは蛇が恐い。あの動き方が嫌だ。」
「おれは狸が恐い。お化けに姿を変えるから。」
「おれはクモだ。クモの巣はねばねばする。」
「おれはコウモリだ。夜飛びやがる。」
「おれは毛虫だ。葉っぱの裏に隠れていやがる。」
「おれはアリだ。一列になって動きやがる。」


みんな恐い物を話す中で一人だけ黙っているものがいました。

モツハプニング 「おい、たっくん。恐いものはないのかい。」

たっくん 「恐い? 恐いもんなんか何もないよ。」


ラブランナーとよ「蛇もクモもお化けも恐くないんかい。」


たっくん 「そんなものは恐くないよ。」


「たぬき?お化けが出たら、料理して、洗ってきれいにしてやらあ。」
「クモ?納豆に混ぜてかき回してやらあ。」
「コウモリ?傘にしてやらあ。」
「毛虫?棒をさして歯ブラシにしてやらあ。」


と突然話すのを止めてしまった。


ひろとハプニング「どうしたんだい。」


たっくん 「恐いものを思い出しちゃった。」


青山ともや 「それはなんだい。ぜひ教えてくれよ。」


たっくん 「チャ、チャーハンが恐い。」


ひろとハプニング「チャーハン?そりゃどういう事だい。」


たっくん「あの卵を纏わした、火で味付けするアレ、ああ思い出しただけで気持ち悪くなる。」


顔色がみるみるうちに悪くなってきた。


たっくん「ああ、座ってられない。隣の部屋に布団をしいてくれ。」


床に入ると、とうとう毛布で顔をおおってしまいました。


これを見て、みんなは笑って、いたずらをすることにしました。


数人が町へ出かけて色々なチャーハンを買ってきました。


チャーハン、キムチチャーハン、高菜チャーハン、五目チャーハン、色々です。


おぼんにチャーハンを乗せると、こっそり枕元に運び、気がつくのを待ちました。


「ねえ。たっくん起きなよ。もうお開きだよ。」

顎のヒロ君が声をかける



たっくん「わかったよ。起きるよ。でももチャーハンのことは言わないでくれよ。」


顎 「わかったよ。もう話さないよ。」



大きな叫び声が聞こえた。
「うわ、チャーハンだ。チャーハンが一杯だ。」


となりの部屋のみんなは大満足。


「おいみんな、どうしてこんなことをするんだよ。約束しただろう。チャーハンこわい。チャーハン恐い。」


大きな声をあげれば上げるほど、みんな大喜び。


「うわ、チャーハンだ。恐い、恐い。」
「うわ、キムチチャーハンだ。恐い、恐い。」
「うわ、五目チャーハン恐い。おいし・・。こわい・・。」


様子のおかしいのに気がついて、みんなが部屋の中を覗いてみました。


「うれしそうだぜ。チャーハン食ってるぜ。こりゃ騙された!ねえ、たっくん、一体本当は何が恐いんだい。」


「今は黒烏龍茶が恐い。」


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