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第1話「チートスキル最強!異世界を楽々クリア!俺ちゃんカッコいいの巻」


邪神、裏で手を引いていた最高神、魔王数百を倒し
はたまた邪神に封じられていたこの世界を司る神々を救い出し
そして邪神達は作戦が敗れ、やけくそで邪神は死なば諸共、自分の星を自爆させようとする、が、自壊を始めた星の滅亡を無理矢理押し止め、神の祝福を受けた後、王都へ凱旋する勇者の姿がそこにはあった。

-▽▽▽-

晴天、数キロにも及ぶ楽器隊。
地球より数百倍の大きさの惑星のサイズに合わせた天にも登る様な構造物が列を成し凱旋する、そしてその先頭で両腕に美女を誑かし持ち前のイケメンスマイルを振りまく勇者、そして立ち上がり大きく息を吸った。

『そう!俺ちゃんこそが!世界を救し!超絶スーパーウルトラメガ盛りイケメン!!勇者ぁあ!………みつる様ッッツ!!!ダッア』

その無駄に大きな声に合わせて民主が歓声を挙げる

「オォォォオオオオオ!!!」「ウオウオウ」
「オォォォオオオオオオ!!!」「ウホウホ」

大気が割れるかの如く響く歓声にみつるは大満足のご様子。
その日には王都には世界中の人々が訪れた。東京ドーム約4億個分にもなる王都だが世界中の民を受け入れられず、外までにも人が溢れかえる様な状況だ。

そう!全世界の人間が世界を救し勇者みつるを祝福している!


 ▽▽▽

「エクスタシィイイイ!!!」

脳みそがひっくり返る様な興奮を感じた凱旋を終え、王室の客間で弾けるみつる、彼でなければその様な不敬しないであろうし、彼でしかその様な不敬は許されないであろう、よしんばみつる以外が王室でしたのであれば、その場にその者の首が転がっているであろう、そしてそもそもその様な事をする者は入れないであろうと容易に想像できる。

「うっわぁ、あのー王様がお呼びです」

王室専属メイドが出してはいけない様な言葉が出てしまう。
しかし一向に気づかないみつる

(うほー俺ちゃんの筋肉かわええ)
「チュッチュ、チュッチュ」                      「あのー!」
「え?」
「王様がお呼びです!」
「おけまる水産、たまらんな王様たまらん(今すぐ行きます)」

メイドに案内され謁見の間へと通される
みつるは王様の前で跪き深々と頭を下げる

「勇者みつる、この度はよくやった」
「はっそれもこれも王室や王様の支えなしでは達成できぬ事でした、誠にありが…」

『バァァアアァンン!!!!』 

王様の掌が打ち付けられた音が響き渡る

「話の腰を折るなああああああ!!!!」

「きゃあああああ!」

思わずメイドが叫ぶ、その刹那メイドの首が血を一滴もたらさず床へと転がる、転がり1回転したその頃、芸術的な切断面からじわぁと血が滴る、残されたメイドの体は、首を落とされたのか気づかないかの様に直立している。

みつるは青ざめた顔ですかさず非礼を詫びる

「王様の貴重な御言葉を遮る不敬何卒お許しください!!!」
「・・・・・・・・・」
「興醒めじゃ、みつるよ我(あ)が手を叩く、その音が鳴り止まぬ間にそこのメイドを直してみろ」
「承知いたしました」

・・・・・・・・・・・パンッ!
その刹那そこにはメイドが2人いた

「ぬっ!」
「王様!申し訳ございません、勢い余ってメイドを増やしてしまいました」
「おっほっほっほ、やはりみつるは面白いのぉ、ゲホッゲホッ」
「あはははははははは」
「あはははははははは」

2人の狂気に満ちた笑いがこだまする

「そういえばみつるよ」
「はい」
「相槌を打つなああああああああ」

みつるの首が宙を舞う、みつるは死んでしまった。

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