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「蝶の様に舞え!の巻」

「まぁ落ち込むなって、生きてるかもしれんから」

基地へ帰り、慰めと作戦会議をする

「杖……」
「どうした?」
「杖を取ってこなきゃ」
「……まぁ、リーダーとめぐみが死んだからこれまで使った作戦は使えないだろうし、これ以上の滞在は無理やろうな」
「そうだよな、死んでるよな…」
「お前さんはどうするんやパァ( ᐛ )」
「俺はやり残した事があるからもうちょっとだけ残る( ᐛ )」
「そうか…達者でな……じゃあ、みつる俺たちは帰るか」
「そうだよな借金返さなきゃな」
「そうだな返してもらわないと困るな」
「あいつ……!」
「………」
「あの野郎ゼッテェ許さねえ!生きていようが死んでいようが!探し出して、地獄だろうが墓の中だろうが胃の中だろうが引き摺り出して借金払わせてやるッ!」
「まぁ落ち着けよみつる……俺らはあいつに借金払わせるまで生きなきゃな!」
「そう…だな!」

荒廃した世界を歩きで帰る男二人
債権者と債務者
行きは楽だが帰りは苦しい

「水もなんもないっすね」
「焼き尽くされたかんな」
「でも新人類って生き延びたんすね」
「奴らの厄介さは攻撃力とか特殊能力じゃなくてその適応能力と強靭さだかんな」

何もない中を一週間かけて帰る
いかにめぐみの結界術が汎用性に優れていて便利だったか骨身に沁みる
そうこうしてるうちに隠れ家へと帰路が近づく

「おっさん水魔法使えないって冗談じゃないっすよ」
「回復専門なんでね、でもみつるくんの腕は美味しいね♪」
「大丈夫なんすか?自分自身の腕なんか食べて」
「多分平気、平気、平気、、うん平気」
「ははははは、」
「あーーー多分ここかな?」

相変わらずあたりに何もなく、サインらしきものも見つからない
サングラスの位置情報案内機能も5km以内になると自動的に切れる様になっている

「あれ繋がらない」
「はへ?場所間違ったんじゃないすか?」
「いーーやいやいや間違ってない、え?あれ?いや間違いない確実に」
「でも開かないんすよね?」
「緊急事態かも、何かしらがあって自動封鎖の後消去されたかも」
「消去されてない前提で考えてください、システムが使えなくなったら手動で起動できるはずです」
「あったっけなぁ、あきらめた方が……いやみつる君ならいけるかもな」

~~~

「本当にこの格好必要なんすか?」
「隠れ家ごとの制御システムはそこに転生されたエンジニアが作るものなんだ、統一しないから他の隠れ家に被害がでないとかなんとか、まぁこの隠れ家のエンジニアとちょっと酒を飲む機会があってね、そいつぁ女装してるガタイの良いお兄ちゃんが好きらしいんだ、しかも女装してる奴がエントランスに入ろうとするととっておきのイースターエッグを仕込んだとかなんとか、まぁものは試しだやってみろ!」
「……なんも起こんないすよ」
「恥じらいが足りん」
「ほ、本当はこんな格好したくナイノニー」
「俺の言う通りに言ってくれ、''ちっなんで俺がこんな格好しなきゃいけねぇんだ!こんなピッチピッチのパンツにブラジャー本当に気持ち悪い''」
「''ちっなんで俺がこんな格好しなきゃいけねぇんだ!こんなピッチピッチのパンツにブラジャー本当に気持ち悪い''」

みつるとおっさんは光に包まれる
そしてみつるの耳元に「ありがとう、ありがとう」と言う囁き声が聞こえ隠れ家へと移送される

「しっ!これは入んねぇ方が良かったかもな」

次回へ続く




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