木枯らしが吹く街で…第1話

第1話:深まる秋の中で…

私は、相坂優菜
都内の高校に通っている普通の高校2年生だ。
そして、私の隣でYouTubeを見ながらベラベラ喋っているのが、小学校からの幼馴染、倉田涼介

『なんだこれ〜つまんな…優菜見てみ〜』
幼馴染でずっと仲は良いけど、お互い好きって感情は無くて、でもずっと一緒いる…みたいな関係。
涼介の家は超が付くほどのお金持ち…
でも、金持ち独特の嫌な感じは無いし、普通にファストフードも食べに行く。
通学だって電車で行くし、お迎えが門まで来て…みたいなとこも見たことない。
お互い、彼氏彼女なんて出来たことなんて無かったし、いつも二人でいるから、カップル?って思ってる人もいるらしい…
なんて迷惑な話なんだ。

秋も深まってきたある金曜日の帰り道、いつも通り駅までの道を二人で歩いていると涼介が
『なぁ優菜…明日お前んち行ってもいいか?』
と訪ねてきた
『別に構わないけど、珍しく無い?涼介がそんな事言うなんて?』
と私は笑った。
『たまには良くね?』
と涼介も笑った。
私の家と涼介の家は歩いても10分かからない近さではあるが、高校生になってからは初めての様な気がする。
中学までは、よくお互いの家を行き来したっけ…

電車に乗って、家の最寄駅に着く。
『じゃあ明日な』
涼介は、背を向けたまま、左手を上げて、家の方へ向かう。
『はいはい』
私も返事をして、逆方向へ向かった。

家に着き、部屋に入る
『なんだろう?涼介の奴…急に…』
まあ、人が来るからと私はおもむろに掃除を始めて、少し経った頃、ベットの縁でそのまま眠ってしまったらしい…
『うーん…寒っ…』
私はその寒さに目が覚めた…
時計は夜中3時…
体には毛布がかかっていた。
ご飯も食べずに寝てしまっていた。
家族も起こしに来たらしいがあまりに熟睡状態の私をみて、毛布をかけてそのままにしたらしい…
布団に入り、改めて寝ることにした。
−続−

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